仮想通貨XRPの上場秘話と今後の新規取り扱い通貨について

DMM Bitcoinは7月10日からXRPの取り扱いを開始しました。

なぜこのタイミングでXRPを上場させたのか。次に上場する通貨はどのような通貨を上場させるのか、それらを主なテーマに今回はお話しをしていきます。

XRPを取り扱い開始した背景

XRP上場の背景には、もともとDMM Bitcoinとして、暗号資産というものを証券市場になぞらえる形で捉えて中心的な戦略を取っているということがあります。そこには多様な投資アセットクラスがあり、例を挙げると株や債券、通貨などが含まれ、それらの中に暗号資産があるという形です。

多様な投資アセットクラスの一部である暗号資産を取り扱うことで、投資機会をお客様へ提供していくことが暗号資産の交換業者としての役割とだ考えています。

証券市場の活性化は新しい銘柄の採用であって、IPOを通じてニューマネーを取り込んでいきます。社会や経済、産業のあり方に合わせて、新しい銘柄がIPOでどんどん上場されていくことで新陳代謝のメカニズムが生まれます。

そのような意味で、暗号資産交換業をやる者としては、新しい銘柄を入れながら、ニューマネーの獲得と財産の価値の交換に対しての循環を自分たちの中で生み出さないといけないと思っています。

XRPを選んだ理由は、すでにレバレッジ取引で提供している銘柄の中で、現物取引のニーズが高いのがXRPだったからです。また、最も重要なのは、ウォレット管理の技術において、自分たちでR&Dを含めて自社グループ内でノウハウを保有することができたというので最終的な判断に至ったことです。

今後取り扱う通貨の条件

今後どのような通貨を扱っていくかという点でいうと、現在、レバレッジ取引で扱っている銘柄の中で需要が高いものを採用していくことは一つのアプローチとしてあります。ただし、需要の面でいうと、3通貨とそれ以外の差は大きいです。

この3通貨は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)で、それはどこの会社も同じだと思います。しかし、それ以外の取引量はそんなに多くなく、それを現物の通貨としてコストをかけて追加することが得策かといわれると私たちは懐疑的です。

ただ、ユーティリティ性を高く持っているような暗号資産、かつ自分たちで対応可能なもの(ERC20など)を中心に四半期につき数銘柄ずつ、新規追加をすることが出来ればと思っています。

第1号はリップルでしたが、第2号、第3号というところでいくと、現在、レバレッジで扱っているものかというそうではなく、高いユーティリティ性を持っているものユーティリティトークンとして使えるような状態にあるもの価値自体が向上する可能性があるもの、技術的に言えば、自分たちの技術で扱えるものを採用していければと考えています。

ユーティリティを対象にしている産業領域は、広告アフィリエイトの領域のトークンやゲームエンターテイメントのトークンというところに注目しており、我々はこの中で有望なものを一つでも多く発掘出来ればいいなと思っています。

新規通貨に注目する理由

広告アフィリエイトの領域は、正しくガリバーとの競争に勝つであったり、新しいサービスとして顧客を獲得できると息長く伸びる可能性があります。

ゲームエンターテイメント領域は、上に乗っかっているゲームコンテンツやエンターテイメントコンテンツが一発当てると大きく入ります。共通的に使えるゲームトークンのプラットフォームはあると思いますが、そこに今大きく顧客を持っている人が入ったり、その中で1つ凄いゲームが生まれるとそのゲームを軸にハネる可能性が大いにあります。

かつて、ミクシィさんが引っ張りゲーム一発で一兆円規模の企業になったり、ガンホーさんもそうであったように、ゲーム、エンターテイメントの世界はそのようなことがあるので、一発乗ってきそうなゲームのプラットフォームの有望なものを選び、取り扱い銘柄に加えることができれば面白いと思うので、このような領域でうまく発掘ができればと考えています。

ただし、いくらおもしろそうな暗号資産であったとしても、対象にしている領域が現実社会の成長性を失っているようなレガシーのところだとだめだと思います。成長性があるような、後発から入ってきた人でも大きく成長できるような可能性を秘めた領域に着目していきたいと思っています。

暗号資産と法定通貨、そしてリブラそれぞれの強みとは? 通貨競争今後の展開を予想|DMM Bitcoinコラム

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田口 仁 DMM Bitcoin 代表取締役

埼玉県越谷市出身。早稲田大学政治経済学部を1994年に卒業し、三菱商事株式会社に入社。 その後は、ライブドア、DeNA、EMCOMなどで様々な事業立ち上げや運用に携わり、現在は「DMM Bitcoin」の代表取締役社長。

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