ハイパーリキッド(HYPE)とは
ハイパーリキッド(HYPE)は、分散型取引所(DEX)「Hyperliquid」のネイティブトークン。独自のレイヤー1ブロックチェーンを運営し、外部プロジェクトが構築可能な一大経済圏を形成している。2024年7月1日にメインネットをローンチし、同年11月にはエアドロップを通じて総供給量の31%(約3.1億枚)が配布。第2シーズンが期待されている。
2025年10月時点で、Hyperliquidの取引の中心は「永久先物」であり、24時間出来高は約1.6兆円規模に達している。これは、Binance(約15兆円)やBybit(約6兆円)といった中央集権型取引所(CEX)のトップグループに迫る水準であり、DEXとして異例の成長を示している(出典:CoinGecko)。
価格
- 現在価格(2025年10月16日時点):約37.62ドル(約5,695円)
- 年初来騰落率(YTD):+57.9%
- 過去最高値(2025年9月18日):約59ドル(約8,700円)
価格予測
25年8月:「ハイパーリキッド(HYPE)は2028年までに126倍に」ヘイズ氏が大胆予想
25年6月:上場企業がハイパーリキッドに投資 EyenoviaとHYLQ StrategyがDeFi戦略を展開
時価総額|関連銘柄
HYPEの時価総額は2025年9月時点で約120億ドル、全暗号資産における順位は11位、分散型取引所(DEX)カテゴリにおいては1位に位置する。
同カテゴリでは、2位のユニスワップ(UNI)が約56億ドル、3位のJupiter(JUP)が約15億ドル、4位のPump.fun(PUMP)が約12億ドルと続く。
主な出来事
- 2025年8月30日:21シェアーズ、DEXデリバティブ最大手ハイパーリキッド(HYPE)のETPを世界初上場
- 2025年7月15日:ナスダック上場企業Sonnet、ハイパーリキッド(HYPE)財務戦略で新会社設立へ
- 2025年6月25日:香港拠点のLion Group Holding、870億円資金枠でHYPE・SOL・SUI準備資産戦略開始 BitGoと提携
- 2024年12月14日:新規DeFiハイパーリキッドの仮想通貨「HYPE」が大幅続伸、その背景は?
- ジェネシス配布:31%(3.1億枚)
- 将来の排出・コミュニティ報酬:38.888%(約3.89億枚)
- コア貢献者:23.8%(2.38億枚)
- Hyper Foundation予算:6%(6,000万枚)
- コミュニティ助成:0.3%(300万枚)
- Kinetiq(16.2億ドル):リキッドステーキング。預け入れ資産を担保に、流動性を維持したまま利回りを得られる。
- Pendle(8.2億ドル):利回り取引プロトコル。将来の利回りを分離・売買できる市場を提供。
- Hyperliquid(7.7億ドル):独自のレイヤー1上に構築された分散型デリバティブ取引所。高速処理と低手数料を特徴とする。
- 主なVC: なし。HyperliquidはVCやエンジェル投資家からの資金調達を一切行わず、プロトコル収益(取引手数料など)のみで開発・運営を賄っている。
- 過去の資金調達: なし。ICOやプライベートセールの実施はしていない。
エコシステム支援組織
Hyper Foundation(ハイパー・ファウンデーション):Hyperliquidのエコシステムを支援する中心的な組織。HYPEトークンの配布設計や、コミュニティ向けの資金循環を担う。ジェネシス配布や報酬への重点配分により、ベンチャーキャピタルへの依存を避け、分散型での発展を目指している。
Hyperliquid Labs(ハイパーリキッド・ラボ):2022年に設立された開発組織。ハーバード大学出身のJeff Yan氏らが主導し、独自のレイヤー1チェーンやコンセンサス「HyperBFT」を構築。高速オンチェーン取引を可能にする基盤技術の開発と改良を継続している。
直近の方針転換:2025年2月にHyper EVMの初回メインネットが稼働し、スマートコントラクト対応(HyperEVM)とともに、HYPEをガストークンおよびステーキング用途にも対応させた。バグ報奨金プログラムの開始により、セキュリティ重視の姿勢を明確にしている。
トークンアロケーション


HYPEの総供給量は10億枚に設定されており、その内訳は以下のとおり。
ベンチャーキャピタルへの割り当てはなく、コミュニティ中心の分散型設計が特徴となっている。
コア貢献者向けトークンは2025年11月から段階的にアンロックされ、2027~2028年にかけて大部分が解放される予定。月次アンロック量は未発表だが、市場への売り圧力が発生する可能性がある。Hyperliquidはプロトコル収益の大部分を活用したHYPE買い戻し・バーン制度を導入し、供給増加を抑制している。2025年7月には397万ドル相当の買い戻しを記録した。
2025年9月時点で、HYPEは主にHyperliquid DEXで取引され、計27の取引所で取り扱われている。1日あたり2.23億ドルという高い取引高と、コミュニティ中心のアプローチにより、今後機関投資家からの関心が高まることが予想される。
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの規模を測る主要な指標の一つ。2025年9月時点、Hyper EVMのTVLは約24.4億ドル。過去1か月で+36%と大幅に増加し、DEXやパーペチュアル取引の需要拡大が背景にある。チェーン内のTVL上位プロトコルは以下の通り。