EastPoint:Seoul 2026が開催、270以上の機関から約600人の意思決定者が参加
グローバルなデジタル資産市場をけん引する機関の幹部らが昨日、クローズド形式の会合のためソウルに集結した。
舞台となったのは、アジア最大級のプライベート型デジタル資産カンファレンスの一つである「EastPoint:Seoul 2026」だ。2回目の開催となる今年は、9月28日にThe Westin Seoul Parnasで開催された。270以上の機関から、約600人の意思決定者が参加した。
本カンファレンスは機関投資家向けのイベントである。主催は、アジアを代表するブロックチェーン・AI分野のベンチャーキャピタルで、7年にわたりKorea Blockchain Weekを主導してきたHashedと、韓国を代表する経済紙The Korea Economic Daily、および同社のデジタル資産メディア子会社Bloomingbitの共同である。
EastPointは、グローバル金融機関、業界リーダー、政策立案者を一堂に集める場である。非公開のビジネスミーティング、戦略的ラウンドテーブル、メインステージのセッションを通じて、市場の喫緊の課題に取り組み、実質的な戦略的パートナーシップの構築を図る。
今年のアジェンダは昨年よりも大きく広がり、AIエージェント、RWA(現実資産)、ステーブルコインにまで及んだ。テーマは「機関投資時代の幕開け」「ステーブルコインの進化」「オンチェーン化する資本市場」「AIエージェントの時代」「日常生活におけるブロックチェーンの普及」の5つである。
一日を通じて繰り返し取り上げられたのは、市場の重心が個人投資家や取引所から、機関投資家や伝統的金融へと移りつつあるというテーマだ。この変化は現在、投資商品にとどまらず、取引、清算、決済、カストディのインフラ全体を再構築しつつある。
オープニング基調講演で、Hashed CEOのSimon Kim氏は、AIによって新しいことを試すコストが劇的に低下し、それが競争力の意味を変えていると主張した。
同氏は「正解のない時代においては、どれだけ速く間違えられるかが、国や企業の競争力を左右します」と述べた。かつて数週間から数年を要した実験が、今では一人で一晩のうちに実行できるようになり、失敗を繰り返しても楽観的であり続けることが合理的な戦略になっているという。
Kim氏は、AIエージェントが人々に代わって経済活動を担い始めるにつれ、信頼そのものがビジネスチャンスになると指摘した。
エージェントが誰の指示で動いているのか、どこまで行動してよいのかを証明するには依然として高いコストがかかり、AIの身元と権限を検証することが一つの産業に成長すると同氏は見込んでいる。
その役割に最も適したインフラがブロックチェーンだという。暗号資産のエコシステムは人間にとって常に扱いづらいものだったが、スマートコントラクトは機械にとってネイティブな環境である。
同氏の言葉を借りれば、ブロックチェーンとデジタル資産の最初の真のユーザーは、人間ではなく機械になるかもしれない。
同氏は、韓国株に連動するトークン化商品が現在、ブロックチェーンや分散型取引所で24時間取引されていることを挙げた。これは、業界が既存の台帳をブロックチェーンに移行する段階を超え、トークンを中心とした新たな金融インフラを構築していることの証左だと述べた。
Kim氏は最後に、韓国の立ち位置について論じた。その根拠として、デジタル資産に対する国民の関心が際立って高いこと、AIとロボティクスの強固な基盤、そして2大経済圏の間に位置していることを挙げた。
「韓国が米国と中国の双方から信頼される立場を確保できれば、その価値はそれに応じて高まります」と同氏は述べた。「グローバルなAIエージェントがソウルで身元を検証し、決済を行う環境を構築できれば、韓国はルールに従う国から、ルールをつくる国へと転換できます」。
そのためには、規制当局が市場に予測可能なタイムラインを示す必要があると同氏は主張した。一律に禁止するのではなく、何が、いつまで制限され、どの時点から可能になるのかを当局が明確にすることで、企業は計画を立てられるようになるという。
プログラムからは、資本と政策が密接に連動しつつある現状がうかがえた。Franklin Templeton、a16z crypto、SBI、Bitwiseは、機関投資家がどのようにデジタル資産を導入しているのか、またそれに伴い市場がどのように再構築されつつあるのかを検証した。
政策面では、ホワイトハウスおよびCFTCの元当局者、米国の州議会議員、Abu Dhabi Global Marketが、米国、アジア、中東における規制環境や金融ハブ間の競争を比較した。
CircleとTetherは、ステーブルコインがグローバルな決済や金融市場インフラに何をもたらすのかについて語った。Consensys、Canton Network、Maelstrom、Coinbase、Ripple、BitGoは、機関投資家の市場参入に必要なインフラについて議論した。
会場には、韓国の政界・金融界の主要人物も多数顔をそろえた。共に民主党のMin Byoung-dug議員とAhn Do-geol議員、改革新党のLee Jun-seok議員は、デジタル資産規制の制度化と産業競争力の強化について講演した。
また、大手証券会社、カード会社、フィンテックプラットフォーム、資産運用会社など、韓国の金融業界全体から上級幹部が参加した。
イベントは2つのトラックで構成され、メインステージと非公開のラウンドテーブルが並行して行われた。
ラウンドテーブルでは、ステーブルコイン、RWA、デジタル資産カストディ、機関投資インフラ、資本市場のオンチェーン移行といった分野におけるビジネス協業に焦点が当てられた。
イベントでは、Hashed Open Research(HOR)によるレポート「暗号資産規制から読み解く国家戦略と市場成長(Reading National Strategy and Market Growth Through Crypto Regulation)」が発表された。
同レポートは、米国、EU、日本、中国、韓国を詳細に分析したものだ。2026年時点における各法域の暗号資産規制へのアプローチを、それぞれの国家戦略を映し出すものとして読み解いている。
Hashed CEOのSimon Kim氏は、次のように述べた。
「デジタル資産は今や、可能性ではなく持続可能性を証明しなければならない段階にあります。EastPointを、市場を構築する人々とルールを設計する人々が同じテーブルにつき、互いに学び合い、次の一歩を決める場にしたいと考えています」
Hashedについて
Hashedは、創業初期の段階から起業家と協力し、次世代のブロックチェーン、AI、コンテンツ企業の構築を支援するグローバルなベンチャーキャピタルである。
ソウルに本社を置き、サンフランシスコ、シンガポール、バンコク、ベンガルール、アブダビの5つのグローバル拠点を展開している。
このネットワークを通じて、資金、戦略的な関係構築、運営面での支援を提供し、ポートフォリオ企業が自国市場を越えて事業を拡大できるよう後押ししている。
Hashed Open Research(HOR)について
Hashed Open Research(HOR)は、ブロックチェーンと人工知能を通じて、よりオープンで透明性の高いデジタル社会の実現を目指す政策シンクタンクである。
「技術と制度の共進化」という理念のもと、新興技術の規制枠組みへの安定的な統合を支援するとともに、その恩恵が広く共有される持続可能なエコシステムの形成を推進している。
研究領域は、デジタル資産の政策・規制、マクロ経済とデジタル経済の相互作用、AI時代におけるデジタル主権、次世代コンテンツ・消費者市場の発展など多岐にわたる。
HORは、政府機関、産業界、学術界と連携し、公開セミナーやカンファレンスを通じて研究成果を発信している。



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