トン(TON)とは
トンコイン(TON)は、メッセージングアプリ「Telegram」で利用可能な暗号資産(仮想通貨)。Telegram開発者であるニコライ・デュロフ氏によって作成され、2019年11月に発行が開始された。現在は非営利団体であるTON Foundationによって運営されている。
TONコンセンサスアルゴリズムはProof of Stake(PoS)とシャーディング技術(データベースを分割し負荷を軽減する技術)を採用しており、処理速度が非常に高い特徴がある。Telegramと連携しており、送金におけるUXの向上や分散型アプリケーション(dApps)など幅広いユースケースに対応している。
価格
- 現在価格(2024年9月5日時点): 4.632ドル(約665円)
- 年初来高値(2024年6月): 8.235ドル(約1183円)
- 年初来騰落率(YTD): +97.69%
- 過去最高値(2024年6月): 8.235ドル(約1183円)
価格予想
24年6月 : トンコイン(TON)が過去最高値を更新 テレグラム・エコシステムでの成長が後押し
トンコイン(TON)の時価総額は2024年9月時点で約120億ドル、「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」セクターの中では4位に位置する。同セクターで3位のソラナ(SOL)の時価総額は約620億ドル、5位のエイダ(ADA): 約115億ドルが追従する。
- 2019年8月:人気トークアプリ「テレグラム」TONが9月1日より公開テスト | イーサリアムdAppsにも対応
- 2023年9月:テレグラム、TON基盤の仮想通貨ウォレット「TON Space」を正式リリース
- 2024年8月:テレグラム、TON基盤の分散型ウェブサイトをサポート
- 2024年8月:テレグラム創業者逮捕で時価総額10位の暗号資産TON急落 ロシア当局らが抗議
エコシステム支援組織
The Open Network Foundation : 2023年にスイスで設立された非営利団体。TONプロジェクトを支援するTONコミュニティの内の1つであり主に助成金の提供やサポート、プラットフォーム開発を推進している。
[caption id="attachment_557386" align="aligncenter" width="381"] 出典: ICODROPS[/caption]トンコインのICOは2018年に実施し、個人投資家から約17億ドルを調達した。投資資金の内訳はTONブロックチェーンの開発資金とトンコインをTelegramエコシステムへの統合に使用した。
2019年11月にThe Telegram Open Network(TON)のテストネット2がラウンチされ、50億コインがミントされた。そのうちの1.45%が開発者とテスターに割り当てられた。2024年9月現在の総供給量は51億トークンである。
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)はDeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標。2024年9月現在、トンコインのTVLは3億ドル。プロトコル別TVLトップ3は以下の通り。
- Tonstakers(1.9億ドル): リキッドステーキング。TONをステーキングし、tsTONで利回りを得られる。
- STON.fi(1.6億ドル): 分散型取引所(DEX)。分散型自動マーケットメーカー(AMM)で実質的に手数料がなく、スリッページが低い。またTONウォレットと統合されている。
- DeDust(1.2億ドル): 分散型取引所(DEX)。ユーザーエクスペリエンス(UX)、ガス効率、スケーラビリティの向上に重点を置いている。
- 資金調達総額 : 約2400万ドル
- 大規模な投資ラウンド : 2022年11月、1000万ドルの私募トークンセール
- リードインベスター : DWF Labs
ロードマップ
ロードマップはTON財団公式が公開している。
以下がTONブロックチェーンに関連したロードマップの一例である。
- コレーターとバリデータの分離によるネットワーク負荷の管理
- Jettons(TONチェーン上のトークン)とイーサリアムまたはBNBスマートチェーン、ビットコインとのクロスチェーン
- ウォレット5.0の開発
- マルチシグ2.0の導入によりTONが様々なハードウェアウォレットとのやり取りを可能に
- ガスレス取引の実現
- ステーブルコインを発行するツールキットの提供
TONブロックチェーン
TON財団が公開しているロードマップではステーブルコインを発行するツールキットの提供など将来有望な機能が豊富に追加される予定。これら機能が追加されることでトンコインの利便性が向上したり様々なユースケースへの対応がされるため将来的にTON利用者数の増加が予想される。
期待される今後の動向
TONエコシステムに貢献するコミュニティ「TONソサエティ」がAI新興企業のHumanCodeと提携し、手のひらをスキャンして個人認証をするデジタル・アイデンティティのプロジェクトに着手した。ユーザーの手のひらをスキャンし、匿名性を保ちながらブロックチェーン上で認証することが可能になる。5年間で5億人のTelegramユーザーに提供することを目標にしていて、100万TON Coin(2024年9月現在520万ドル)のインセンティブプログラムを開始した。
ワールドコインの新たなライバル、仮想通貨TONが手のひら認証プロジェクトでAI企業と提携投資リスク、懸念材料
2024年8月にテレグラムCEOのパベル・ドゥーロフ氏がフランスの裁判所で起訴された。「児童の性的画像の拡散や、メッセージングアプリ(テレグラム)運営による麻薬密売などの犯罪への共謀」の容疑がかけられ、TON財団は不当逮捕であると非難している。ドゥーロフ氏逮捕によってTONは一時17%ほど下落した。今後もTONの価格への影響が考えられるため動向が注目される。
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