イーサリアム大型アップグレード「イスタンブール」のテストネット、10月始め頃に延期
- イーサリアムのアップグレードが延期
- イーサリアムの大型アップグレード「イスタンブール」について、9月4日に予定されていたテストネットの起動が10月2日頃へと延期されることが分かった。これに伴い、10月4日に予定されていたメインネット立ち上げも後ろ倒しされる可能性がある。
イスタンブールのテストネット延期
当初9月4日に予定されていた、イーサリアムの大型アップグレード「イスタンブール」のテストネット立ち上げは、10月2日頃に延期されることが分かった。 これに伴い、10月4日に予定されていたテスト後のメインネット立ち上げも後ろ倒しになりそうだ。
仮想通貨メディアCoinDeskの報道によると、イーサリアム財団のコミュニティ・マネージャーであるHudson Jameson氏は、コア開発者ミーティングで次のように述べた。
テストネット立ち上げに際しては、10月2日頃に現れると推測されるブロック番号を選ぶ。
その日付は現時点からその時まで、どれくらいの速さでブロックが生成されていくかによるので、10月2日より何日か遅れるかもしれないし、早くなるかもしれない。
延期の背景には、イーサリアム改善案(EIPs)が大量に提出されたため、それらの精査に時間がかかったことが挙げられる。開発者は約30のEIPsについて審議したが、次回アップグレードの「イスタンブール」において承認されたのは以下の6項目だ。
- EIP-152: Blake2 コンプレッションの追加と F プリコンパイルの起動
- EIP-1108: alt_bn128 プリコンパイルのガス代を削減
- EIP-1344: ChainID オペコードの追加
- EIP-1884:トライ構造のサイズに基づいた命令コードの価格調整
- EIP-2028: Calldata のガス代を削減
- EIP-2200:SLOADのガス代変更に伴うSSTOREのガス代再調整
「イスタンブール」テストネットの立ち上げが1カ月延期されることに伴って、メインネットの起動も11月以降になる見込みである。2019年10月8日(火)から11日(金)の日程で、大阪でDevCon5が開催されるが、その時点ではまだメインネットは立ち上がっていないことになる。メインネットの具体的な起動日やブロックの高さはまだ発表されていない。
ProgPoWのセキュリティ監査
開発者ミーティングでは、「イスタンブール」アップグレードに関する項目以外にも、Least Authority社によるProgPoWの監査結果についても議論された。 ProgPoW(Programmatic Proof of Works)はASICという特別なマイニングソフトウェアをブロックするように設計されたEIPである。
ASICは高額なため、それを使える一部のマイナーがマイニングを独占してしまうことが、様々な仮想通貨のネットワーク上で、従来から問題視されてきた。重大な問題がなければ、ProgPoWは「イスタンブール」に続くアップデートでの実装に向けて作業が進められる予定である。
この他、イーサリアムでは、スケーラビリティの問題もこれからの改善事項として挙げられている。
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