今や一般的なものになった暗号資産(仮想通貨)投資では、「必ず儲かる」などの甘い言葉で騙す詐欺事件が多発しています。
仮想通貨投資詐欺の手口は、ある程度パターン化されています。事前に手口や見分け方を知ることで、詐欺被害に遭うリスクを大幅に下げることが可能です。
本記事では、安全に仮想通貨を始められるように、仮想通貨投資の手口や見分け方、被害に遭った時の対処法を紹介します。
1.仮想通貨における投資詐欺とは
盛り上がりを見せている仮想通貨ですが、その一方で仮想通貨に関するトラブルも発生しています。
国民生活センターによると、仮想通貨トラブルに関する相談数の推移は下記の通りです。
出典:独立行政法人国民生活センター「暗号資産(仮想通貨)」
2018年以降は相談件数こそ減少していますが、それでも判明しているだけで、毎年1,500人以上の方がトラブルに巻き込まれています。
数あるトラブルの中でも、多いのが仮想通貨の投資詐欺です。
仮想通貨の投機性に便乗し、巧みな儲け話で送金や投資をさせて騙し取る詐欺が多くあります。
自分は騙されないと思っていても、仮想通貨の投資詐欺は巧妙になっているため、事前に対策を行う必要があります。
2.仮想通貨投資詐欺の手口は大きく3つ
仮想通貨投資詐欺の手口はある程度決まっています。事前に手口を認識しておけば、詐欺に遭うリスクを下げられます。
以下では、仮想通貨投資詐欺の主な3つの手口を紹介します。
2-1 ネットワークビジネスやセミナーの勧誘
最も気をつけたい仮想通貨投資詐欺が、ネットワークビジネスを利用したものです。
ネットワークビジネスとは、口コミによって商品販売を広げるビジネス手法であり、「マルチ商法」とも呼ばれます。
ネットワークビジネスを利用した仮想通貨投資詐欺の場合、親戚や友人などの身近な人から、仮想通貨への投資を勧められることが多いため、断りにくいです。
セミナーでは、仮想通貨で儲ける方法などの教材を買わされる被害が多くあります。
ネットワークビジネスとセミナーの両方に共通している詐欺パターンが、「必ず儲かる」という言葉を用いることです。
変動性が高い仮想通貨投資では、必ず儲かる方法や仕組みはありません。
利益を得られるどころか、支払ったお金が戻ってこなかったり、教材が役に立たなかったりするので、気をつけましょう。
関連記事:国民生活センターが「モノなしマルチ商法」に警告 若者中心に仮想通貨などの投資話で勧誘
2-2 ICOを利用した勧誘
ICOとは、「Initial Coin Offering(新規仮想通貨公開)」の略語であり、スタートアップ企業などが独自仮想通貨の販売と発行をし、資金調達をするプロジェクトのことです。
ICOを利用した勧誘で多い詐欺は、資金調達をした後に、運営と連絡が取れなくなるというものです。
もしくは、ICOを装った詐欺師が送信したURL先で、パスワードを入力したために、ウォレットからコインが盗まれる被害もあります。
ICOを利用した詐欺の厄介な点が、詐欺かどうかの判断が難しいことです。
ICOに関する明確な法律はなく、多くのICOは途中で挫折しています。そのため、仮想通貨の初心者はICOへの投資は避けた方が無難です。
2-3 代理店販売への勧誘
代理店を装い、仮想通貨の投資を持ちかける詐欺被害も多いです。
この詐欺の手法は、「今、この仮想通貨に投資すれば10倍になって戻ってきますよ」などのように投資話を持ちかけ、投資金を持ち逃げするというものです。
そもそも、仮想通貨の投資に代理店を通す必要はありません。代理店販売や代理投資自体が怪しいため、勧誘されても断るようにしましょう。
2-4 その他
その他、多発している仮想通貨関連の詐欺として、DEX(分散型取引所)を含めたDeFi(分散型金融)プロトコルでのトークンセールが挙げられます。
過去には世界最大手の仮想通貨取引所バイナンスが運営するバイナンススマートチェーン(BSC)など様々なブロックチェーン上のDeFiプロジェクトで、運営を継続するつもりがないにもかかわらず高リターンを謳いトークンセールを行い資金を騙し取ったり、運営が資金を持ち逃げするなどの事例が発生しています。
DeFiは特定の企業が運営する取引所を介さず、年齢確認や身分証明も必要とせずにユーザーが自由にトークンを発行することができるため、詐欺が横行しやすいという問題点も抱えています。
ICOと同様、初心者が詐欺でないDeFiプロジェクトやそのトークンセールを判別するのは難しいため、むやみに参加するのは危険です。
3.仮想通貨投資詐欺を見分けるには
仮想通貨の投資詐欺は、知識さえあれば、比較的簡単に見分けられます。以下では、仮想通貨投資詐欺を見分ける3つの方法を紹介します。
3-1 国の許可を得ている取引所を利用
原則として、仮想通貨交換業者には金融庁・財務局への登録が義務付けられています。つまり、未登録の取引所は国の許可を得ていない怪しいサービスということです。
仮想通貨投資をする前には、金融庁・財務局のホームページで事業者が登録されているかどうか必ず確認しましょう。
以下が、執筆時点(2021年10月)で登録済みの主な業者一覧です。
- 株式会社マネーパートナーズ
- QUOINE株式会社
- ビットバンク株式会社
- SBI VCトレード株式会社
- GMOコイン株式会社
- フォビジャパン株式会社
- BTCボックス株式会社
- 株式会社ビットポイントジャパン
- TaoTao株式会社
- 株式会社DMM Bitcoin
- コインチェック株式会社
- 楽天ウォレット株式会社
- 株式会社ディーカレット
- オーケーコイン・ジャパン株式会社
- 株式会社Zaif
- 株式会社サクラエクスチェンジビットコイン