企業がアルトコインを保有する理由
法定通貨の価値下落に備えた分散投資や資本効率向上を目的とする点はビットコイントレジャリーと共通しますが、以下の独自の特徴があります。
- スマートコントラクト市場への期待:ETHやSOLはDeFi(分散型金融)など多様なユースケースに対応し、エコシステム成長とともに価値上昇が期待される。
- ステーキング報酬:保有・運用でネットワーク参加報酬を得られる(ETH 約2.5〜4%、SOL 約6〜7%/2026年6月時点)。企業の継続収益源として有力視。
- 多様性と分散効果:複数銘柄を組み合わせることで単一資産依存のリスクを軽減可能。
- 制度整備の進展:ETH現物ETFの承認や米国Web3政策強化など、制度面の後押しが拡大中。
企業がBTCではなくETH・SOLを選ぶ理由の一つが「投資効率の高さ」です。投資効率を示す指標「シャープレシオ(リターン÷リスク)」において、ステーキング報酬という安定収益が加わることで構造的に向上しやすい特性があります。
- リターン(分子):価格上昇+ステーキングによる安定収益 → 増加
- リスク(分母):価格の標準偏差で決まる → ステーキングしても変化しない
Twinstake社の2024年レポートでは、ETHステーキングによって非ステーキング時と比較してシャープレシオが約24.3%向上したと報告されています。
| 指標 | BTC | ETH(非ステーキング) | ETH(ステーキングあり) |
|---|---|---|---|
| 期待リターン | 高 | 中 | 中+2.5〜4% |
| リスク(価格変動) | 高 | 高 | 高 |
| シャープレシオ | 中 | 中 | 高(+約24%) |
アルトコイン別・企業の保有量一覧
世界の上場企業によるアルトコイン保有動向について、代表的な事例を紹介します。仮想通貨ごとに、枚数や戦略を比較できます。
| 順位 | 国 | 企業名 | 業種 | 保有枚数 | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 🇺🇸 | BitMine Immersion NYSE American: BMNR |
ブロックチェーン技術 | 約5,620,754 ETH 約98〜100億ドル |
大規模ステーキング 事業連携型 ETH供給量の約4.66%保有。5%目標継続中。Tom Lee会長 |
|
| 2 | 🇺🇸 | Sharplink, Inc. NASDAQ: SBET |
スポーツ賭博・マーケティング | 約868,699 ETH 約15億ドル |
高ステーキング比率 Joseph Lubin(ETH共同創設者)会長。DeFi・Web3事業展開 |
|
| 3 | 🇺🇸 | The Ether Machine ETHM.US |
投資・ブロックチェーン | 約496,712 ETH 約8.7億ドル |
ステーキング フルステーク運用でイールド獲得 |
|
| 4 | 🇺🇸 | Bit Digital NASDAQ: BTBT |
マイニング・ステーキング | 約158,461 ETH 約2.8億ドル |
ステーキング 事業連携型 BTCからETH完全転換。ステーキングインフラ運用 |
|
| 5 | 🇺🇸 | FG Nexus NASDAQ: FGNX |
投資・持株会社 | 約40,088 ETH 約1.17億ドル |
ステーキング レバレッジ型 Fundamental GlobalからFGネクサスへ社名変更 |
|
| 6 | 🇺🇸 | BNB Network Company NASDAQ: BNC |
ニコチン製品 | 約515,544 BNB 約4.4億ドル |
ステーキング レバレッジ型 YZiラボ(CZ氏投資会社)が関与 |
|
| 7 | 🇨🇳 | Nano Labs NASDAQ: NA |
半導体メーカー | 約128,000 BNB 約1.09億ドル |
レバレッジ型 「BNBのMSTR」構想。10億ドル/流通量5〜10%保有を目標 |
|
| 8 | 🇺🇸 | Forward Industries NASDAQ: FWDI |
金融サービス | 約7,013,536 SOL 約5億ドル |
レバレッジ型 大規模調達でSOL蓄積。Galaxy Digital、Jump Crypto、Multicoin Capital支援 |
|
| 9 | 🇺🇸 | Solana Company NASDAQ: HSDT |
投資サービス | 約2,300,000 SOL 約1.6億ドル |
ステーキング 資本市場とオンチェーン活動を活用し、1株あたりのSOL最大化を目指す |
|
| 10 | 🇺🇸 | DeFi Development Corp NASDAQ: DFDV |
データ・ソフトウェア | 約2,223,074 SOL 約1.6億ドル |
ステーキング ソラナ版MicroStrategy戦略。エコシステム内での影響力強化 |
|
| 11 | 🇺🇸 | Upexi NASDAQ: UPXI |
通販・製造、投資 | 約2,173,204 SOL 約1.55億ドル |
ステーキング 通販から仮想通貨投資へ事業モデルを転換 |
|
| 12 | 🇨🇦 | Sol Strategies CNSX: HODL |
ステーキング技術 | 約526,637 SOL 約6,500万ドル |
ステーキング ARK Investと提携。私募ファンドのステーキングプロバイダー |
|
| 13 | 🇭🇰 | MemeStrategy HKG: 2440 |
Web3開発 | 約14,730 SOL 約178万ドル |
ステーキング 香港上場企業初のSOL投資 |
|
| 14 | 🇸🇬 | Trident Digital Tech NASDAQ: TDTH |
Web3開発 | 5億ドル(調達予定) |
レバレッジ型 XRPエコシステムへの深い関与を目指す |
|
| 15 | 🇨🇳 | Webus International NASDAQ: WETO |
旅行サービス | 3億ドル(調達予定) |
レバレッジ型 Web3ロイヤルティトークンを含むウォレットインフラ開発 |
|
| 16 | 🇺🇸 | VivoPower NASDAQ: VVPR |
再生可能エネルギー | 1.5億ドル(調達完了) |
レバレッジ型 元SBIリップルアジアCEOがアドバイザリーボード会長 |
|
| 17 | 🇺🇸 | CleanCore Solutions NASDAQ: ZONE |
クリーニング製品 | 約7.1億 DOGE 約9,400万ドル |
レバレッジ型 Pantera・GSR・ファルコンXなどが支援するプライベートプレースメント |
|
| 18 | 🇺🇸 | Hyperion DeFi NASDAQ: HYPD |
バリデータ運営 | 約1,720,000 HYPE 約4,100万ドル |
ステーキング オンチェーンエンゲージメント戦略 |
|
| 19 | 🇨🇦 | HYLQ Strategy Corp. CSE: HYLQ |
投資サービス | 約38,961 HYPE 約93万ドル(800万ドル調達予定) |
ステーキング リキッドステーキングプロトコル「Kinetiq」と戦略的提携 |
|
| 20 | 🇺🇸 | Tron Inc. NASDAQ: TRON |
ブロックチェーン開発 | 約677,000,000 TRX 約1.9億ドル |
レバレッジ型 約1,500億円規模の証券発行申請 |
|
| 21 | 🇨🇳 | Addentax Group NASDAQ: ATXG |
衣料メーカー | 最大8億ドル(検討段階) |
レバレッジ型 株式発行で調達計画。実際の合意は未締結 |
|
| 22 | 🇺🇸 | GD Culture Group NASDAQ: GDC |
ライブストリーミングEC | 最大3億ドル(調達予定) |
ステーキング レバレッジ型 DeFiエコシステムへの参画予定 |
|
| 23 | 🇺🇸 | Siebert Financial NASDAQ: SIEB |
金融サービス | 最大1億ドル(AI含む) |
レバレッジ型 55年の実績を持つ老舗証券会社。デジタル資産・AI技術に投資方針を転換 |
|
| ※データ出典:CoinGecko Treasuries、企業IR、SEC開示など。更新日:2026年6月時点。価格・保有量は市場変動により変動します。最新IRをご確認ください。 | ||||||
■ 企業別ランキング表
上場企業のIR・SEC書類、公式プレスリリースをもとに、主要アルトコインおよび保有(調達)額が大きい企業を優先的に掲載した実績ベースの一覧です。小規模案件・非上場企業は掲載していません。
■ 保有枚数の見方
- ETH:CoinGecko Treasuries(2026年6月時点)の実保有枚数を採用
- その他通貨(BNB・SOL・XRP・HYPE・TRX等):各社プレスリリース・IRに記載された発表済み・調達予定額を掲載。「調達予定」と記載のある企業は見込み額
※ 価格変動・追加取得・計画変更により数値は変動します。最新の開示情報を随時ご確認ください。
おすすめ国内取引所3選
CM放映中!東証プライム上場
マネックスグループの安心感
入出金・出庫手数料が無料
国内大手SBIグループの総合力
豊富なアルトコインで板取引可
業界最低水準の取引手数料
ポイント
各社に共通するのは「単なる保有」ではなく、ステーキング・バリデータ運用を通じた継続収益や投資効率(シャープレシオ向上)を重視した戦略です。特にステーキングやノード運営による安定収益は、企業がアルトコインを”運用可能な資産”として扱う時代の到来を示しています。
日本企業のアルトコイントレジャリー戦略
2025年以降、日本の上場企業でもETH・SOLを中心としたアルトコイン財務戦略が活発化。ステーキングやSBIグループなど国内金融機関との連携が特徴的で、複数の企業が「国内No.1」を掲げて競争する状況が生まれています。
日本企業のアルトコイン保有状況(2026年6月時点)
| 企業名 | 市場 | 保有量(概算) | 取得総額 | 運用戦略 |
|---|---|---|---|---|
| クオンタムソリューションズ | 東証スタンダード | 約6,669 ETH | 約20億円前後 | 国内最大級のETH保有。一部売却しAIインフラ資金に充当 |
| Def Consulting | 東証グロース | 約4,571 ETH | 約20億円超 | ステーキング+DVT(分散型バリデータ)活用。BITPOINT・P2P.org提携 |
| TORICO | 東証グロース | 数百〜1,200 ETH超(変動) | 数億円規模 | 専門子会社設立。NFT・運用強化 |
| WIZE(旧モブキャストHD) | 東証グロース | 3万SOL超(変動) | 数億〜7億円規模 | 自社バリデータ運営。ソラナ財団採用。追加取得継続 |
※各社公式発表・最新IRレポート時点のデータ。継続取得・売却により変動あり。
関連ガイド
代表的なアルトコイントレジャリー企業:3社
ここでは、ETHを中心にアルトコイントレジャリー戦略を積極展開する代表的な上場企業3社を解説します(2026年6月時点)。
| 保有量 | 約562万 ETH(ETH供給量の約4.66%) |
| 評価額 | 約96〜100億ドル(ETH価格変動による) |
| 会長 | Thomas “Tom” Lee(Fundstrat創設者) |
| 戦略開始 | 2025年 |
| ステーキング | 約471万 ETH をステーキング展開。年間数億ドルの利回り見込み |
世界最大のETHトレジャリー企業。「Alchemy of 5%(5%の錬金術)」と呼ばれる戦略でETH総供給量の5%保有を目標とし、2026年6月時点で目標の約93%を達成。
- 機関投資家の支援:ARK Invest(Cathie Wood)、Founders Fund(Peter Thiel)、Pantera Capital、Galaxy Digitalなど著名投資家が参画
- 高い流動性:1日平均17億ドルの取引量を誇る
- MAVAN構想:「Made in America Validator Network」として大規模なステーキングインフラを展開
| 保有量 | 約86〜87万 ETH |
| 評価額 | 約15億ドル前後 |
| 会長 | Joseph Lubin(Consensys CEO) |
| ステーキング比率 | 保有ETHの95%以上をステーキングに展開 |
元々はスポーツ賭博マーケティング企業でしたが、2025年5月に事業を大転換。ETHを主要な財務準備資産とする戦略を採用し、Russell指数採用など機関投資家からの注目が高まっています。
- 高ステーキング比率:保有ETHの95%以上を展開し、ネットワークセキュリティに貢献しながら利回りを獲得
- 収益成長:2025年Q3で収益1,100%増、純利益1億430万ドルを達成
- DeFi展開:Consensys社のLinea(L2)に2億ドルを投入し、DeFi利回り戦略を推進
| 保有量 | 約15〜16万 ETH |
| 評価額 | 数億ドル規模 |
| ステーキング比率 | 約89% |
| 戦略開始 | 2022年(本格転換:2025年7月) |
2022年からETHの蓄積とステーキングを開始した先駆的な企業。2025年7月に保有BTCを全売却してETH追加購入、完全なETHトレジャリー戦略へ転換を完了しました。
- 高いステーキング運用率:保有ETHの約89%をステーキング展開、年率約3%の利回りを獲得
- 機関向けインフラ:バリデータ運営、カストディ、プロトコルガバナンス参加を実施
- AI事業への展開:WhiteFiber(NASDAQ: WYFI)の株式を約5.8億ドル相当保有し、AIインフラ分野にも進出
アルトコイントレジャリー企業のリスクと注意点
アルトコインを保有する企業の株式は、価格上昇局面において仮想通貨以上のリターンを生む可能性があります。しかし一方で、特有のリスクも存在します。特にETHやSOLはBTCと比べて市場成熟度・流動性が低く、価格変動・制度リスク・バリデータ依存など複合的なリスクを伴います。
- 価格変動性の高さ:ETHやSOLはBTCよりボラティリティが大きく、下落時の影響も深刻になりやすい
- バリデータ依存リスク:ステーキング報酬はバリデータ依存のため、ネットワーク障害やスラッシングのリスクがある
- 規制リスク:ETHの証券性判断やSOLの規制強化など、政策リスクの影響を受けやすい
- ステーキング報酬の変動:ネットワーク状況・手数料構造により収益が想定を下回る可能性
- 評価損益の即時反映:新会計基準(例:ASU 2023-08)により仮想通貨の評価損益が業績に即時反映される企業も
- 希薄化リスク:ATM(At-The-Market)による大規模な株式発行でETHを取得する企業では、既存株主の持分が希薄化するリスクがある
ブテリン氏が指摘する「過度なレバレッジ」の危険性
イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、ETH国庫企業の成長を支持する一方で、「過度にレバレッジされたゲーム」になることへの強い警戒感を示しています。
「3年後に目が覚めて、国庫企業がETHの破綻につながったと言われたら、その理由は間違いなく過度なレバレッジによるものだろう」(ブテリン氏)
ただし同氏は現在の投資家層への信頼も表明しており、「今回のETH国庫企業に関わる投資家は、過去の投機的な失敗(Terraブロックチェーン等)とは異なる、より理性的な判断ができる層」との期待も示しています。
仮想通貨が不安な人へ──まずは”関連株”から始める選択肢
仮想通貨に興味はあるけれど直接投資には抵抗がある、という方には関連企業の株式に投資することが「間接的な仮想通貨エクスポージャー」を得る手段として有効です。
- 基礎段階:日本・米国の時価総額が大きなビットコイントレジャリー企業の銘柄分析から開始
- 発展段階:アルトコインを保有する企業の調査・分析へとステップアップ
①余剰資金での運用に留め、分散投資を心がける
②「損切りライン」などリスク許容度をあらかじめ検討する
③相場の過熱感に注意し、短めの時間軸の売買を意識する
📌 関連株を購入するなら、信頼できる証券口座から
SBI証券は国内外の株式・ETFを幅広く取り扱い、仮想通貨を保有する企業の株式にも投資が可能です。
- ネット証券 総合満足度 第1位(オリコン調査)
- 米国株式の取扱銘柄数:5,400種類以上
- NISA・iDeCoにも対応
- 手数料は業界最安水準
関連ガイド
CoinPostの特集記事
📊 Investment Guide 資産運用の始め方は?【2026年最新】 → 📈 Stock Guide 仮想通貨関連の株式投資ガイド【2026年最新】 → 🔰 Crypto Guide 仮想通貨の始め方|初心者向け完全ガイド【2026年最新】 → ₿ Bitcoin Guide ビットコイン(BTC)とは?完全ガイド【2026年最新】 → 📚 Ethereum Guide イーサリアム(ETH)とは?完全ガイド【2026年最新】 → 📝 XRP Guide リップル開発XRPとは?完全ガイド【2026年最新】 → 💰 Stablecoin Guide ステーブルコインとは?完全ガイド【2026年最新】 → 💊 Health & Performance 投資家注目の健康サプリ3選 疲労ストレス・睡眠不足・血糖値ケア → 💡 求人情報 国内最大手の仮想通貨メディアCoinPost、新たな人材を募集 →本記事は企業の出資による記事広告やアフィリエイト広告を含みます。CoinPostは掲載内容や製品の品質や性能を保証するものではありません。サービス利用やお問い合わせは、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは、本記事の内容やそれを参考にした行動による損害や損失について、直接的・間接的な責任を負いません。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、ご自身で調査し、自己責任で行ってください。



WebX完全ガイド
TOP
新着一覧
チャート
取引所
WebX













