WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

長らく低迷するビットコイン相場解説 中東リスクとFOMC控え上値重く

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比0.75%安の1BTC=約66,000ドルとなった。米国とイランの軍事衝突の再燃を背景にリスク回避の動きが強まり、上値の重い展開が続いている。

BTC/USD 週足

上のチャートは、FTXショック後の2022年最安値(1BTC=15,600ドル)から2025年10月の過去最高値(1BTC=126,000ドル)までの上昇に対し、フィボナッチ・リトレースメントを引いたものだ。現在値は0.382(約57,900ドル)と0.5(半値・約71,000ドル)の間にあり、上昇分の半値をやや下回る調整局面にある。

主要オンチェーンデータが過去サイクルの底値圏にあり、市場心理が総悲観および無関心に傾く中、買い戻しを探る向きもある。

下値では0.382近辺が支持帯として意識され、200週移動平均線(約63,300ドル)とも重なることで、下値サポートが二重に効きやすい。上値では、50週移動平均線(約85,400ドル)と0.618(約84,100ドル)がほぼ一致し、当面の戻り売りの目安となる。半値の71,000ドルを明確に回復できるかが、トレンド転換の分かれ目となりそうだ。

ビットコインは5月以降におよそ20%下落し、投資家心理を示すFear & Greed指数は「Fear(恐怖)」を示す33で推移している。市場は7月28日から29日にかけて開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、様子見姿勢を強めている。

6万〜8万ドルのレンジ、上値に200日線

テクニカル面では、ビットコインはレンジ下限にあたる6万ドル前後から切り返し、6万ドル台後半で推移している。相場アナリストのDaan Crypto Trades氏は、ビットコインが60,000ドルから80,000ドルの広いレンジ内で戻りを試していると分析する。

同氏によると、日足の200日移動平均線(約72,700ドル)と200日指数移動平均線(約73,900ドル)はいずれも低下を続けており、価格が現在の水準付近にとどまったとしても、8月ごろに価格と交差する可能性が高いという。当面の上値の節目としては、6月の高値である67,000ドルと、週足終値でのブルマーケットサポートバンドが位置する70,000ドル付近が意識される。

これらの移動平均線は現在の価格を上回っており、当面は戻り局面での上値抵抗として働きやすい。レンジ上限の80,000ドルと下限の60,000ドルが相場の振れ幅を規定する構図が続いており、マクロ環境の改善なしに上限を試すには時間を要するとみられる。

中東リスク再燃で原油高止まり

2025年10月以降低迷する暗号資産相場の重石となっているのが、マクロ経済の影響拡大および中東情勢の緊迫化だ。米国とイランは6月17日にホルムズ海峡の航行再開に向けた暫定合意に署名したが、6月下旬以降に海峡を通過する船舶への攻撃が相次ぎ、停戦は事実上崩壊した。

米軍は7月に入って空爆を再開し、イラン沿岸への海上封鎖を再導入した。7月22日時点で空爆は11夜連続に及び、イランと連携するフーシ派はサウジアラビアに対する海上禁輸を宣言している。

供給不安から原油価格は再び上昇した。国際指標の北海ブレント原油先物は7月22日に4%上昇して1バレル=94ドル台と6月8日以来の高値を付け、月間では約20%上昇した。米ガソリン価格は1ガロン=4ドルに戻り、一部アナリストは原油が100ドルを超える可能性も指摘している。

FOMC控え利上げ警戒くすぶる

原油高は、金融政策を巡る見方にも影響を及ぼしている。CMEのフェドウォッチによると、7月21日時点で7月29日のFOMCで政策金利が据え置かれる確率は約83%となっている。フェデラルファンド金利の誘導目標は3.50〜3.75%で、4会合連続の据え置きが有力視されている。

CME FedWatch 7月29日FOMCの政策金利据え置き確率 2026年7月23日

もっとも、原油高がインフレ再燃につながるとの警戒から、利上げ観測は完全には消えていない。原油が急騰した7月13日には、利上げ確率が一時46%台まで上昇した。ウォラー理事は政策上のリスクが労働市場の弱さからインフレ側に反転したとの見方を示し、バンク・オブ・アメリカは2026年内に3回の利上げを予想している。

7月14日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.5%と市場予想の3.8%を下回り、いったんは利上げ警戒が後退した。ただし、今回の原油高が7月分以降のインフレ指標を押し上げるかが次の焦点となる。7月分CPIの発表は8月12日を予定している。

資金フローと当面のシナリオ

出典:SoSoValue

機関投資家の資金動向を映す現物ビットコインETFは、6月に過去最悪となる約45億ドルの流出を記録し、8週連続・総額約82億ドルという過去最長の流出局面が7月初旬に終了した。その後、7月10日までの週に約1億9,700万ドル、7月17日までの週に約7,570万ドルと、2週連続で流入に転じている。

ただし、2週間の流入額は合計で約2億7,300万ドルにとどまり、80億ドルを超えた流出規模に比べると回復は小さい。中東情勢が再燃した7月13日には単日で約4億2,000万ドルが流出しており、資金流入の勢いは限定的だ。

資金がリスク資産の中でも株式に集中している点も、暗号資産の相対的な弱さの一因となっている。米国株や日経平均では、AI関連の半導体銘柄が相場を牽引し、投資マネーの受け皿となっている。6月には宇宙開発大手スペースXが大型上場するなど、IPO市場も投資家の関心を集めた。

関連:大型IPOでビットコインが下がる理由|資金捻出売りの仕組みと過去事例

機関投資家のリスク許容枠がAI・半導体株やIPO株に選別的に振り向けられる中で、暗号資産への新規資金の配分は限定的にとどまっている。中東情勢の沈静化やFOMCの通過でリスク選好が戻れば、株式に向かった資金の一部が暗号資産へ回帰する余地も残る。

当面の焦点は中東情勢とFOMC

昨今のビットコイン相場においてマクロ経済の影響は無視できず、原油先物が100ドル水準を上回るか、次回FOMCでFRB(米連邦準備制度)が金融引き締めに前向きな姿勢を示す場合には、相場の底割れリスクが意識され60,000ドルの節目を試す下押し圧力が強まる可能性がある。一方、停戦の再合意など外交進展で原油が下落すれば、リスク選好が回復する余地も残るだろう。

短期的には、中東情勢の推移、7月29日のFOMC声明、今週後半から来週にかけての米ハイテク企業の四半期決算、現物ビットコインETFの週次フローが主な確認材料となる。

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/20 日曜日
11:30
ビットコインFOMC通過後も底堅く、米金利と中東情勢が焦点|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)は25bpの利上げを決定したFOMCを通過後も1210万円台で底堅く推移している。目先は米金利の動向と中東情勢による原油価格の変動が焦点で、高値レンジ内での方向感を模索する展開が続きそうだ。
09:25
週刊仮想通貨ニュース(9/18)|クラリティー法案・日本の分離課税・米BTC準備金法案の動向まとめ
今週は、仮想通貨規制の米クラリティー法案の上院審議入り採決失敗、日本の分離課税、米下院金融サービス委員会のビットコイン戦略準備金法案可決に関する記事が関心を集めた。
09/19 土曜日
13:35
JPモルガン系ブロックチェーン決済網と英LSEG、24時間決済で提携
ブロックチェーン決済網のパーティアと英LSEG DiSHが常時稼働の決済銀行流動性で提携し、JPモルガンなど参加行が24時間365日の資金移動を可能にする新体制を築く。銀行間送金の効率化により、機関投資家の資金効率を高める。
11:45
「トークン化RWAのAUMが5兆円に到達」バイナンスが市場の現状と展望をレポート
バイナンスリサーチがRWA(現実資産)トークン化市場の現在を分析。運用資産総額は341.8億ドルに達しており資産の「活用度合い」が今後の焦点になるとした。
11:05
ビットコイン急騰、8万ドル台回復 SEC・CFTCの制度整備を好感|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは日本時間9月18日夜から19日未明にかけて急騰し、8万ドル台を回復した。今回の上昇は、クラリティ法案の審議停滞を受けて強まった政策面への悲観を、規制当局の具体的な対応が和らげた動きと捉えられる。
10:20
サークル社、独自チェーンArcのAIエージェント公開
サークル社は独自ブロックチェーン「Arc」向けのAIコーディングエージェント「Arc Studio」を発表。自然言語の指示だけでアプリを生成し、9つのブロックチェーンに対応している。
09:55
コインベース、米国で個別株の無期限先物上場を申請 規制緩和受け
米コインベースがCFTCに個別株の無期限先物上場を申請した。アップルやマイクロソフトなど約50〜60銘柄が対象で、年内の取引開始を計画している。米国の個人投資家が個別株のレバレッジ取引に参加しやすくなる可能性がある。
08:25
Bitcoin Japan、初のビットコイン購入へ 100万ドル上限
Bitcoin Japanが子会社経由で初のビットコイン購入を決定した。初回投資は100万米ドルが上限で、資金は7月発行の転換社債で調達する。同社の資産運用戦略が実行段階に入ったことを示す。
08:10
ジーキャッシュのNU7、メインネットでの実行目標時期は11月5日に
仮想通貨ジーキャッシュは、アップグレードNU7を11月5日にメインネットで実行する計画を決定。NU7では、ブロック生成間隔を現行の75秒から25秒に短縮するアップグレードなどが行われる。
07:05
米グレースケール、ジーキャッシュ現物ETFを3分割へ 高い需要受け
投資家の需要を受け、米グレースケールは運用するジーキャッシュ現物ETFを分割する予定だ。9月30日から適用され、流通株数は3倍に増える。
06:40
イーサリアムの『グラムスターダム』テスト実装日、10月6日より開始
イーサリアム開発者は17日、次期アップグレード「グラムスターダム」のテストネット移行日を10月6日に確定した。同時に偽装ビルダーによる攻撃リスクも指摘されたが、対象は検証ネットのみでメインネットの資産に影響はない。
06:15
ビットコイン、8万ドル台定着は年内困難か|コインシェアーズ分析
仮想通貨運用会社コインシェアーズは18日、FRBの利下げ観測後退とクラリティー法案の停滞を受け、ビットコインが年内に8万ドルを決定的に突破する可能性は低いとの見方を示した。
05:50
米CFTC、仮想通貨規則案2件をホワイトハウスに提出|セリグ委員長方針を実行
米CFTCが仮想通貨関連の規則案2件を、規則案を事前審査する米政府機関に提出した。上院でのクラリティー法案不成立から2日後の動きで、セリグ委員長がかねて示していた「準備は整っている」という姿勢を行動で裏付けた。
05:00
ハイパーリキッドがUSDC・USDT手動借入機能を導入、初日の借入額2.65億ドル超
DEX大手ハイパーリキッドは担保資産を用いてUSDCおよびUSDTを借り入れる手動借入機能の提供を開始した。初日の借入総額は2.5億ドルを超えており担保需要の拡大がうかがえる。
09/18 金曜日
18:12
日米豪独7機関、北朝鮮ハッカー「WaterPlum」が仮想通貨17億円窃取と公表
警察庁・FBIなど日米豪独7機関が北朝鮮系ハッカー集団WaterPlumによる仮想通貨窃取の実態を共同公表した。7,000超のウォレットから17億円相当を窃取したと認定し、国内初のラップトップファーム摘発事例も判明した。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧