
WebXのコンセプト
WebXは、国内外の他の大型カンファレンスと一線を画す特徴を持つ。最も顕著な点は、伝統金融市場の上場企業や政府関係者の参加が多いことが挙げられる。
日本をはじめ、各国の政府関係者やデジタル政策責任者が登壇。金融庁など規制当局関係者の貴重な講演をはじめ、業界関係者と規制当局が直接対話できる場を提供しており、公共政策フォーラムでは、テクノロジーの社会実装に関する政策課題を議論するセッションも充実している。
WebXの特徴的な点は、単なる技術的可能性の探求にとどまらず、実際の社会実装を重視した実践的な議論が行われることだ。暗号資産・ブロックチェーンなどの先端技術がどのように現実の社会課題を解決し、ビジネスとして成立するかという観点から、具体的な成功事例や課題が共有されている。
さらに、国や業界の壁を超えたグローバルな協力体制の構築を促進する場としても重要な役割を果たしている。複雑化する国際情勢の中で、テクノロジーを通じた協力関係の維持・強化が図られており、国際的な標準化や共通課題への取り組みが議論されている。
こうした多面的な価値提供により、WebXは単なるカンファレンスを超えた、デジタル時代における重要な国際フォーラムとしての地位を確立している。
過去のハイライト
今年3回目の開催となるWebXの過去の実績を紹介。第1回 WebXハイライト
WebXの第1回開催は、2023年7月25日~26日に東京国際フォーラムで行われた。16,500人を超える来場者と290人のスピーカー、372社の協賛・協力企業(団体含む)が参加し、想定を大きく上回る盛況となった。
- 参加企業・団体数
372社の協賛・協力企業が参加し、国内外の暗号資産やブロックチェーン関連企業が一堂に会した。主要スポンサーには、Bitbank、HashKey、Xeno、Polkadot、Nero、TRONなどが名を連ねた。 - 来場者数・プロフィール
来場者数は延べ16,500人にのぼり、Web3領域に関心を持つ幅広い層が集まった。国内からの参加者が中心だったが、海外からも多くの参加があり、イベントの国際性を示した。 - 主な登壇者と講演内容
岸田元首相をはじめとする政府・行政関係者、当時のBinanceのCEO Changpeng Zhao氏、Yuga LabsのCEO Daniel Alegre氏、TRONの創設者Justin Sun氏など、国内外のWeb3業界のリーダーが登壇した。
ビジネスマッチング
こうした大規模Web3カンファレンスのスポンサー及びブース出展やステージでの発表、商談エリアなどを通じて、既存のWeb2業界と新興産業のWeb3業界における画期的なビジネスマッチングが次々と実現している。
WebXを通じて従来の業界の枠を超えた戦略的パートナーシップが複数発表され、日本企業のグローバル展開と海外企業の日本市場参入が同時に進行する構図が浮かび上がった。
このようなビジネスマッチングの活発化により、民間企業のWeb3分野への積極参入が顕著になっている。グローバル企業との戦略的パートナーシップを通じて技術革新と市場拡大を同時に推進する動きが加速しており、日本のWeb3業界は従来の技術追従型から脱却し、グローバル市場でのイニシアチブ獲得を目指す段階に突入している。
第2回ハイライト
2024年8月28日~29日にザ・プリンスパークタワー東京で開催された第2回WebXは、さらに規模を拡大し、国際的な注目度も高まった。
- 参加企業・団体数
約180社の出展企業が参加し、国内外から多様な企業が集まった。特に注目されたのは、講談社、東宝、カプコン、手塚プロダクションなど11社が出展したIPエリアで、日本のIPとWeb3の接点を提示した。 - 来場者数
来場者数は20,000人以上に拡大し、前年比で約25%の増加となった。特筆すべきは海外からの参加者が前年比で約80%増加し、来場者の約4割を占めるようになったことで、国際的な交流の場としての役割が強化された。 - 成長ポイント(規模・影響力)
2回目の開催となる2024年は、スピーカー数も250名以上に増加し、約76のグローバルメディアパートナーによる報道があった。セッションは日本語と英語の両方で行われ、多言語対応によるアクセシビリティの向上が図られた。また、WebXは「アジアWeb3ツアー」の重要なカンファレンスとして位置づけられるようになり、DAO TOKYO、Coinfest Asia、ETH Tokyoなどと連携したイベント展開が行われた。
注目セッション
最も注目されたセッションの一つは、ソニーグループとStartale Groupの合弁会社「Sony Block Solutions Labs」による次世代イーサリアムL2ブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」の発表だった。Sony Block Solutions Labsの渡辺潤氏および渡辺創太氏が登壇し、ソニュームの概要や今後の方向性についてのビジョンを示した。
また、SBIホールディングス代表取締役会長兼社長の北尾吉孝氏による「Web3時代に向けたSBIグループの取り組み」と題した特別講演では、ゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys」との戦略的パートナーシップ締結が発表され、大きな注目を集めた。
関連:「メジャーになる」を合言葉に渡辺創太が講演、ソニーのSoneiumが目指すもの|WebX2024
関連:OasysとSBIホールディングスが提携 日本発Web3ゲームエコシステムを強化
会場の様子
WebX 2024では、さらに国際的な注目度が高まり、グローバルな参加者からの反響も大きくなった。「#WebX2024」のハッシュタグには、世界各国からの参加者による投稿が集まった。
Day2もブースエリア(&ピッチステージ)大賑わいです#WebX2024 pic.twitter.com/J5Hid7XbMU
— CoinPost(仮想通貨メディア) (@coin_post) August 29, 2024
同時期開催のおすすめカンファレンス

WebX周辺ブロックチェーンイベント 2025
8月21日〜9月6日 アジア太平洋地域
イベント名 | 日程 | 場所 | 概要・特徴 |
---|---|---|---|
CoinFest Asia 2025
クリプト
フェスティバル
|
8月21-22日 | バリ (インドネシア) |
世界最大のクリプトフェスティバルで、90カ国以上から1万人以上の参加者を集める予定。 |
WebX Fintech Expo powered by SBI
フィンテック
招待制
|
8月22日 | 大阪 | EXPO2025のコネクトウィークに正式に位置づけられた1日限定の完全招待制イベント。伝統金融とWeb3の接点を探る場として開催。 |
Japan Blockchain Week 2025
AI
ブロックチェーン
|
8月23日 | 東京 | 2018年から続く日本最大のブロックチェーンウィークで、今年はAIに焦点を当て、ブロックチェーンの次の進化を形作る包括的なイベント群。 |
Solana Super Tokyo 2025
Solana
ペイメント
|
8月24日 | 東京 | Superteam Japanが主催する日本最大級のSolanaカンファレンス。「ステーブルコインとペイメント革命」をテーマに、Circle社、PayPal社、VISA、Mastercardとの提携を背景に開催。 |
Bitcoin Asia 2025
Bitcoin
アジア最大
|
8月28-29日 | 香港 | アジア最大のビットコイン専門カンファレンス。200名以上のスピーカー、5,000名以上の参加者、100以上のスポンサーが集結し、ビットコインの未来を議論。 |
Onboard Taipei Blockchain Week 2025
Web3
オンボード
|
9月4-6日 | 台湾・台北 | “Onboard”をテーマに、Web3の普及とイノベーション推進に特化したブロックチェーンカンファレンス。台湾のWeb3文化と産業促進を目的として開催。 |