新型コロナウイルスに対抗するための、世界各国のブロックチェーン活用事例まとめ

感染が拡大する新型コロナウイルスに対して、ブロックチェーンを活用した様々な取り組みが各国で行われています。

中国:中国の大学、新型コロナウイルス対策でブロックチェーン技術を活用

中国・山東省では、「ブロックチェーンを活用した新型肺炎情報観測システム」を利用し、山東財経大学に通う学生や教職員の健康状態に関するデータをリアルタイムに共有することで、感染の拡大を防止する取り組みが行われています。
山東省立病院から新型コロナウイルス関連のデータ提供を受け、リアルタイムで学生と教職員の健康状況データ、在宅状況、予防や発見につながる情報を収集することで、学内での新型肺炎対策に役立てています。
同大学によると、全国各地から学生が集まり、同じ空間で過ごすキャンパスは、感染症の拡散リスクが非常に高く、現在は学生の大半が実家に帰省しているが、間もなく多くの学生が戻ってくることが予想されるため、関係者の移動や教室などの入室、指導教員との連絡体制を一元管理できるシステムが必要になるとのこと。ブロックチェーン技術を使うことで、情報の収集効率や統計の正確性、セキュリティ強化が期待されています。
収集・管理された情報は、学生の指導教員、学部、大学内の医療部門、大学と4つの層に分け、閲覧権限を調整できます。

参考: https://www.sdufe.edu.cn/info/1068/7682.htm

中国:中国雄安新区はブロックチェーンを活用した医療用品寄付向けのトレーサビリティプラットフォームを開発

ブロックチェーンを活用することで、寄付金がどのような流れで動いているのかを追跡することが可能となり、新型コロナウイルスの感染拡大によって医療品不足が大きな社会的問題となっている中国においては大きな役割を担うと考えられています。
ブロックチェーンスタートアップのハイパーチェーン(趣鏈科技)は、フーシン・グループ(Fuxing Group)や雄安グループ(Xiongan Group)と共同で、寄付金の提供者と受け取る側を繋ぎ、透明性の高い取引を可能とするブロックチェーンベースの寄付追跡プラットフォーム「善踪(Shanzong)」を開発しました。
寄付が意図した届け先に届くと通知が来る仕組みになっており、透明性の高いポータルで、寄付者は自身が寄付した資金の流れを確認することが可能で、寄付をあらゆる段階で追跡し、必要な医療機器に対して、適切に寄付が行き届いたかを確認できます。

参考:https://www.chainnews.com/articles/197834949678.htm

オランダ:オランダのPHBCは、新型コロナウイルスに感染していない人を追跡するためのブロックチェーンシステムを開発

Den Haag. Public Health Blockchain Consortium (PHBC)はウイルスフリー監視ブロックチェーンシステムのリリースを発表しました。コミュニティと職場の体系的、継続的、匿名の検証で新型コロナウイルスのない場所を検証します。 また、その他の危険性の高いウイルス、細菌・真菌、生命関わる病気にかからないよう支援します。
感染者に焦点を当てた従来の感染症サーベイランスとは異なり、非感染者の動きを監視し、まだ病気が存在しない地域や社会、職場などに感染したであろう領域から来る人が入らないようにすることによって危険性の高いウイルスの流入を防ぎます。
システムはウイルス監視プロバイダーからのリアルタイム情報と人工知能(AI)および地理情報システム(GIS)を統合することにより、汚染の有効な報告がない地域は、セーフゾーンのステータスに引き上げられます。
システムは、セーフゾーンに入る人々が常に監視されていることを保証するため、セキュリティ組織または政府機関の職場またはコミュニティからの保護証明書を保存します。以前、感染エリアに入ったことがある人は、セーフゾーンに入る許可をもらう前に、検疫ゾーンに留まる必要があります。

参考:https://www.newswire.ca/news-releases/virusblockchain-com-safer-communities-and-workplaces-with-coronavirus-covid-19-blockchain-monitor-898074612.html

オランダ:オランダの多くのテクノロジー企業は、共同で新型コロナウイルスと戦うための「Tech against Corona」計画を立ち上げ

ブロックチェーン会社TYMLEZ(TYM)を含むオランダのハイテク企業の「Tech against Corona」イニシアチブは、新型コロナウイルスとの闘いにおいて無料のサポートを提供します。
新型コロナウイルスの流行が始まった後、多くの企業が利益のために医薬品の価格を引き上げました。TYMLEZは、商人が悪意を持った価格操作やその他の壊滅的な行動を起こすのを防ぐために、需要と供給のブロックチェーンベースのプラットフォームを分散させることにより、医薬品サプライチェーン全体の透明性を確保しています。
「Tech against Corona」イニシアチブにはすでに10社以上の企業が関与しています。

参考:https://www.the-blockchain.com/2020/03/29/tech-against-corona-covid-19-dutch-enterprise-blockchain-company-tymlez-helps-dutch-government/

WHO:WHOとIBMがブロックチェーンベースの新型コロナウイルスデータセンターを開発

WHOはIBM、Oracle、Microsoft及び分散プラットフォームハセラ(Hacera)と連携して、新型コロナウイルス関連の検証済みデータを収集・提供・利用するために、「MiPasa」と呼ばれるブロックチェーンを使ったオープン・データプラットフォームを構築しています。
MiPasaはHyperledger Fabric上に構築されており、検査データや他の情報に続き、さまざまなデータ分析ツールが追加される事で、新型コロナウイルス感染のホットスポットの正確な検知をサポートが可能となるように進化することが期待されています。
MiPasaはすでに世界保健機関、疾病管理センター、イスラエル公衆衛生省、および認定機関からデータを引き出しており、APIを使用するだけで独自の新しいプラットフォームを簡単に統合できます。
これにより、アウトブレイクの蔓延と封じ込めに関する情報の収集、照合、調査が非常に容易になります。MiPasaが期待するリソースは、公衆衛生当局、ビジネスおよび科学コミュニティ、そして一般の人々が進行中の新型コロナウイルスのパンデミックとより効率的に闘うのに役立ちます。

参考:https://decrypt.co/23904/coronavirus-who-tracking-app-blockchain

アラブ首長国連邦(UAE):政府はブロックチェーンテクノロジーを使用して、新型コロナウイルスと闘う

2020年3月25日に、UAE全体国民の利益のために、UAEコミュニティ開発省(Ministry of Community Development)(MOCD)はブロックチェーンベースのデジタルサービスを使用して政府サービスを提供し始めました。
MOCDは、新型コロナウイルスの拡散を削減するという指令により、すべての政府サービスの継続性と柔軟性を確保することに尽力しています。すべての顧客満足センター全体で紙の文書を受け取ることをやめ、代わりにデジタル文書を承認しました。MOCDは、1年以上にわたり、ブロックチェーンテクノロジーを介して、「関係者」の証明書やその他の文書の認証を電子的に開始しています。現在、ブロックチェーンを介して2,919のドキュメントを認証しています。

参考:http://wam.ae/en/details/1395302832840

スペイン:マドリッドチームは、新型コロナウイルスと戦うためにIOTAに基づく分散情報プラットフォームを構築

マドリードはスペインで最も状況が深刻な都市です。分散データ共有システムGeoDBは、非営利プロジェクトのデータ共有プラットフォーム「Aid Squad」を立ち上げて、新型コロナウイルスとの戦いに貢献することを目指しています。
ユーザーはAid Squadで年齢、性別、新型コロナウイルス関連の症状や期間などの個人の健康記録(PHR)を匿名で入力できます。Aid Squadは、ユーザーのおおよその位置も収集し、これらのデータに基づいて、ヒートマップを生成し、ウイルスや感染性ホットスポットの広がりを視覚的に示すことができます。関連データはIOTAブロックチェーンシステムに保存され、データはオープンで改ざん防止されており、ユーザーの匿名性が保持されます。
さらに、システムはユーザーの貢献度に応じてAid Squadトークンを割り当て、感謝を表明します。発表では、これがプロジェクトのために作成されたトークンであり、EthereumにデプロイされたGeoDBのスマートコントラクトによって生成されたことが強調されています。

参考:https://cointelegraph.com/news/madrid-team-builds-iota-based-decentralized-information-platform-to-combat-coronavirus

シンガポール:Algorand Foundationは、関連する患者情報の収集に特化したグローバルなオープンソースデータベース「IReport-Covid」を立ち上げ

新型コロナウイルスとの戦いを支援するために、Algorand FoundationはAlgorandコミュニティのメンバーと共に「IReport-Covid」アプリを立ち上げ、新型コロナウイルスを追跡し理解するための世界初のオープンデータベースを作成します。個人が新型コロナウイルス情報を匿名で直接報告でき、ユーザー(症状のないユーザーを含む)は、検疫および医療情報を匿名で報告できます。
IReport-CovdアプリはAlgorandパブリックブロックチェーン上に構築されており、情報をタイムリーで透明性の高い恒久的な手段で共有する方法を提供します。この危機に関する情報を保存し、いずれ再来するかもしれない大流行に対応するための研究を支えるツールとして利用されることを目指します。

参考:https://ireport.algorand.org/ja

カナダ:新型コロナウイルス対策でブロックチェーンスタートアップ Emergeが「Civitas」公共安全システムアプリケーションと「Trusted Voices」プラットフォームを立ち上げ

トロントに拠点を置くブロックチェーンスタートアップのEmergeは、「Civitas」と呼ばれる公共安全システムアプリケーションを立ち上げ、多くの国の地方自治体が新型コロナウイルスと闘うのを支援しています。
アプリは、国民の政府ID番号を、遠隔診療や外出許可証に利用できるブロックチェーン記録に関連づけます。そして、このアプリは、外出して最も安全な生活の必需品を購入するのに最適な日を判断するのに役立ちます。
「症状が出ている人をいかに外出させるかをうまく管理するためのもの。ID番号の最後の数字によって、いつ外出できるかが決まる」とエマージのルシア・ガラルド(Lucia Gallardo)CEOは語りました。
また、ブロックチェーン技術を通じてメディアの透明性を向上させるプラットフォームであるTrusted Voicesも導入しています。ニュースリーダーは、TrustedVoices.ioを通じてニュースソースとコンテンツ資料を追跡し、さまざまなメディアプラットフォームで共有できます。新型コロナウイルスが国際社会に深刻な被害をもたらしているため、虚偽の情報宣伝活動がますます蔓延しています。情報の正確さは、意思決定者、報道機関、および市民が情報に基づいた決定を行うために重要です。

参考:https://medium.com/@EmergeDev/emerge-against-covid-19-a861737a0ca8

米国:新型コロナウイルス対策でブロックチェーンスタートアップAcoerはリアルタイムでデータ可視化プラットフォーム「Coronavirus HashLog」を開発

HashLog は、世界保健機関とさまざまな国や地域の疾病管理センターからデータを収集し、リアルタイムのコロナウイルスデータとトレンドを表示します。HashLogはHedera Hashgraphの分散型台帳技術(DLT)を使い、研究者や科学者やジャーナリストがHashLogダッシュボードに表示される視覚化ツールを通じて、新型コロナウイルスの広がりやその傾向を知ることができます。
HashLogにより、ユーザーは視覚的なデータとトレンドをライブで確認できます。これには、確認された症例、感染の百件ごとの死亡と回復、並べ替えとフィルタリング機能を備えたインタラクティブなビュー、視覚化から直接ダウンロードまたは抽出する機能が含まれます。

参考:https://www.acoer.com/coronavirus

米国:BitGiveがブロックチェーンに基づくCOVID-19寄付活動を開始

2020年5月4日に、最初のビットコイン501(c)(3)非営利団体ビットギブ(BitGive)は、DirectRelief、GiveDirectly および One Fair Wage Emergency Fundと連携して、ブロックチェーンテクノロジーを活用して新型コロナウイルスの影響を受けた人々にサポートを提供することを発表しました。
『BitGive COVID-19 Emergency Relief Fund』と呼ばれる基金は、医療専門家に個人用保護具を提供し、失業した人や最も必要としている人に金銭的救済を提供します。
BitGiveの寄付追跡プラットフォームである「GiveTrack」を通じて、寄付者は法定通貨または暗号通貨での寄付を選択できます。寄付の流れが完全に透明化したプラットフォームは、資金がどのように使われるかを追跡し、寄付者に証拠に基づく直接報告を提供できます。

参考:https://www.bitgivefoundation.org/

日本:新型コロナウイルス対策でLasTrust株式会社は「ブロックチェーン卒業証明書」を無償提供

ブロックチェーンスタートアップのLasTrust株式会社は、2020年3月17日に『新型コロナウイルスの影響により、卒業証書授与式の開催が困難だった教育機関へ、オンラインで授与可能なブロックチェーン卒業証明書を無償提供する』と発表しました。
新型コロナウイルスの影響で”休校”になっている学校は「卒業証書の授与式を開催することができない」という問題に陥る可能性がありますが、ブロックチェーン証明書はオンライン上で発行して卒業生に送信し、”非接触”で証明書を授与することができます。
卒業証書はLasTrustのブロックチェーン証明書発行SaaS「CloudCerts(クラウドサーツ)」から発行されます。卒業記録が信頼できるものであることを保証することができ、卒業生が自分自身の卒業証書をスマホ端末に保存してSNSやブログなどにアップロードしたり、就職希望先担当者にメールで送信したりすることができるようになっています。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000047577.html

中国以外の国では、流行が広がり続けています。ブロックチェーンベースのソリューションはある程度で発生を防いでいますが、それでもまだ十分ではありません。世界的な流行の予防と管理において、ますます多くのブロックチェーンソリューションが登場することは驚くことではありません。