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なぜ今ステーキングに注目するのか?ビットコイン研究所が語る今後の動向

ビットコイン研究所は、ビットコインを中心に仮想通貨の情報を専門的に扱う会員制の研究所です。

2015年から日本でいち早く暗号通貨専門のサロンを運営し、最新の技術やトレンド、プロジェクトに関して網羅的で良質な情報を毎週発信、関連技術やトレンドの啓蒙や解説に取り組んでいます。

今回NODEEを介し、私が今最も注目している市場である、ステーキングと、その周辺のエコシステムについてお話ししていきます。

大石哲之 ブロガー、エンジェル投資家

2013年にビットコインに出会ってから、フルタイムの暗号通貨ブロガーとして活躍。日本を代表的する暗号通貨ブログ(doublehash.me)を執筆。

ビットコインの仕組みやイーサリアムを初めて日本で一般向けに紹介したほか、Ethereumにイーサリアムと訳語をつけ、定着させた。ICOの概念を日本で初めて紹介し、最初期のICO(Factom、Augur)などのアドバイザーを務めた。エンジェル投資家として、日本・海外のスタートアップに参画している。

1975年東京生まれ。慶応義塾大学でコンピュータサイエンスを専攻、アクセンチュアのコンサルタント、インターネットリクルーティング会社の創業などをへて現職。

ステーキングのエコシステム

ステーキングとは、ここ最近立ち上がったコインの多くが採用しているモデルで、コインを利用できないロック状態(ステーク)に置くことで、新規のコイン発行の割当を得ることができるというものです。ロックされるコインが多ければ多いほどネットワークのセキュリティが増します。Tezos、EOS、Cosmosなどが代表的なステーキングコインで、イーサリアム2.0で採用される予定のPOSも同様の仕組みをとっています。

保有コインに金利のような形で新規コインの割当があり、年利にして5〜10%になるというのが平均的なリターンです。この利率は魅力的です。

このステーキング周りにいろいろなビジネスが立ち上がりつつ有ります。

「バリデータ」は、取引を承認するノードです。通常20〜100といった数があります。バリデータは自己保有のコインをステークするほか、一般のユーザーからその保有コインのステークを委任を受けることができます。この委任の手数料として少額をもらうのがバリデータのビジネスモデルです。

「デリゲータ」は、自分ではバリデータを運営できないが、バリデータに自分のコインを委託してステーク報酬を得るユーザーのことです。このバリデータ、デリゲータがエコシステムの中核をなします。

なぜステーキングが人気なのか

Coinbaseは数日前に、代表的なステーキングコインであるTezosを扱い始めました。Tezosの取引を提供するだけではなく、コインベース自体がバリデータとなり、ユーザーのコインのステーキングの委託をうけます。そこから得られたコインを配分するサービスを提供するとしています。(ステーキング代行サービス)。コインベースの手数料を抜いて6.6%の利回りが得られるとしています。

Coinbaseは、Tezosの後は、Maker、Cosmos、Polkadot、Algorand、などを取り扱うとメンションしています。

同様のサービスは、PoloniexがすでにCosmos(ATOM)で提供しています。PoloniexにATOMを預けておくと、自動的にステーキングが行われ、金利が得られます。取引所としては、多くのコインを預けてもらい、取引も活発になればよいですし、ユーザーとしても売買していない間に金利が得られるのは非常に良いです。 今後は、取引所がステーキング代行サービスを多く扱うようになるでしょう。

同時にステーキングしている間の価格変動をヘッジする先物市場なども必須で、徐々に整備されていくでしょう。

カストディ、バリデータ、取引所、先物市場、OTCといったところが、ステーキングを中心に新しいサービスを提供していく方向性が徐々に始まっています。

最終的に、イーサリアムがPOSに移行するタイミング(2020年以降)を見越して、徐々にサービスと、市場が形成されていくものと思います。

日本においては、先進的な事業者がいくつか参入をしています。例えばTezosやCosmos(ATOM)のバリデータとして、Stir社、HashHub社がサービスを提供しています。取引所のほうは対応がおくれています。まだ新規のコインすら追加できる状況ではないので、ステーキングサービスの提供では、世界の他の取引所に大きく遅れをとることになりそうです。

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