*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
クリプト市場マーケットレポート(3/10日 AM9時執筆)
ビットコイン(BTC)は、WTI原油が一時3年9か月ぶりとなる119ドルを記録し、市場全体がパニック的な動きを見せるなか、9日から10日にかけて比較的落ち着いた推移となった。価格は一時50万円以上の上昇となった。

出典:Coinpost Terminal
背景には、中東の地政学リスクの高まりがある。イランでは反米的姿勢で知られるモジタバ師が新たな最高指導者となったことが報じられ、地域情勢の不安定化が意識された。こうした状況のなか、ビットコインが「無政府資産」として安全資産的な役割を意識され、資金流入が生じたとみられる。また、米国債利回りの低下もリスク資産全体の支えとなり、ビットコイン相場の上昇要因となった。
一方で、原油価格の急騰は電力コストの上昇を通じてマイニング事業の採算性を悪化させる可能性があり、ビットコインの上値を抑える要因ともなっている。さらに、日本時間10日未明にはトランプ米大統領が「戦争はほぼ終了した」と発言し、緊迫していた中東情勢の早期終結シナリオへの期待が浮上した。この発言は市場の過度な警戒感を後退させ、相場を落ち着かせる要因となった。
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3月9~3月10日相場状況
主要アセットクラスとの相関関係(観測期間2カ月)を見ると、S&P500との相関は-0.09、ゴールドは-0.25、原油は-0.24と、いずれもほぼ無相関の状態となっている。足元ではビットコインは伝統資産の動向よりも、現状では独自の値動きを示している状況である。
注文動向を見ると、直近では現物市場でやや売りが優勢となっている(下画像青枠)一方、デリバティブ市場では買いが優勢となっている(下画像赤枠)。現物売りとデリバティブ買いが同時に進行する構造は需給の歪みを生みやすく、相場が下方向に振れやすい状態といえる。
また、オプション市場ではプットポジションの増加に伴い、PCR(プット・コール・レシオ)が再び上昇している(下画像黄矢印)。これは投資家心理がやや弱気方向に傾いていることを示唆している。
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現状分析(3/10日 AM9時)
足元では、トランプ大統領が原油急騰を受けてイラン戦争の継続に消極的な姿勢を示したことから、これまで相場を押し上げていた地政学リスク要因は一旦落ち着きを見せていると考えられる。
ただし、原油価格の高騰は依然として無視できないリスク要因である。エネルギー価格の上昇はマイニング採算の悪化につながるほか、インフレ圧力を通じて金融引き締め観測を高める可能性があるためである。
今後の暗号資産市場としては、ビットコインと原油価格の逆相関関係が今後高まる可能性があり原油価格が高水準で推移するのか、それとも沈静化するのかが注目点となるだろう。
- 3/11日 米消費者物価指数(CPI)
- 3/12日 米鉱工業生産指数
- 3/19日 FOMC
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