仮想通貨(暗号資産)の取引所選び、様々な選択肢の中でどこを選ぶべきか迷っていませんか?
国内で暗号資産の取扱いを開始している1種会員(日本暗号資産取引業協会:JVCEA)には、2024年8月時点で32会員が登録されています。各取引所は厳格な規制を遵守しつつ、独自の特色を活かしたサービスを展開しているため、自分に合った取引所を見つけることが重要です。
2017年から7年間、日本最大の暗号資産メディアを運営してきたCoinPostが、取引所選びの重要な5つの基準と、各社の特徴を徹底解説します。
目次
各取引所の特徴の比較・早見表
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取引所 |
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ポイント | 板取引の流動性が高い、出金対応に定評 | 初心者に優しいUI/UX、BTC取引所の手数料無料 | 1円から取引可 入出金・出庫手数料無料 |
トレーディング・チャート機能に定評 | ビットコイン取引量 8年連続国内No.1 ※1 | 国内レバレッジ取扱い銘柄数No.1。BitMatch注文で仲値で約定も | 楽天ポイントと連携。取引所形式の証拠金取引で屈指の品揃え | – | SOL取扱い&ステーキング開始。年率国内最高水準 | 取引所:BTC/JPYなど全ペア取引手数料無料。 | – | 販売所のスプレッドが比較的狭い、出金対応に定評 | – | ステーキング銘柄が豊富、年率報酬が比較的高め | 株式会社メルカリの100%子会社、200万口座突破 |
取引方法 | 販売所 取引所 |
販売所 取引所 |
販売所(現物・レバレッジ) 取引所 |
取引所(現物・レバレッジ) 販売所 暗号資産FX |
販売所 取引所 bitFlyerLightning(現物・レバレッジ) |
販売所(現物・レバレッジ) | 販売所(現物) 証拠金取引(取引所) |
現物取引サービス 取引所 |
販売所 取引所 |
販売所(現物・レバレッジ) 取引所 |
販売所 取引所 |
販売所 取引所 |
取引所 | 販売所 | 販売所 |
取扱い 通貨数 |
38 種類 |
32 種類 |
24 種類 |
26 種類 |
36 種類 |
38 種類 |
9 種類 |
7 種類 |
26 種類 |
42 種類 |
22 種類 |
43
種類 |
2 種類 | 19 種類 | 2 種類 |
投資・運用機能 | レンディング | 積立・レンディング IEO・NFT等 |
積立・レンディング ステーキング |
積立・レンディング ステーキング・IEO |
積立・IEO ふるさと納税 |
– | 楽天ポイントで投資 楽天キャッシュへチャージ |
レンディング PayPayマネーで購入 |
レンディング ステーキング |
積立・レンディング・IEO | 積立 | 積立・レンディング ステーキング |
IEO・ステーキング | ステーキング | 積立、ポイント投資 |
口座開設 | 準備中 | 準備中 | 準備中 | 準備中 |
※1 Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における2016年~2023年の年間出来高(差金決済/先物取引を含む)
※2 暗号資産交換業者の公表値、2024年5月8日時点
※取引機能やレンディング等のサービス名称は、企業により異なる場合があること
目的別の取引所比較
仮想通貨取引所は、それぞれが得意領域を持ち、独自の特徴を活かしたサービスを展開しています。取引所選びで重要なのは、自分の投資目的や取引スタイルに合った取引所を見つけることです。特定の機能やサービスに注目して比較したい方は、以下の目的別の詳細記事もご参照ください。
暗号資産(仮想通貨)取引所の詳細
本項では、資本金、使いやすさ、通貨の扱いを基に作成した国内暗号資産(仮想通貨)取引所のレーダーチャートを紹介します。評価基準は、「取り扱い通貨数」、「使いやすさ」、「信頼性」、「手数料」、「流動性」の計5つでそれぞれ5点満点です。
詳細を表示する取引所を選択する
取引所の使いやすさ、アルトコインの取り揃えが豊富な国内取引所
bitbank(ビットバンク)は、2014年から暗号資産事業を運営している比較的古参の取引所です。現在はアルトコインを豊富に扱っており、各種手数料やスプレッドなど必要コストが低いため、初心者でも参画しやすいでしょう。また、板取引の取り扱い銘柄数が充実しているため、お得に取引したい中・上級者にとっても重宝する取引所であると言えます。
- bitbankで取り扱われているすべての銘柄が取引所と販売所の両方にあるので良心的。
- UIも良くて使いやすいです。
- 手数料も全取引所の中でも、圧倒的に安い。
- 全てにおいて1番理想に近い取引所。ただ、貸コインサービスは1年間ロックされるのがネック。
- 出金先アドレスの新規登録申請から登録完了までが早いです。即座反映だと思います。
始めやすい老舗という安心感
コインチェックは、2012年に設立されてから仮想通貨業界をけん引してきた金融庁認可の仮想通貨交換業者。東証プライム上場のマネックスグループの傘下であり、そのノウハウを生かした安定した経営基盤とセキュリティなどに定評があります。操作性の高いアプリは累計DL数650万件突破(2024年7月時)。仮想通貨取引を始めるのに相応しい取引所として高い人気を誇っています。
- 他社が取り入れられていないサービスが多いと思います(IEO・NFTイベント等)。マネックス傘下に入り、よりコンプライアンスが強化されている印象を受けます。
- スマホアプリの使い勝手は唯一無二。国内では珍しくIEOやINOといった試みにも積極的。
- 積立が銀行自動振り込みなので楽。
- 初心者向けの印象がありメインで利用してはいないが、iOSアプリの価格一覧画面とウィジェットはUIが優れているのかつい見てしまう。
- 情報自体はアプリケーションとして定評のあるコインチェックの方を利用している。
- 手数料が高い。販売所と取引所がわかりにくい。
SBIグループの信頼と実績で個人投資家から高い人気
SBIグループの「SBI証券」といえば、国内No.1のネット証券として知られる。 SBIVCトレードは、これまで築き上げてきた金融ノウハウを活かした安心感に定評のある取引所。手数料の安さなど、北尾社長の理念である”カスタマーファースト”が踏襲されており、個人投資家からの支持率が高い。
- 最初から長期投資を目的としているので安定性・安全性のみで取引所(SBIVCトレード)を選定しました。
- SBI VCが提供する預けているだけのステーキングは非常に優れております。手数料がその分取られますが、個別でステーキングをする必要がないという点は初心者には大変わかりやすく、自身でステーキングができる方でも1億円以上の資産を運用していなければ年率1%を惜しむより、手間がかからない方を選びます。ほとんどの資産をSBIに移しました。
- レポート系などがガチ目なのでもう少しユーザー獲得の為に努力した方が良い。
金融ノウハウに裏打ちされた信頼
GMOグループは暗号資産事業以外にも、オンライン証券やネット銀行、FX事業と幅広い金融サービスを提供しているため、金融やITに関するノウハウはいたるところに感じられるでしょう。1つのアプリに機能が統合されており、現物取引(販売所・板取引)、暗号資産FXをひとつのアプリから操作可能です。
- スマホアプリのチャート機能の良さと国内で数少ないソラナの取り扱いがあるのは優れた点で、国内ではGMOコインとbitbankを併用している。投資初心者の友だちも使っているし、IEOも実施しており、真っ先に口座開設しておくのにオススメしやすい取引所。
- 板取引も出来てすごく嬉しいが、購入方法がかなり使いづらい。
- セキュリティ重視なのは良いが入出金スピードがbitbankと比較して遅い。
- 出庫手数料が無料なのはありがたい。トラベルルールが他社に比べて厳しい。積立を検討したが、販売所の手数料が高いと感じる
- 住信SBIネット銀行から入金ができるが、少額の出金やトレードができない。
高い水準の流動性による約定しやすい安定した取引環境
bitFlyerは国内市場で最多のユーザー数を誇り、2021年3月には総預かり資産5,732億円を超え過去最大記録を樹立。非常に高い水準の流動性による約定しやすい安定した取引環境を強みとしています。また、強固なセキュリティにも定評があり、過去に一度もハッキング被害にあっておらず、安心して利用できる取引所であると言えます。※Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2016年~2023年の年間出来高(差金決済/先物取引を含む)
楽天のエコシステムとのシナジー
楽天ポイントと暗号資産(仮想通貨)を交換できる「ポイント交換」が最大の魅力であり、楽天市場でのお買い物や楽天の他事業サービスで貯めた楽天ポイントを利用すれば、日本円を使わずに仮想通貨取引が可能。業界最狭水準のスプレッドもトレーダーから人気です。
取引所全通貨ペアで手数料0
BitTradeは、豊富な銘柄を取り揃えており、BTC/JPY、ETH/JPY、XRP/JPYを含む全通貨ペアが手数料0で取引可能。サービス開始以来ハッキング0件、利用者の暗号資産は100%コールドウォレットで管理しているので、手数料面/セキュリティ面と安心できる取引所と言えるでしょう。
- 銘柄種類が豊富。アプリで取引所取引ができるのが素晴らしい、また手数料無料になっているところも良い。
- SXPなど日本で初の銘柄を取り扱っているほか、ルーレットキャンペーンといった独自のキャンペーンを実施している点も評価。
- SHIBの貸暗号資産で不定期だが特別募集があるみたい。おこずかいになった。
11銘柄のステーキング対応
プライム市場上場のセレスグループ、株式会社マーキュリーにより運営される暗号資産販売所。「CoinTradeStake」では、テゾス(XTZ)、アイオーエスティー(IOST)、パレットトークン(PLT)、ポルカドット(DOT)に対して、比較的高い利率でのステーキングサービスを提供している(2024年8月現在の当社調べ)。
暗号資産(仮想通貨)取引所を選ぶ際の5つの基準
暗号資産(仮想通貨)取引所を選択する際に検討すべき点について、5つの観点で解説します。
基準1:取り扱い通貨数
各取引所では、扱っている暗号資産(仮想通貨)の種類や銘柄が異なります。
投資したい特定の仮想通貨が取引所にあるか、またはその通貨でより有利な取引方法が提供されているかを確認することが重要です。
また、単なる取引にとどまらず、ステーキングやレンディングといった他の運用方法が提供されているか、また外部ウォレットへの送金が便利かどうかも考慮すべき点です。
各取引所の銘柄取扱い状況
基準2:使いやすさ
取引所の利用目的に応じて、必要な機能とその利便性を評価することが大切です。
例えば、手軽にビットコインを購入したい場合や、スマートフォンアプリを通じていつでも迅速にトレーディングを行いたい場合、またはステーキングやレンディングなどの運用を管理したい場合など、利用シナリオに応じた機能性が求められます。
UI/UXのシンプルさや、レバレッジ取引に適したチャートツールの有無など、各取引所のユーザーインターフェースも選択の重要な要素です。
基準3:信頼性
暗号資産(仮想通貨)取引に関しては、金融庁によって認可された取引所の利用が重要です。
無許可の取引所を利用した場合、国内規制による資産保護が受けられない可能性があるためです。金融庁に認可された取引所では、厳格なセキュリティ基準と資産管理体制が確立されています。
万が一、運営母体が破綻したり、ハッキングが発生したりした場合でも、顧客の資産は分離して保護される体制が整っています。
関連:Kaikoが仮想通貨取引所の世界ランキング発表 ビットバンクが12位にランクアップ
基準4:手数料
暗号資産(仮想通貨)取引所では、いくつかの手数料が関わってきます。主なものには、取引手数料、スプレッド(売買価格に含まれるカバー手数料)、仮想通貨の出庫手数料、そして日本円の入出金手数料等があります。
取引所によっては、ビットコインの市場形成に寄与する注文方法(メイカー取引)に対して、手数料分を収益として得られる場合もあります。また、取引所の流動性に依存する売買価格差、つまり「ビットアスクスプレッド」も重要なコスト要因となります。
基準5:流動性
流動性は、市場で取引される通貨量の指標です。流動性が高いと、通貨の換金が容易になります。逆に、流動性が低いと価格変動が大きくなり、希望通りの取引が困難になることがあります。
取引所のユーザー数や銘柄の流通規模が流動性に影響します。例えば、ビットコインやイーサリアムのように時価総額が大きい通貨は流動性が高い一方で、新興の「草コイン」は流動性が低く、価格変動リスクが高いです。
IEO投資用の口座開設
暗号資産(仮想通貨)取引所の口座開設を検討するにあたり、もう一つ押さえておきたいポイントが、IEO(Initial Exchange Offering)投資から得られる利益です。
IEO(Initial Exchange Offering)は、企業やプロジェクトがトークン発行により資金を調達する方法で、暗号資産交換業者が審査と販売を担います。こモデルは、有望なプロジェクトへの投資機会を提供し、株式市場におけるIPO(Initial Public Offering)に似た特性を有しています。
国内で初めて登場したNFT(非代替性トークン)特化型ブロックチェーン、「パレットトークン(PLT)」のケースでは、需要が供給を大幅に超える結果となり、上場初日から非常に活発な取引が見られました。上場3日目には、公募価格4.05円から20倍以上、94円台まで価格が急騰しました。
海外では、公募価格を数百倍上回った成功例として、2020年8月のThe Sandbox(SAND)や2022年3月のSTEPN(GMT)が特に著名です。
今後の注目IEO
2024年における国内でのIEOは、優れたトークンエコノミクスの設計や、事業の将来性などに基づき、高い注目を集めています。
暗号資産(仮想通貨)取引所のKYC(Know Your Customer:顧客確認)プロセスには数週間要する場合があるため、IEO抽選への参加申し込み、セカンダリマーケットでの売買に参加したい場合は、早めに口座を開設しておくことをお勧めします。
取引所 | 検討中のIEO概要 | 期間 |
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ファンクラブ運営Fanplus、コインチェックがWeb3展開を支援 |
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不動産と暗号資産(Web3)技術を融合させた新しい取り組み、「NOT A HOTEL COIN(NAC)」IEO販売検討 |
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日本ブロックチェーン基盤『Japan Open Chain』、ビットトレードと契約 |
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Z世代急増中の『Yay!』bitFlyerとナナメウエ、「YAY」IEOに向け販売検討 |
5.まとめ
仮想通貨取引所を選ぶ基準は、通貨銘柄数、手数料、使いやすさ、流動性など人によって様々です。短期トレードをするのか、または長期運用をするのかによっても、おすすめな取引所は変わります。
まずは、自分がどのような取引をする予定なのか、どのような戦略で運用するのか考えるのも良いでしょう。また、本記事を参考に各取引所の特徴を掴み、自分に合った取引所を探してみましょう。
記事の監修
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