暗号資産(仮想通貨)市場は年を追うごとに大きく成長し、2024年1月にビットコイン現物ETF(上場投資信託)が米SEC(証券取引委員会)の上場承認を得たことで、機関投資家の新しい投資先としても注目されています。
仮想通貨の中でも、ビットコイン(BTC)は2024年7月20日時点で時価総額が約1.4兆ドル(約210兆円)にあり、銀(シルバー)の時価総額1.65兆ドル(約200兆円)に匹敵します。業績や収益性、将来の成長見込みなどに基づいて評価される株式市場と単純比較は出来ないものの、時価総額だけで比較するとAmazonやAlphabet(Google親会社)株の価値に迫ろうとしています。
イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)などのアルトコインも注目を集めていますが、多くの一般投資家、そしてこれから投資を始める方にとって、仮想通貨市場は未知の領域です。
「仮想通貨取引は何歳から始められるのか?」「取引所への登録は安全に行えるのか?」など、始める前に解決すべき疑問や懸念がいくつもあるでしょう。しかし、正しい知識と戦略を身につけ、少しずつ体験していく中で、仮想通貨投資の世界は着実に身近なものになります。
この記事では、仮想通貨投資を始めたい方々を対象に、必要なステップ、基礎知識、そして重要なセキュリティ対策を説明します。投資初心者から経験者まで、安全に仮想通貨投資を始め、続けるのに役立つことを目指しています。
目次
仮想通貨投資の5つの基本戦略
仮想通貨投資を始める方へ向けた、5つの基本ポリシーをご紹介します。
仮想通貨に限らず、投資は慎重かつ長期的な視点が求められ、損をしたとしても基本的には自己責任の世界です。自主的な教育と最新情報のフォローアップが不可欠です。投資の世界に新しく足を踏み入れる初心者の方々が、リスクを理解し慎重に行動するための一助となると幸いです。
1. 現物投資と長期保有
仮想通貨投資の出発点としては、信頼性が高く広く認知されているビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)など、時価総額上位の銘柄への投資が無難です。
市場の価格変動性(ボラティリティ)を鑑み、一気に買うのではなく積み立て型の分散投資(ドルコスト平均法)がおすすめです。
毎月定額で購入するドルコスト平均法は安定感があり、メンタルへの影響も最小限のため、長期の積立投資による資産形成に適した方法です。短期的な利益追求よりも、技術革新や将来的な価値上昇を見据えた長期保有を目指しましょう。
また、投資は原資を失うリスクもあるため、生活費とは別の余剰資金を用いることで、市場の変動に動じない精神的余裕を確保することが推奨されます。
2. 投資の拡げ方
仮想通貨投資に慣れてくると、ビットコインやイーサリアム、ソラナに加え、価格変動の大きなアルトコインなど他の銘柄に関心が移ることもあるでしょう。そのような場合でもリスク管理を徹底し、バランス型のポートフォリオを組むなど、過度のリスクを避ける運用を心がけましょう。
また、長期保有を前提とする場合、暗号資産取引所にそのまま預けておくのではなく、レンディング(貸し出し)やステーキングサービスを利用することで、株の配当のような貸借料収益を得ることも可能です。
取引に慣れたら、新たな投資の機会に挑戦するなど、自身のリスク許容範囲の中でさらなる金融知識、経験の向上を目指してみましょう。
3.海外取引所とDeFiについて
日本国内の取引所では法規制により取り扱い可能な仮想通貨の種類が限られています。このため、より多様な銘柄へのアクセスを求める場合、海外取引所の利用が魅力的に映るかもしれません。
しかし、海外取引所は日本金融庁の管轄外にあるため、投資家保護に関しては自己責任で行動する必要がある環境です。
日本の金融庁の未認可取引所を利用すると、国内規制による資産保護を受けられないリスクがあります。金融庁に認可された取引所では、顧客の資産を守るための厳格なセキュリティ基準と資産管理体制が確立されています。もし運営母体が経営破綻したり、ハッキングの被害に遭ったりしても、顧客の資産は分離して保護されるよう体制が整えられています。
一方で、DeFi(分散型金融)やDEX(分散型取引所)を用いると、個人でも銀行のように自己の資産を貸し出し、利息を得たり、日本では取扱のない暗号資産(仮想通貨)にスワップすることが可能です。
ただし、DeFiを含む暗号資産の運用もまた、金融庁の規制管轄外。GOXリスクと呼ばれるハッキングや詐欺による資産喪失のリスクを常に抱えています。投資先やプロジェクトの選定にあたっては、慎重な判断と事前の徹底した調査が求められます。
4. 保管方法とセキュリティ
仮想通貨資産の保管手段として、取引所のアカウントを利用する代わりに、メタマスク(MetaMask)のような仮想通貨デジタルウォレットや Ledger Nanoのようなコールドウォレットを利用する方法もあります。この方法では、秘密鍵を第三者に知られずに安全に管理することができますが、取引所ほど手軽に送・受金はできず、一定の手間や管理コストがかかります。
さらに、フィッシング詐欺やSNSを利用した詐欺に対しても警戒が必要です。デジタルウォレットをインターネットに接続する際は、必ず公式サイトのURLを確認し、正しいサービスを使用していることを確かめることが重要です。これにより、詐欺サイトに誘導されるリスクを減らし、資産を守ることができます。
5. 税金に関する考え方
日本では暗号資産からの利益に対して厳しい税制が適用されます。暗号資産の利益は雑所得として扱われ、累進課税の対象となります。利益が増えるほど税率も上がり、年収と暗号資産の利益の合計が4000万円を超えると、最大で55%の税率が適用されることもあります。
税金は、暗号資産を売却し日本円など他の通貨に換金した時、またはビットコイン(BTC)を売却してイーサリアム(ETH)を購入するケースなど他の暗号資産と交換した時に発生します。
単に保有しているだけでは税金はかからないので、暗号資産を「長期保有」する投資家も少なくありません。
暗号資産投資を行う際は、日本の税制をしっかり理解し、適切な申告を行うことが重要です。NFT(非代替性トークン)やDeFi(分散型金融)を取引すると税金の計算や申告がより複雑になることがありますので、税理士などの専門家のアドバイスを求めることも一つの手段です。
仮想通貨投資の始め方
暗号資産交換業者と取引可能年齢
仮想通貨を購入する最も一般的な方法は、仮想通貨取引所の利用です。日本では、金融庁から仮想通貨事業者ライセンスを取得した正規の事業者が30社前後存在し、ビットコインをはじめとする仮想通貨取引サービスを提供しています。
国内の多くの仮想通貨取引所では、成年に達している(現在は18歳以上)方であれば、口座開設が可能です。2022年4月の民法改正により、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことで、18歳以上の方が口座開設を行える取引所が増えています。
以下では、18歳から利用できる事業者と20歳からの事業者を分けて、それぞれ一覧にまとめました。
18歳以上対応業者
取引所 | 条件 | 取引方法 | 特徴 | サポート体制 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
SBI VCトレード
|
満18歳以上から申し込み可 75 歳以上はレバレッジ取引不可 |
現物取引(販売所、取引所) レバレッジ取引 |
ビットコイン・イーサリアム・ソラナを全て取扱う | お問合せフォーム、AIチャット 有人チャット(平日10時~17時) |
– |
bitbank
|
満18歳以上、75歳以上も可 |
現物取引(販売所、取引所) | アルトコイン(板取引)の通貨数国内最大級 | お問合せフォーム | – |
BITPOINT
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満18歳以上80歳以下 |
現物取引(販売所、取引所) | ツバサガバナンストークン国内初上場。 | お問合せフォーム | – |
bitFlyer
|
満18歳以上 レバレッジ取引は20歳以上80歳以下 |
現物取引(販売所、取引所) レバレッジ取引 |
ビットコイン取引量国内No.1 *1 | お問合せフォーム、 電話対応*2(平日:9時30分~17時30分) |
*Bitcoin日本語情報サイト。国内暗号資産交換業者 2021年間出来高(差金決済/先物含む) *2不正利用への応対要請などに限る |
BitTrade
|
満18歳~75歳未満 |
現物取引(販売所、取引所) レバレッジ取引 |
コスプレトークン(COT)取扱い | お問合せフォーム | – |
Coincheck
|
満18歳以上74歳以下 | 現物取引(販売所、取引所) | IEOやNFTマーケットプレイス等、注目のサービス多数。マネックスグループ運営 | お問合せフォーム、FAQ 電話対応*(平日:10時~17時) |
*電話対応は口座開設に関する問い合わせのみ |
20歳以上対応業者
取引所 | 条件 | 取引方法 | 特徴 | サポート体制 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
GMOコイン
|
満20歳以上上限はなし | 現物取引(販売所、取引所) レバレッジ取引 |
ビットコイン・イーサリアム・ソラナを全て取り扱う | お問合せフォーム、チャット(受付時間:平日9:00〜18:00) | – |
CoinTrade
|
20歳以上75歳未満 | 現物取引(販売所) | 上場企業グループ運営、全ての操作がスマホで | お問合せフォーム、 | – |
楽天ウォレット
|
満20歳以上満75歳未満 | 現物取引(販売所) レバレッジ取引 |
スマホアプリ特化、楽天ポイントを交換できる | お問合せフォーム、AIチャット | 楽天グループ運営 |
未成年の口座開設条件
一部の仮想通貨取引所では、18歳未満の未成年者でも取引が可能な場合があります。ここでは、OKCoin JapanとBTCboxに焦点を当て、それぞれの利用条件についてご紹介します。
これらの取引所は、未成年者が口座を開設するために必要な情報や手続きが異なります。各取引所の具体的な条件について見ていきましょう。
取引所 | 条件 | 取引方法 | 特徴 | サポート体制 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
OKCoinJapan
|
未成年者(18歳未満)の口座開設には「未成年の口座開設及び取引に係る同意書」の提出が必要 | 現物取引(販売所・取引所) | ビットコイン・イーサリアム・ソラナを全て取扱う | お問合せフォーム | – |
BTCBOX
|
未成年の方も開設が可能ですが、取引を行う主体は親権者 | 現物取引(販売所・取引所) | 2014年設立、暗号資産交換業登録 関東財務局長 第00008号の老舗 | お問合せフォーム | – |
OKCoin Japanにおける未成年の口座開設条件
- 年齢制限: 16歳以上18歳未満の未成年者が対象
- 必要書類: 宣誓事項へのチェックの後、2名の保護者情報を入力。個人番号カード、パスポート、住民票の移し、健康保険証などを使って申請できる。加えて「未成年の口座開設及び取引に係る同意書」のアップロードが必須となる。
- 注意点: 16歳未満の方は口座開設が不可能
OKCoin Japanでは、未成年者の取引に際しては法定代理人の同意が不可欠であり、未成年者自身の自由な取引を制限することで、リスク管理を図っています。
「未成年者の口座開設および取引に関する同意書」では、法定代理人(主に親権者)が、OKCoin Japan株式会社での口座開設および取引を含む一切の行為に同意し、取引によって何らかの問題が生じた場合にはその責任を負うことを確約します。
BTCBOXにおける未成年の口座開設条件
- 取引主体者: 未成年口座の取引主体者(取引等の操作を行う方)は取引責任者の親権者になります。
- 同居要件: 未成年申込者は同意する親権者と同居することが必須
- サービス制限: BTC融資サービスは利用できない
- 必要書類: 氏名・住所・生年月日が確認できる本人確認書類、親権者の同意書、親権者との続柄確認書類
- 追加確認手続き: 親権者の同意の確認のため、BTCBOXから親権者への電話連絡が行われる
BTCBOXでは、未成年者の口座開設にあたって、より詳細な条件が設定されており、未成年者と親権者の関係性、同居状況にまで踏み込んだ確認が行われます。
また、未成年者による自立した取引は想定されておらず、取引に関しては親権者が主体となることが明確にされています。
仮想通貨取引を始めるのにおすすめの取引所
おすすめ取引所の特徴比較・早見表
おすすめ 取引所 |
おすすめポイント | アプリの特徴 | 販売所 銘柄数 | 取引所 銘柄数 | 取引所手数料 | 最低取引単位 | 入金手数料 | 出金手数料 | 出庫手数料 | 詳細 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1
SBI VCトレード
|
販売所のスプレッドが比較的狭い 入出金・出庫手数料無料 |
取引所やレバ 各種サービスを管理 |
24 | 7 | Maker:-0.01% Taker:0.05% |
販売所:0.0001 BTC 取引所:0.000001 BTC |
無料 | 無料 | 無料 | ‐ | |
2
bitbank
|
全暗号資産取引所中 取引量 国内No.1 * |
アプリストア 国内No.1 * | 38 | 38 | Maker:-0.02% Taker:0.12% |
販売所:0.00000001 BTC 取引所:0.0001 BTC |
無料 | 550円(3万円未満)/ 770円(3万円以上) |
0.0006BTC | ※21年2月14日 CoinMarketCap調べ ※18年10月31日 iOS App Store ファイナンスカテゴリ 無料ランキング |
|
3
GMOコイン
|
信頼と実績の GMOインターネット グループ |
ビットコインも 外国為替FXも ひとつのアプリで |
26 | 23 | Maker:-0.01% Taker:0.05% |
販売所:0.00001 BTC 取引所:0.0001 BTC |
無料 | 無料 | 無料 | ‐ |
おすすめ取引所の詳細
口座開設方法
このセクションでは、SBI VCトレード(スマホアプリ版)を例に、取引所の口座開設方法について解説します。成年年齢(18歳以上)であれば、写真付きの身分証明書を提出することで行えます。口座開設は無料です。
SBI VCトレードの口座開設手順
本人確認書類の提出後、最短当日中にメールで連絡があります。ただし、申請状況や書類に不備がある場合は、時間がかかることがあります。
-
対応書類
- 日本国籍の方: 運転免許証、マイナンバーカード
- 外国籍の方: 在留カード、特別永住者証明書
-
口座開設の条件
- 成人であり、日本在住であること
- 外国PEPs(重要な公人)に該当しないこと
- 反社会的勢力との関連がないこと
- 当社からの連絡が可能であること
- 最新の情報が登録されていること
- 当社の基準を満たすこと
STEP 1: メールアドレス登録
- SBI VCトレードのスマホアプリを開き、「新規登録」を選択します。
- メールアドレスを入力し、「登録」ボタンを押します。入力したメールアドレスに確認用のメールが送信されますので、記載されているURLをクリックします。
- 表示された画面で、パスワードを二回入力し、確認事項をチェックした後、「登録」ボタンを押してください。
- 電話番号を登録し、SMSまたは電話で受け取った認証コードを入力して「認証する」を選択します。
- 氏名、生年月日、住所などの基本情報を入力し、「次へ」を選択します。内容を確認し、問題がなければ「登録する」をクリックします。
- 「取引の目的」「職業」「年収」「利用者となった動機」を選択し、電話番号を入力します。「確認ボタン」をクリックして基本情報の登録を完了します。
STEP 2: 基本情報の登録
STEP 3: 本人確認書類の提出
- 基本情報登録後、「スマホでかんたん本人確認」を使用して本人確認書類と顔写真をアップロードします。
- 指示に従って運転免許証の表面と裏面、そして顔写真を撮影し、リアルタイムチェックを行います。
- 撮影した画像を確認し、問題がなければ「送信」ボタンを押して本人確認手続きを完了します。登録したメールアドレスに申込受付メールが送信されます。
口座開設が完了すると、日本円および暗号資産(仮想通貨)の入出金や取引が可能になります。セキュリティ強化のため、二段階認証の設定を推奨します。
このガイドに沿って操作することで、SBI VCトレードにおけるアカウント登録と口座開設がスムーズに行えます。取引を開始する前に、必ず利用規約を読み、理解した上でご利用ください。また、個人情報の入力や本人確認書類の提出には、特に注意を払いましょう。これらの手続きを正確に行うことで、安全に取引所を利用できるでしょう。
入金方法(SBI VC トレードの例)
口座開設と本人確認を完了させることで、日本円の入金が可能になります。SBI VCトレードでは、クイック入金によって入金を行うことができます。
クイック入金は、土日祝日を含む24時間いつでもリアルタイムで即時入金が可能なオンラインサービスです。このサービスは振込手数料無料で利用できます。
クイック入金に対応している金融機関は以下の通りです:
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- りそな銀行
- 埼玉りそな銀行
- ゆうちょ銀行
- PayPay銀行
- 楽天銀行
- 住信SBIネット銀行
- 地方銀行
入金手順は以下の通りです:
- 「総資産・入出金」から「JPY」を選択し、「日本円を入金」をクリックします。
- 「入金額」を入力し、「振込先の銀行を選択」から、一覧に表示される銀行名を選択または検索します。
- 「銀行ページへ」をクリックし、銀行の画面で手続きを進めてください。
仮想通貨の注文方法(SBI VC トレードの例)
SBI VC トレードのアプリで、ログイン後の画面では、購入を希望する通貨を選択すると、その通貨のチャートが表示されます。表示されたチャート画面の右下にある「買う」ボタンをタップすることで、購入画面へ移動できます。購入画面では、「今すぐ注文」および「価格指定注文」という2種類の注文方法から選択可能です。
今すぐ注文
「今すぐ注文」を選ぶと、同社が設定する現在の価格でビットコインを売買することができます。この方法では、購入は提示された買取価格で、売却は売り価格で実施され、直観的な操作性により初心者でも容易に理解し使用できます。
価格指定注文
一方、「価格指定注文」では、ユーザーが希望する価格に到達した際に自動的に売買が実行される予約注文を設定できます。このオプションは、チャート画面の青枠で囲まれたタブをタップすることで選択でき、「このレートになったら」または「数量」の項目をタップして、希望する価格や数量を指定することが可能です。
「取引所」では、自分の望む価格で購入または売却注文を設定し、それに応じた相手がいれば取引が成立します。この方式では、指値注文や成行注文を利用して取引を行うことができます。
販売所の売買手数料は無料(スプレッドがある)。一方、SBI VCトレードの取引所の売買手数料は、メーカー注文の場合は-0.01%、テイカー注文の場合は0.05%で、国内最安水準の手数料設定となっています。指値注文が約定した場合は全てメイカー手数料が適用されます。
セキュリティ対策これだけは
暗号資産の取引とウォレットの利用にあたっては、適切な取引所選び、取引方法の理解、そして最も重要なセキュリティの確保が不可欠です。
国内の暗号資産交換所では、顧客から預かった資金は経営資本とは別に管理されています。これにより、預かり金が運営資金として使用されることはありません。
二段階認証
SBI VCトレードでは、お客様のセキュリティを強化するため、SMSやGoogle Authenticatorを使用した二段階認証を採用しています。これにより、悪意のある第三者による不正アクセスを防ぎます。パスワードの盗難につながる可能性のある行為には以下が含まれます:
- 複数のサイトで同じパスワードを使用すること
- メールの本文にあるリンクをクリックすること
- インターネットからソフトウェアをダウンロードすること
二段階認証を利用することで、パスワードが盗まれた場合でも、不正アクセスを防ぐことが可能です。
SSL暗号化通信
SBI VCトレードのサイトは、世界基準の厳しい審査を経たEV SSL証明によって保護されており、SSLサーバ証明書を不正に取得することは極めて困難です。SSL(Secure Socket Layer)は、データを暗号化してやり取りするプロトコルです。EV SSLサーバ証明書を導入しているサイトでは、組織名が表示され、安全性が高いことをアピールできます。
暗号化通信が行われているかどうかは、以下の方法で確認できます:
- httpsのページを開き、「F12」キーを押してディベロッパーツールを開きます。
- 「Security」タブを選択し、「View certificate」をクリックしてSSLサーバ証明書の詳細を確認します。
スマホの場合は、Chromeブラウザでは、画面右下の「…」をタップして、「サイト情報」を選択すると、セキュリティ状況を確認できます。Safariブラウザでは、URL左の鍵🔓マークが暗号化されたサイトであることを示しています。
通常、ウェブサーバとブラウザ間の通信はHTTPを使用しますが、HTTPではデータの暗号化やサーバの認証を行いません。SSLを利用した暗号化通信によって、これらのセキュリティリスクを軽減します。
販売所・税金など必須知識
取引所で口座を開設し二段階認証を設定したら、いよいよ仮想通貨を取引していくわけですが、ここでは、売買を行う際に初心者が知っておくべきことを解説します。
どれくらいの資金が必要?
冒頭で述べた通り、ビットコインの価格は高騰しており、現在1BTCあたり約1,000万円を推移しています。
これを聞いて、最低でも1,000万円ないと購入できないのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。各取引所で最低売買単位が定められており、SBI VCトレードの取引所は0.000001 BTC(約10.68円)です。コインチェックの販売所に至っては500円となっており、かなり小額から取引が可能です。
これはビットコインに限らずアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)にも同じことが言えます。
取引所と販売所の違い
ビットコインを売買する際には、「取引所」と「販売所」という二つの手段があります。以下では、取引所と販売所の主な違いを探り、どちらがあなたのニーズに最適かを判断するための情報を提供します。
誰と取引するか
販売所: ビットコインの販売所では、交換業者自身が取引の相手方となります。この方式は、一般的な店頭販売に似ており、業者が提供する価格で直接購入する形式です。
取引所: ビットコインの取引所では、他の投資家が取引の相手方となります。これは株式市場に似たシステムで、オーダーブックを介してユーザー同士が市場価格で直接取引を行います。
注文方法
販売所: 販売所での注文は、購入したい仮想通貨の銘柄と数量を指定するだけで完了します。価格を指定することはありません。例えば、「ビットコインを0.01BTC買いたい」といった注文が可能です。
取引所: 取引所では、購入したい仮想通貨の銘柄と数量、加えて希望する価格を指定して注文を出します。価格がマッチした場合にのみ取引が成立します。
スプレッドの影響
取引所と販売所の間で重要な違いの一つが「スプレッド」です。スプレッドとは、買い値と売り値の差額を指し、この差が大きいほど交換業者はより多くの利益を得ます。一般的に、販売所は取引所に比べてスプレッドが広く設定されているため、販売所での取引はコストが高くなりがちです。このため、販売所の利用時はスプレッドに注意して選択することが重要です。
仮想通貨取引には確定申告が必要?
仮想通貨取引による所得には、原則として雑所得に区分され、税金がかかります。給与所得や退職所得以外の所得金額(仮想通貨による所得を含む)の合計額が20万円を超える場合、確定申告が必要があります。どのような税金計算が必要になるのか、最低限抑えておきましょう。
様々な取引の種類がある仮想通貨投資において、タイミングで利益が発生するのかをしっかりと理解している人は少ないかと思います。気づかないうちに多額の利益が出ていて、実は確定申告が必要だったといった事態にならないように、各取引における利益が発生するタイミングも確認しておきましょう。
関連:【確定申告特集1】知っておきたい仮想通貨にかかる税金を税理士が解説|Aerial Partners寄稿
ビットコインの保管方法
本節では、ビットコインを保管・管理する方法を紹介します。
まずは、交換業者にそのまま預けておくという方法があります。その場合は口座に2段階認証を設定することをお勧めします。
また、仮想通貨には交換業者に預けておく以外に、自身で管理する方法もあります。仮想通貨のウォレットサービスを提供している企業があるので、自身でサービスを選び、登録手続きをすることで仮想通貨を自身で保管・管理できます。
ウォレットとは、仮想通貨を保管するための電子上の財布のこと。ビットコインに対応するウォレットを選べば、自身で資産管理を行うことができ、交換業者のハッキングリスクや倒産リスクを回避することができます。
ウォレットにはハードウェアウォレットといってオフラインで仮想通貨を保有できるタイプのものなどがありますが、どのウォレットも自身で保有しておくには「秘密鍵」という長い文字列などを管理する手間がかかります。
秘密鍵などの必要な情報を紛失してしまうと資産を失ってしまうことになりますが、自身で資産を管理できるということも仮想通貨の大きなメリットの1つなので、ウォレットの種類を簡単にご紹介しておきます。
- モバイルウォレット:スマホのアプリで保管
- ウェブウォレット:サービス企業のウェブサイトで保管
- デスクトップウォレット:パソコンで保管
- ハードウェアウォレット:オフラインの専用機器で保管
- ペーパーウォレット:紙で保管
まとめ
本記事では、仮想通貨(ビットコイン)投資を始めるに当たって重要な知識、取引所の年齢制限、セキュリティ対策や保管方法まで、仮想通貨を始めるために知っておくべき情報を解説しました。仮想通貨取引所の口座開設から始めて、投資家として第一歩を踏み出しましょう。
記事の監修
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