
仮想通貨というと、真っ先にビットコイン(BTC)を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし現在は、価格の安定を目指すステーブルコインや、ブロックチェーン上でアプリを動かすプラットフォーム通貨、ゲームやメタバースで使われる報酬型トークンなど、多様な種類が存在します。
以下の表では、国内の主要取引所で売買可能な仮想通貨のうち、グローバル市場の時価総額ランキング上位50銘柄に含まれ、かつ時価総額2,000億円以上の通貨をピックアップしています。初心者が仮想通貨の仕組みや用途の違いを理解するうえで、比較的把握しやすい代表的な銘柄群をまとめています。
用途の分類には、JVCEA(日本暗号資産取引業協会)の定義を参考にしつつ、独自リサーチと市場での実態に基づいた構成としました。
1. 日本で取引可能な主要銘柄(2025年7月1日時点)
以下の表では、国内取引所で取り扱いのある時価総額上位26銘柄を、主要な用途ごとに分類しています。 記号の凡例は以下の通りです。
- A:送金・決済用途(高速・低コストの国際送金や日常支払い向け)
- B:スマートコントラクト・DApps・ステーキング用途(アプリの実行基盤やネットワーク維持への参加)
- C:サービス利用・報酬用途(特定プラットフォーム内での支払いや報酬受け取り)
分類はあくまで便宜的なものであり、複数の用途にまたがる銘柄も存在します。 あわせて一言で特徴を示すコメントも添えているので、各銘柄の概要を掴む際の参考にしてください。
No | 銘柄 | 時価総額 | 主な利用目的 | 一言特色 |
---|---|---|---|---|
1 | ビットコイン(BTC) | 301.4兆円 | A | 初の仮想通貨・価値保存資産 オススメ取引所 |
2 | イーサリアム(ETH) | 44.0兆円 | B | スマートコントラクトの代表格 オススメ取引所 |
3 | エックスアールピー(XRP) | 18.4兆円 | AB | 銀行送金ネットワーク用 オススメ取引所 |
4 | BNBチェーン(BNB) | 13.4兆円 | BC | Binance発の多用途トークン オススメ取引所 |
5 | ソラナ(SOL) | 11.8兆円 | B | 高速・低手数料のL1 オススメ取引所 |
6 | ドージコイン(DOGE) | 4.2兆円 | A | ミーム発の決済コイン オススメ取引所 |
7 | トロン(TRX) | 3.7兆円 | B | 低コストL1、アジア圏普及 オススメ取引所 |
8 | カルダノ(ADA) | 3.5兆円 | B | 研究主導のPoSチェーン オススメ取引所 |
9 | スイ(SUI) | 1.6兆円 | B | 旧Meta開発・高速処理型 オススメ取引所 |
10 | チェーンリンク(LINK) | 1.3兆円 | C | DeFi用価格オラクル オススメ取引所 |
11 | アバランチ(AVAX) | 1.3兆円 | B | 企業向けカスタムチェーン導入多数オススメ取引所 |
12 | ビットコインキャッシュ(BCH) | 1.2兆円 | A | 少額決済向けBTC分岐系 オススメ取引所 |
13 | ステラ(XLM) | 1.2兆円 | AB | 個人送金特化型チェーン オススメ取引所 |
14 | トンコイン(TON) | 1.1兆円 | AB | Telegram連携のL1チェーン オススメ取引所 |
15 | シバイヌ(SHIB) | 1.1兆円 | C | ミーム+DeFi展開 オススメ取引所 |
16 | ヘデラ(HBAR) | 1.0兆円 | B | Hashgraph採用の高速設計 オススメ取引所 |
17 | ライトコイン(LTC) | 9,545億円 | A | 日常支払い志向 オススメ取引所 |
18 | ポルカドット(DOT) | 9,083億円 | B | 他チェーン接続に強み |
19 | ペペ(PEPE) | 7,048億円 | C | カエルミーム由来の通貨 オススメ取引所 |
20 | アプトス(APT) | 4,270億円 | B | 旧Meta開発のL1・Move採用 オススメ取引所 |
21 | ニアー(NEAR) | 4,240億円 | B | UX重視・シャーディング搭載 オススメ取引所 |
22 | ポリゴン(POL / MATIC) | 3,199億円 | B | ETH互換のL2・DApps豊富 オススメ取引所 |
23 | レンダー(RENDER) | 2,720億円 | C | 分散GPUレンダリング オススメ取引所 |
24 | アービトラム(ARB) | 2,613億円 | B | ETH拡張L2・DeFi対応 |
25 | コスモス(ATOM) | 2,395億円 | B | チェーン間接続のL0設計 オススメ取引所 |
26 | アルゴランド(ALGO) | 2,250億円 | AB | MIT教授が開発・省エネ設計 |
※ 1 USD = 143.56 円で換算。市場価値は常に変動します。
+比較
2. 仮想通貨の用途で整理する3分類
仮想通貨を理解するうえで、「どこで動き、何に使うか」という分類は非常に有効です。 ここでは代表的な3つのタイプを紹介します。
1. 送金・決済系(A)
仮想通貨の原点ともいえる用途です。第三者を介さずに個人間や国際間でスピーディに送金できるのが特長です。 手数料が安価、24時間365日使える点も魅力。法定通貨の代替インフラとして期待される分野です。
- 代表例:BTC、XRP、LTC、DOGE、BCH、XLM
2. スマートコントラクト/DApps・ステーキング系(B)
イーサリアムに代表されるこの分野は、金融(DeFi)やゲーム、NFTなどのアプリをブロックチェーン上で動かすことができます。 ユーザーが参加する仕組み(ガバナンス)や、保有して報酬を得るステーキングもこのカテゴリに含まれます。
- 代表例:ETH、SOL、ADA、SUI、APT、AVAX、DOT、NEAR、POL、ARB、ATOM、ALGO、HBAR、TRX、TON
3. サービス利用・報酬(C)
特定サービスやネットワーク内で使われるユーティリティトークンがこのカテゴリです。 たとえばLINKは価格データの提供料、RENDERはGPU処理の対価、SHIBやSANDは独自経済圏内の決済に使われます。 投資だけではなく「利用」を前提とした通貨です。
- 代表例:LINK、RENDER、SHIB、THETA、SAND、GRT、BAT、CHZ、AXS、ENJ、MASK、IOTX、FNCT、SXP、ROND、OSHI
取引所9社の仮想通貨取扱い状況
以下の一覧表では、ビットコインやソラナなど、時価総額TOPにランクインしている仮想通貨について、各取引所での取扱い状況です。販売所と取引所での取扱い、さらにレバレッジ取引が可能かどうかについて記載しています。
仮想通貨の多様性を象徴する“新しい3カテゴリ”
仮想通貨には、「送金」や「スマートコントラクト」といった用途をさらに特化・最適化したタイプもあれば、一切ユーティリティを持たないにもかかわらず注目を集める通貨も存在します。複雑化・高度化する仮想通貨市場の中で、近年存在感を増している3つのカテゴリを紹介します。
1. 価格が安定する「ステーブルコイン」
米ドルや金などの現実資産に価値を連動させ、価格がほぼ一定になるよう設計された通貨です。取引所間の送金や、DeFiでの担保、報酬の受け取りなどに活用され、“デジタル現金”としての役割を担っています。
- 代表例:USDC、DAI、WBTC、ZPG、ZPGAG、ZPGPT
2. 特定分野に最適化された「用途特化型チェーン」
ゲームや分散ストレージ、貿易金融など、ある目的に特化した設計を持つチェーンです。たとえばOASはゲーム処理に最適化されており、大手ゲーム企業がネットワークを支えています。
- 代表例:OAS、XDC、FIL、KLAY、ASTR、IMX、GALA、LSK、SEI、JMY、JOC、UPC
3. ユースケースが曖昧でも人気を集める「ミームコイン」
ドージコインやシバイヌに代表される「ミームコイン」は、ジョークやインターネットカルチャーを由来に生まれた通貨です。必ずしも明確な実用性があるわけではありませんが、SNSでの話題性やコミュニティの盛り上がりによって、価格が大きく変動することもあります。
- 代表例:DOGE、SHIB、PEPE
4. 仮想通貨を理解するための「整理のフレーム」を
このように、仮想通貨は「どこで動き」「何に使うか」という視点で分類することで、全体像を把握しやすくなります。 送金やアプリ実行といった王道の用途に加え、価格を安定させたステーブルコインや、 ゲーム・分散ストレージといった分野に特化したチェーンも登場しています。
仮想通貨は、単なる投資対象ではなく、サービスや仕組みに参加するための“チケット”でもあります。 この視点を持つことで、銘柄の多さや用途の違いも、より興味深く理解できるでしょう。
さらに近年では、ジョークやインターネット文化を起点に生まれたミームコインのように、 明確なユーティリティを持たずとも市場で注目を集める“規格外”の存在も登場し、多様性が一層広がっています。
仮想通貨の世界は日々進化を続けており、今後も新たな技術や目的をもったトークンが次々と登場してくるはずです。 だからこそ、あらかじめ基本となる「種類」と「用途」のフレームを整理しておくことが、情報を見極めるうえで役立ちます。
+比較
本記事は企業の出資による記事広告やアフィリエイト広告を含みます。CoinPostは掲載内容や製品の品質や性能を保証するものではありません。サービス利用やお問い合わせは、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは、本記事の内容やそれを参考にした行動による損害や損失について、直接的・間接的な責任を負いません。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、ご自身で調査し、自己責任で行ってください。