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レンディングとは?仮想通貨(ビットコイン)取引所別の金利・実績比較

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仮想通貨レンディング(貸暗号資産/貸コイン)とは、仮想通貨交換業者に自分が保有する暗号資産を貸し出すことで、貸し出した通貨による賃借料(利息)を受け取る仕組みです。
たとえば1BTCを年率3%で貸し出した場合、満期時には1BTCと0.03BTC(賃借料)が戻ってくる形となります。

仮想通貨投資と言えば、トレード(売買)で値上がり益を狙う手法が有名ですが、その分リスクが高く、相場チェックなどの知識と時間が必要です。一方、レンディングは短期間で大きな利益こそ期待しづらいものの、比較的低リスクで堅実に暗号資産を増やせる可能性があります。ただし、貸し出し中の中途解約や元本保証がない点などデメリットもあるため、事前の理解は必須です。

本記事ではCoinPost編集部の視点から、国内取引所のレンディングサービス比較やメリット・デメリット、税金などについて詳しく解説します。これから仮想通貨レンディングを始めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. 国内取引所の貸コインを比較表
  2. レンディングとは
  3. 取引所6社のサービス解説
    ・SOL、ZPGなど取扱い:SBI VCトレード
    ・特別募集を不定期開催:ビットトレード
    ・選べる2つの年率コース:GMOコイン
    ・最大年率5%:コインチェック
    ・アルトコインが豊富:ビットバンク
    ・BTCの定期貸コイン:ビットフライヤー
  4. ステーキングとの違い
  5. レンディングのメリット・デメリット
  6. レンディングにかかる税金は?

国内取引所のレンディングサービスを比較

日本国内では、多数の仮想通貨取引所がレンディングサービスを提供しています。取扱銘柄数や金利、貸出期間、途中解約の可否など、各社によって特徴が異なるため、どのレンディングを選ぶかでリターンは変わってきます。代表的な取引所5社の比較表を載せていますので、まずは全体像を確認してみてください。

取引所名 特徴 貸し出し期間
BTC貸借料率
貸出数量 募集時期 自動更新 中途解約 解説
暗号資産(仮想通貨)取引所 SBI VCトレード ZPG・DAIなど37銘柄対応 7日間、28日間など:コース毎に設定 0.01 BTC~ 不定期(毎月目安) なし なし
暗号資産(仮想通貨)取引所 GMOコイン 年率の高い「貸暗号資産プレミアム」あり Basic:1か月、3か月、年率1%、3%
Premium(円転特約、審査条件付き):1週間~2ヶ月、最大年率15%
B:0.1 BTC /回~100 BTC/月
P:0.05 BTC / 回~
適時 あり B:あり(中途解約手数料あり、中途解約時貸借料は支払われない)
P:原則なし
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレード 不定期・特別募集:SHIB年率48%実績 90日:1% 0.001 BTC~5 BTC 定期募集型 なし なし
暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェック 取扱暗号資産の貸付が可能 14日:年利1%、30日:年利2%、90日:年利3%、180日:年利4%、365日:年利5% 最低1万円相当額~ 常時 あり なし
暗号資産(仮想通貨)取引所 bitbank 取り扱い全暗号資産が対象 1年:募集月毎に0.1%~5.0%を同社が決定 0.01 BTC~上限50 BTC 毎月 なし あり(中途解約手数料5%)
暗号資産(仮想通貨)取引所 bitFlyer 第1弾でビットコイン(BTC)に対応 (実績)定期貸しコイン:年利1.15%
定期貸しコインプラス:年利1.55%
0.001 BTC~ 最長182日 確認中 原則なし

レンディングとは

仮想通貨レンディング(貸暗号資産/貸コイン)は、取引所を介して暗号資産を貸し借りするサービスです。取引所は、貸し手(投資家)と借り手(マーケットメイカーなど)の仲介役であり、おおまかな流れは以下のとおりです。

  1. 貸し手が取引所に暗号資産を預ける
  2. 借り手が取引所から暗号資産を借りる
  3. 借り手は借りた暗号資産を流動性供給などのビジネスに活用
  4. 借り手は満期時に元本と賃借料(利息)を取引所に返済
  5. 取引所が貸し手に元本と利息を返却

貸暗号資産の金利は需要と供給のバランスによって決まり、市場が活況になると金利も上昇傾向にあります。銘柄別に見ても、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、シバイヌ(SHIB)など、各取引所の募集や期間によって利率が異なるのが特徴です。
なかには短期で年率20%~48%といった高金利の特別募集が行われることもあり、機動的に活用することで魅力的なリターンが期待できます。

貸し手 取引所 借り手 暗号資産の貸し出し 元本+利息の返済

レンディング利用例:ビットコインを84日間貸し出す場合

たとえば、0.1BTCを84日間貸し出す想定で年利ごとにどのくらい賃借料を得られるかのシミュレーションは下記の通りです。

年利 計算式 利用料(BTC)
1.0% 0.1BTC × 1% × 84日 ÷ 365 0.0003BTC
2.0% 0.1BTC × 2% × 84日 ÷ 365 0.0005BTC
3.0% 0.1BTC × 3% × 84日 ÷ 365 0.0007BTC

※ 小数点以下第5位切り上げ

レンディング(貸暗号資産/貸コイン)の選択肢や利率は、企業や銘柄によって大きく異なります。例えば、イーサリアムを360日間で年率2.3%、ソラナを90日間で年率4.0%、ポリゴンを90日間で年率4.5%といった例があり、銘柄ごとの運用方針を柔軟に選ぶことが可能です。さらに、ソラナ(SOL)の14日間貸出では年率20.00%、シバイヌ(SHIB)の10日間貸出では年率48.00%という高金利のオプションも存在し、戦略的な運用が期待できます。

レンディング(貸暗号資産/貸コイン)を探している方に

引所6社の貸コインサービスの特徴

SOL、ZPGなど取扱い:SBI VCトレード

SBI VCトレード

SBI VCトレードは、東証プライム上場のSBIホールディングス傘下にある安心感が魅力の取引所。SBI証券の豊富な金融ノウハウを活かし、手数料の安さやセキュリティ体制も評価されています。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)のほか、米ドル連動のステーブルコインDAIや金連動を目指すジパングコイン(ZPG)といったユニークな銘柄もラインナップ。

貸出対象の銘柄
全37 銘柄(25年4月時点)
貸出期間 7日間、28日間など:コース毎に設定
主な事例 例:DOT(ポルカドット)14日間、年率20%(募集実績)
運営元 SBI VCトレード株式会社

なかでもジパングコイン(ZPG)はインフレヘッジ資産として需要が高い金との連動が特徴。安全資産に近い性質と貸暗号資産のインカムゲインを掛け合わせることで、長期投資の新たな選択肢として注目を集めています。

特別募集を不定期開催:ビットトレード

ビットトレード(BitTrade)は関東財務局長登録第00007号の暗号資産交換業者。コスプレトークン(COT)やシバイヌ(SHIB)、ソラナ(SOL)など国内他社では取り扱いが少ない通貨も含む43種類を扱っています。貸暗号資産は定期募集型と特別募集型があり、特別募集型では14日間貸出で年率20.00%や年率48.00%(SHIB)など特別案件が登場することも。

貸出対象の銘柄 43種類
貸出期間 90日間、360日間など
主な金利条件(9月8日時点) MATIC:90日(年率4.5%)、DOGE:90日(年率2.0%)
運営元 ビットトレード株式会社

短期高金利の特別募集型は不定期開催となるため、日ごろからこまめにチェックし、早めに口座開設だけは済ませておくと良いでしょう。

選べる2つの年率コース:GMOコイン

GMOコインは東証一部上場GMOインターネットグループの知見を活かし、強固なセキュリティと運営体制を整えています。外国為替(FX)事業なども手がけるGMOグループならではの金融リテラシーの高さや、使いやすい取引インターフェースが魅力です。

貸出対象の銘柄
26種類
貸出期間 貸暗号資産ベーシック:3ヶ月 or 1ヶ月
金利 年率3%もしくは年率1%
運営元 GMOコイン株式会社

自動更新や中途解約(別途手数料)への対応など柔軟な運用ができるのは大きなメリット。貸暗号資産ベーシックは3ヶ月で年率3%など、他社より好条件になる場合もあるので、複数社と比較してみるとよいでしょう。

*中途解約手数料として、償還時に受取予定の貸借料の10%がかかり、さらに中途解約の場合、貸借料は支払われません。

最大年率5%:コインチェック

2012年に設立されたコインチェックは、国内の暗号資産取引所の中で比較的長い歴史を有します。東証プライム上場企業であるマネックスグループの信頼性や国内最多水準、2024年8月末時点での口座数は209万口座以上の顧客基盤と相まって、投資家の間で大きな期待を集めています。

貸出対象の銘柄 32種類
貸出期間 14日間・30日間・90日間・180日間・365日間
想定年率 最大年率5%
運営元 コインチェック株式会社

貸出期間の選択肢が多く、最大年率5%と高利率のため、銘柄を長期保有しつつ資産を増やしたい方に適したサービスといえます。

アルトコインが豊富:ビットバンク

ビットバンクは創業から10年の実績と高い取引量を誇る国内大手。安全性が評判で、「2024年 オリコン顧客満足度®ランキング 暗号資産取引所 現物取引」で総合1位を獲得。取り扱い銘柄数も豊富で、アルトコインでレンディングしたい場合に重宝します。

貸出対象の銘柄
40種類
貸出期間 1年
最大金利 5%
運営元 ビットバンク株式会社

一年単位の長期プランですが、銘柄によっては高い利率が期待できる点が魅力です。アルトコインで“塩漬け”状態の投資家にとって、まとまった期間を活かしてコインを増やす選択肢になるでしょう。

ビットコインの定期貸コイン:ビットフライヤー

bitFlyerは2014年に設立、2021年3月には総預かり資産が5,732億円を突破した国内大手。特許取得など技術力の高さにも定評があり、暗号資産ビギナーからベテランまで幅広い層が利用しています。現在はビットコインがレンディング対象で、今後の拡充にも注目されています。

貸出対象の銘柄 ビットコイン※順次追加予定
貸出期間 最長182日
最大金利 1.55%(定期貸コインプラス)
運営元 株式会社bitFlyer

「定期貸コイン」と「定期貸コインプラス」の2種類があり、プラスの方は早期終了リスクがあるものの、より高い利率が期待できます。

ステーキングとの違い

仮想通貨レンディングと似た投資手法として「ステーキング」があります。ステーキングはProof of Stake(PoS)の仕組みに基づき、保有する対象コインをネットワークにロックすることで報酬を得る方法です。
両者とも“保有する暗号資産でインカムゲインを得る”という点では共通していますが、いくつか異なる特徴があります。

例えば、ビットコイン(BTC)はPoW(プルーフ・オブ・ワーク)採用のためステーキング対象外ですが、レンディングなら貸し出し可能です。貸し手が増えるほど金利が下がりやすいなど、市場動向で利率が変わる点もレンディングならではの特徴と言えます。

ステーキング 貸暗号資産(レンディング)
対象の通貨 PoSの仮想通貨のみ ビットコイン(BTC)など含む全暗号資産が対象
資金のロック 取引所によっては随時売却や出金が可能なケースも 契約満了まで貸出中のコインは動かせない
年率の比較 取引所と銘柄によって異なる。必ずしもステーキング>レンディングとは限らず、状況次第で逆転もある
資産の管理体制 分別管理される(PoS報酬) 貸し出した暗号資産は「分別管理」の対象外になるケースがほとんど

レンディングのメリット・デメリット

メリット

1対象銘柄が幅広い

ステーキングはPoS通貨が前提ですが、レンディングならビットコインやXRPなどPoW・他方式を採用している銘柄も使えます。長期保有中の通貨を手軽に運用できるメリットがあります。

2短期で高金利の募集もあり

レンディングでは、相場状況によっては1~2週間という短期間で高金利案件が出ることがあります。これはステーキングではあまり見られない動きです。上限枠が埋まるのが早いため、事前に口座開設だけ済ませておくのがポイントです。

デメリット

1貸付金の保証はない

レンディングは無担保であることが多く、取引所や借り手が経営破綻・返済不能になった場合、元本を回収できないリスクを伴います。高金利ほどそのリスクも高まる点は理解しておきましょう。

2貸出中は売却できない

貸出期間が定められており、満了まで売却や引き出しができません。貸出中に相場が急騰しても利益確定できない機会損失が発生する可能性があります。逆に下落時にはロックされているため損失拡大につながる点も考慮しましょう。

レンディングにかかる税金は?

仮想通貨取引による利益は、原則「雑所得」に分類されます。日本円と交換したときの売却益だけではなく、仮想通貨同士の交換や貸暗号資産で得た賃借料も課税対象です。雑所得は累進課税のため、所得が増えるほど税率が最大約55%(所得税45%+住民税10%)まで上がる点に注意してください。

貸暗号資産の報酬は、受け取った時点の時価で課税計算されます(国税庁は貸暗号資産をマイニングと同様の扱いと示唆)。必要経費として認められるのは基本的に貸暗号資産の手数料程度で、パソコン購入費や通信費の一部が計上できるかは個別状況次第です。
報酬受け取り後、コインを売却・交換する場合も含め、最終的な課税所得がどのように算定されるか、疑問があれば税理士や税務署に相談しましょう。

まとめ:長期保有×レンディングで仮想通貨を増やす

仮想通貨レンディング(貸暗号資産/貸コイン)は、値上がり益だけではなく“金利収入”も得られる点が大きな魅力です。特にビットコインやアルトコインを長期保有している方にとって、相場を眺めているだけの期間を有効に活用できる選択肢と言えます。

しかし、貸出期間中は売却ができないことや、取引所が破綻した際には資金が戻ってこないリスクもあるなど、デメリットもしっかり理解しておく必要があります。各取引所の特徴を踏まえて、自分の投資方針やリスク許容度に合ったレンディングサービスを選びましょう。

まだ口座開設をされていない方は、まずは国内大手取引所のアカウントを作成し、募集情報をチェックしてみるのがおすすめです。
実績やサポート体制の整った国内取引所なら、初めてでも比較的安心してスタートできるでしょう。

記事の監修者

監修者写真
各務 貴仁 各務 貴仁
株式会社CoinPost 代表取締役CEO、株式会社SUDACHI Tech 代表取締役、一般社団法人WebX実行委員会 理事。
2017年に日本最大(2024年現在)の暗号資産・Web3メディアCoinPost、2023年にはグローバルカンファレンスWebXを立ち上げる。さらに次世代テックを活用した福祉事業Wave3や、Web3に特化した開発支援事業SUDACHI Techも展開中。
2024年、経済産業省「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」にて有識者委員として選任。

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