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ビットコイン1020万円台で上げ渋り、CPIと利上げ観測が焦点|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は小確りと推移し、7日正午時点で、1020万円周辺で推移している。

クラリティ法案の審議が米上院スケジュールに組み込まれなかったことが嫌気され、週明けの相場は980万円まで下落するも、中東情勢の緊張緩和を背景に原油価格が下落し、1000万円周辺まで反発した。

4日には米国とイランの交渉を仲介するカタールが、両国の協議に進展があったと公表し、BTCは1010万円周辺まで回復すると、翌5日にはADP雇用統計の下振れを受けて、1020万円まで上昇した。

一方、6日には、イラン議会が敵対勢力によるホルムズ海峡の通航を禁止する法案草案を審議しているとの報道や、ウォーシュFRB議長が8月のインフレが再加速すれば9月のFOMCで利上げに踏み切る準備があると発言したことで、BTC相場の上値は圧迫され、足元では1020万円周辺で上げ渋りに転じている。

BTC対円の1時間足チャート(2026年8月)bitbank提供

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbankより作成

来週のBTC相場は、ボラタイルな展開が想定される。

マクロ面では、ウォーシュFRB議長が、今後の経済データ次第では9月のFOMCで利上げに踏み切る準備があると明言したことが市場への強力な牽制となろう。FF金利先物市場では9月会合での利上げを約55%、据え置きを約45%織り込んでおり、金融政策を巡る市場の見方は拮抗している。このため、目先では7日の米雇用統計、来週12日の米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、利上げの織り込みが大きく変動する可能性がある。

特に、来週のCPIには注意したい。足元ではインフレ指標の伸び鈍化が確認されていた一方、中東情勢を背景とした原油価格の上昇が続いており、物価の先行きを巡る不透明感は再び強まっている。CPIがインフレ再加速を示す内容となれば、9月利上げを急速に織り込む形で米金利とドルが上昇し、BTCには強い下押し圧力が掛かる可能性がある。反対に、インフレ鈍化が維持されれば、利上げ観測の後退を通じてBTC相場の支援材料となろう。

一方、中東情勢では、米国とイランの交渉に進展が確認された点は好材料と言える。しかし、イラン議会では敵対勢力によるホルムズ海峡の通航を禁止する法案草案が審議されており、これが米・イラン交渉の新たな障害となる可能性には留意したい。仮に交渉が再び停滞し、ホルムズ海峡を巡る緊張が高まれば、原油価格の上昇を通じてインフレ懸念とFRBの利上げ観測を同時に強めることとなり、BTCにとっては二重の逆風となろう。

総じて、来週はCPIを受けた9月FOMCの利上げ観測と、中東情勢を巡る原油価格の動向がBTC相場の方向感を左右しそうだ。特に、ウォーシュ議長がデータ次第で9月利上げに踏み切る姿勢を明確にしたことで、経済指標への相場の感応度はこれまで以上に高まりやすい。米・イラン協議が進展し、CPIでもインフレ鈍化が確認されればBTCは戻りを試す展開が期待される一方、原油高とインフレ再加速が重なる場合には、地合いが急速に悪化する可能性には注意したい。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
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