ナスダック上場米マラソン社、脱炭素路線のビットコインマイニングへ

MarathonとCompute Northが提携

ナスダック上場の米大手暗号資産(仮想通貨)マイニング企業Marathon Digital Holdings(以下Marathon)が米Compute Northと提携して、テキサス州に新たなマイニング施設を開設すると発表した。マイニングの70%をカーボンニュートラルで行うという。

カーボンニュートラル(炭素中立)とは、一般的に二酸化炭素の排出量と排出削減・吸収量を相殺してプラスマイナスゼロにすることである。

Marathonが以前購入していた約73,000台のビットコイン(BTC)マイニングマシンを、テキサス州にある新しい300メガワット級のデータセンターの一部に配置する計画だ。

すべてのマイニングマシンが設置されると、Marathon全体のハッシュレートは約10.37 EH/s(エクサハッシュ/毎秒)に到達。ホスティングサービス、電力、データセンター管理、その他設備投資などにかかる平均マイニングコストはkWh(キロワットアワー)あたり0.0453ドル(約5円)になる見込み。

長期的には100%カーボンニュートラル目指す

MarathonのCEO、Fred Thiel氏は次のように説明した。

2022年の第1四半期末までにすべてのマイニングマシンが配備されると、当社のマイニングは70%カーボンニュートラルになる。さらに長期的な目標は100%カーボンニュートラルを達成することだ。

提携により、Marathonが北米で最も効率的かつ環境について考慮するビットコインマイナーの一つになると強調。また、Compute Northとの提携によりマイニングに必要なインフラをコストをかけずに利用することが可能となり、マイニング事業をする場所についてより柔軟に選択できることもメリットだと話した。

MarathonのMerrick Okamoto会長は次のようにコメント。

将来的に、当社が100%カーボンニュートラルに移行すれば、私たちのマイニングプールは、100%カーボンニュートラルで規制にも準拠した最初のマイニングプールになるだろう。

Marathonは5月初旬に米国の規制に準拠する「Marathon OFAC Pool」の立ち上げを発表している。マネロン防止基準や米財務省の基準を遵守し、経済制裁対象に指定された者の取引を処理しないようにするマイニングプールだ。

関連「規制準拠のビットコインマイニングプール」米マラソン社が立ち上げ

規制準拠に加えて、Marathonはこれから炭素排出の面でも、国際的な排出量削減の必要性に対処することになる。

Compute NorthのCEO、Dave Perrill氏は、同社が独自のデータセンターモデルにより、大規模で低コスト、環境に優しいマイニング事業のホスティングとインフラストラクチャを提供しているとアピールした。

北米では、再生可能エネルギーを利用した施設など環境を考慮した仮想通貨マイニングが増加している。一方で、一度閉鎖された石炭火力発電所施設を再利用したマイニング事業も存在しており、こうした事業者においては炭素排出量の削減が課題となりそうだ。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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