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仮想通貨詐欺の手口と見分け方を徹底解説

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今や一般的なものになった暗号資産(仮想通貨)投資では、「必ず儲かる」などの甘い言葉で騙す詐欺事件が多発しています。

仮想通貨投資詐欺の手口は、ある程度パターン化されています。事前に手口や見分け方を知ることで、詐欺被害に遭うリスクを大幅に下げることが可能です。

本記事では、安全に仮想通貨投資を行えるように、仮想通貨投資の手口や見分け方、被害に遭った時の対処法を紹介します。

目次
  1. 仮想通貨における投資詐欺とは
  2. 仮想通貨投資詐欺の手口は大きく3つ
  3. 仮想通貨投資詐欺を見分けるには
  4. 仮想通貨投資詐欺に巻き込まれたときの対策
  5. まとめ:仮想通貨について理解をしてから投資を始めよう

1.仮想通貨における投資詐欺とは

盛り上がりを見せている仮想通貨ですが、その一方で仮想通貨に関するトラブルも発生しています。

国民生活センターによると、仮想通貨トラブルに関する相談数の推移は下記の通りです。

2017年:2,666件
2018年:3,453件
2019年:2,472件
2020年:1,640件

出典:独立行政法人国民生活センター「暗号資産(仮想通貨)

                 「仮想通貨に関する様々なトラブルにご注意

2018年以降は相談件数こそ減少していますが、それでも判明しているだけで、毎年1,500人以上の方がトラブルに巻き込まれています。

数あるトラブルの中でも、多いのが仮想通貨の投資詐欺です。

仮想通貨の投機性に便乗し、巧みな儲け話で送金や投資をさせて騙し取る詐欺が多くあります。

自分は騙されないと思っていても、仮想通貨の投資詐欺は巧妙になっているため、事前に対策を行う必要があります。

2.仮想通貨投資詐欺の手口は大きく3つ

仮想通貨投資詐欺の手口はある程度決まっています。事前に手口を認識しておけば、詐欺に遭うリスクを下げられます。

以下では、仮想通貨投資詐欺の主な3つの手口を紹介します。

2-1 ネットワークビジネスやセミナーの勧誘

最も気をつけたい仮想通貨投資詐欺が、ネットワークビジネスを利用したものです。

ネットワークビジネスとは、口コミによって商品販売を広げるビジネス手法であり、「マルチ商法」とも呼ばれます。

ネットワークビジネスを利用した仮想通貨投資詐欺の場合、親戚や友人などの身近な人から、仮想通貨への投資を勧められることが多いため、断りにくいです。

セミナーでは、仮想通貨で儲ける方法などの教材を買わされる被害が多くあります。

ネットワークビジネスとセミナーの両方に共通している詐欺パターンが、「必ず儲かる」という言葉を用いることです。

変動性が高い仮想通貨投資では、必ず儲かる方法や仕組みはありません。

利益を得られるどころか、支払ったお金が戻ってこなかったり、教材が役に立たなかったりするので、気をつけましょう。

関連記事:国民生活センターが「モノなしマルチ商法」に警告 若者中心に仮想通貨などの投資話で勧誘

2-2 ICOを利用した勧誘

ICOとは、「Initial Coin Offering(新規仮想通貨公開)」の略語であり、スタートアップ企業などが独自仮想通貨の販売と発行をし、資金調達をするプロジェクトのことです。

ICOを利用した勧誘で多い詐欺は、資金調達をした後に、運営と連絡が取れなくなるというものです。

もしくは、ICOを装った詐欺師が送信したURL先で、パスワードを入力したために、ウォレットからコインが盗まれる被害もあります。

ICOを利用した詐欺の厄介な点が、詐欺かどうかの判断が難しいことです。

ICOに関する明確な法律はなく、多くのICOは途中で挫折しています。そのため、仮想通貨の初心者はICOへの投資は避けた方が無難です。

2-3 代理店販売への勧誘

代理店を装い、仮想通貨の投資を持ちかける詐欺被害も多いです。

この詐欺の手法は、「今、この仮想通貨に投資すれば10倍になって戻ってきますよ」などのように投資話を持ちかけ、投資金を持ち逃げするというものです。

そもそも、仮想通貨の投資に代理店を通す必要はありません。代理店販売や代理投資自体が怪しいため、勧誘されても断るようにしましょう。

2-4 その他

その他、多発している仮想通貨関連の詐欺として、DEX(分散型取引所)を含めたDeFi(分散型金融)プロトコルでのトークンセールが挙げられます。

過去には世界最大手の仮想通貨取引所バイナンスが運営するバイナンススマートチェーン(BSC)など様々なブロックチェーン上のDeFiプロジェクトで、運営を継続するつもりがないにもかかわらず高リターンを謳いトークンセールを行い資金を騙し取ったり、運営が資金を持ち逃げするなどの事例が発生しています。

DeFiは特定の企業が運営する取引所を介さず、年齢確認や身分証明も必要とせずにユーザーが自由にトークンを発行することができるため、詐欺が横行しやすいという問題点も抱えています。

ICOと同様、初心者が詐欺でないDeFiプロジェクトやそのトークンセールを判別するのは難しいため、むやみに参加するのは危険です。

3.仮想通貨投資詐欺を見分けるには

仮想通貨の投資詐欺は、知識さえあれば、比較的簡単に見分けられます。以下では、仮想通貨投資詐欺を見分ける3つの方法を紹介します。

3-1 国の許可を得ている取引所を利用

原則として、仮想通貨交換業者には金融庁・財務局への登録が義務付けられています。つまり、未登録の取引所は国の許可を得ていない怪しいサービスということです。

仮想通貨投資をする前には、金融庁・財務局のホームページで事業者が登録されているかどうか必ず確認しましょう。

以下が、執筆時点(2021年10月)で登録済みの主な業者一覧です。

  • 株式会社マネーパートナーズ
  • QUOINE株式会社
  • ビットバンク株式会社
  • SBI VCトレード株式会社
  • GMOコイン株式会社
  • フォビジャパン株式会社
  • BTCボックス株式会社
  • 株式会社ビットポイントジャパン
  • TaoTao株式会社
  • 株式会社DMM Bitcoin
  • コインチェック株式会社
  • 楽天ウォレット株式会社
  • 株式会社ディーカレット
  • オーケーコイン・ジャパン株式会社
  • 株式会社Zaif
  • 株式会社サクラエクスチェンジビットコイン
ビットバンク株式会社
SBI VCトレード株式会社
GMOコイン株式会社
フォビジャパン株式会社
BTCボックス株式会社
株式会社ビットポイントジャパン
TaoTao株式会社
株式会社DMM Bitcoin
コインチェック株式会社
楽天ウォレット株式会社
株式会社ディーカレット
オーケーコイン・ジャパン株式会社
株式会社Zaif
株式会社サクラエクスチェンジビットコイン

登録済み業者一覧は「暗号資産交換業者登録一覧」をご覧ください。

3-2 根拠のない発言を信用しない

仮想通貨投資詐欺で多く見られることが、「必ず儲かる」や「リスクはない」などの根拠のない発言です。

仮想通貨に限らず、投資にリスクはつきものです。

特に仮想通貨は、価格変動が激しい不確実性の高いことが特徴となります。そのため、根拠のない発言を信用してはいけません。

3-3 ニュースやSNSで過去の被害例を確認

仮想通貨投資の詐欺は、ある程度パターン化されています。

怪しいと感じたら、ニュースやSNS、国民生活センターの公式サイトなどで類似被害がないか確認しましょう。

基本的には、少しでも不安に感じたら投資を断るほうが賢明です。

また、仮想通貨投資を実施する前は、必ず仮想通貨の性質や契約内容を確認しましょう。

4.仮想通貨投資詐欺に巻き込まれたときの対策

万が一、仮想通貨投資詐欺に巻き込まれた場合、迅速に対策を講じる必要があります。

仮想通貨投資詐欺に巻き込まれたと思ったら、以下のいずれかに相談してください。

4-1 専門家に相談する

仮想通貨投資詐欺による被害を取り戻したい方は、仮想通貨投資詐欺や消費者被害などに精通した弁護士に相談することがおすすめです。

警察は犯人逮捕こそしてくれますが、返金対応はしてくれません。

相手が音信不通になっている場合でも、弁護士に内容証明を送ってもらうことで、連絡が取れる可能性はあります。

時間が経つほど返金してもらうのは難しくなるため、早めに専門家に相談しましょう。

4-2 国民生活センターや警察に相談する

仮想通貨投資詐欺と確信を持てない場合、まずは国民生活センターに相談することがおすすめです。

詐欺かどうかの判断をしてくれるほか、その後の対処法まで教えてくれます。

仮想通貨投資詐欺と確定したり、数十万円以上を投資していたりする場合は、警察が有効な相談先です。

警察に相談することで、犯人の逮捕および返金につながる可能性があります。

5.まとめ:仮想通貨について理解をしてから投資を始めよう

仮想通貨は気軽に行える人気の投資法となっています。

一方で、仮想通貨投資に興味があるものの、仮想通貨についての理解が浅い方を狙った詐欺も多く発生しています。

仮想通貨投資詐欺を防ぐためには、以下のポイントを押さえてください。

仮想通貨に関する知識を深める
信頼できる取引所を使う
根拠のない発言を信用しない

万が一、仮想通貨投資詐欺に遭ったと思ったら、迅速に弁護士や国民生活センターなどに相談しましょう。

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