仮想通貨減税で民間に活力を、日本経済復活のための改革

                                                                                                                      

現在の仮想通貨税制や規制面についての正解とはどのような形でしょうか

連載第2回目となる本記事では、政府が仮想通貨に関し、どこまで介入するべきか、税制をテーマにお話を進めていきます。

前回の記事紹介

ここ30年間、世界最低水準で推移する日本経済。その現状を打破するのに必要なこと、それは「民」が中心の経済です。

日本の停滞の本質的な原因はどこにあるのかをお話ししました。 日本復活に必要な変革、「官主導」から「民」の経済へ|藤巻議員コラム(1)

税金よりも民間に活力を

                                                     

政府は仮想通貨で税金を集めたりせず、極力税金を低くし、民間に活力を残すべきです。そして多くの人が税金を払う代わりに、投資や会社等にお金を使って世界から人材や投資金を集めていき、経済が活性化していくことがあるべき姿と私は考えています

最低限の規制は必要ですが、色んな意味で政府は介入する必要はないのです。

ハッキングの問題が起こらないようにセキュリティ等の問題はきちんと抑えておく必要があります。ただ、それ以上は極力自由にやらせていくことが重要だと考えています。

ほとんどの国民は、全て政府が守ってくれるという感覚が強いです。

しかし、国民もある程度自身で勉強しておく必要があります。最低限の規制でユーザーに取引を行わせることが重要であり、理想的な形であると思います。

国会で議論を行う理由

私は仮想通貨税制に関してずっと国会で議論してきました。議論を行っている理由は、国会答弁で取り上げないと、仮想通貨税制に対して全く興味を持たれないからです

お役人、特に地位が高くなればなるほど国会の答弁が重要で、彼らは失敗すると将来がなくなってしまうため、一生懸命にやります。

今回かなり頻繁に仮想通貨の税制について質問したので、上層部や彼らを支える部下も相当勉強したと思います。そして、勉強しているうちに彼らはいろいろな点に気がついたはずです。

最初は国税当局は資産性を認めていなかったと思います。

そこを検討するにあたって、税の分類について少しお話させてください。

税制は見直されるべき

所得税には10の分類があり、給与所得、不動産所得などありますが、最後に雑所得があります。

雑所得の定義というのは、他の9つの分類に入らないものが雑所得という法律のたてつけになっています。ということは、まず最初に言っておかないといけないことは、例えば、私が譲渡所得であると言えば、私がこれが譲渡所得と証明する必要はなく、国税局がそれは違うと言わなければなりません。

本人が譲渡所得だと言えば、それを否定しないといけないのは国税局なのです

POINT

著書「租税法」でも知られる租税法学界の権威、金子 宏先生は、「仮想通貨ビットコインは、譲渡所得に起因する資産になり得る」と定義している。「譲渡所得には入らない」とする国税当局側の認識は、租税法の大家の金子先生の主張とも食い違っており、国税当局はこの学説を否定する必要がある。

また国税当局は、仮想通貨は「支払い手段」であって、譲渡所得が適用されない資産であると主張する一方で、日銀の黒田総裁は、仮想通貨は「現状投機であり、支払い手段とはなっていない」と発言。支払い手段であるため譲渡所得に起因するものではないと国税当局が言っても、現実としてほとんど支払い手段として使われていないのです。

万が一、ある人が譲渡所得で確定申告をしたときに、それは違う、雑所得であると否定されて、国税不服審判所に行ったとします。そのあと裁判所に行って裁判をしたとしても、おそらく国税は負けると思います。

そしてもし裁判結果が出たら、国税局は修正しなければならないし、そんなことはわかっているからそうなる前に変えてくるのではないでしょうか。そういうことから言うと、少なくとも総合所得のままかもしれませんが、納税者にとって最悪の雑所得からは抜けて、譲渡所得には割と早くになると思います。

また税金の制度設計では、どうやれば国がうまくいくのかという視点でも考えるべきです。

ただしそうは言っても、税のロジックというものがあるので、税が高すぎるから低くしろというのでは通りません。だからこそ、私は国税当局と雑所得についてロジックを基に議論しているのです。

ある程度変化もみえてきていて、国税は追い詰められていると思っているのではないでしょうか。当選させて頂き、議論を続けていきたいと考えています。

表裏一体の関係”ブロックチェーンと仮想通貨”

私は、次世代にブロックチェーンが来ると見ているため、ブロックチェーンを成長させないといけない、そして表裏一体の関係にある仮想通貨は不可欠であり進展させていかなければならないと考えています。

また最近では、Libraが大きなニュースとなっています。業界全体にリブラ = ステーブルコインと言った認識がありますが、これは他通貨のバスケットであるので、対円となったら損益は出ます。

そうなると、Libraが世界で広がっていくのであれば、今の税制(小額決済にも課税)では日本だけ完全に取り残されてしまいます。使用するごとに損益計算をしなければならないからです。

ステーブルコインと言っても円とペッグされたものではないので、当然のことながら、一度使用する毎に記録して、儲かったら確定申告をしなくてはならない。しない場合は脱税で捕まってしまうということであれば誰も使わなくなって、そうすると、企業も参加しなくなります。

現在の税制では外部環境からしても苦しくなってきているので、焦っているのが現状でしょう。今週末に控える参議院選挙に当選すれば、国会でさらに追求していきたいと思っています。

藤巻 健史(Takeshi Fujimaki) 参議院議員

日本維新の会政調会長代行。元モルガン銀行(現JPモルガン・チェース)日本代表・東京支店長。元ジョージソロス氏アドバイザー。一橋大学卒、ケロッグ経営大学院修了MBA取得。米News week 誌「世界が尊敬する日本人100人」に選出。 朝日新聞で「藤巻兄弟」を共に連載していた元伊勢丹バイヤーの故藤巻幸夫の実兄

藤巻 健史Twitter( @fujimaki_takesi)

「仮想通貨には夢がある」藤巻議員が語る魅力、そして政治家としての展望|藤巻議員コラム(3)

私がなぜ仮想通貨やブロックチェーンに魅力を感じているのか。またそれらの役割として、注目している部分についてお話ししていきます。そして政治家としてどのように業界に関わっていくべきか、その考えを共有できたらと思います。

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