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ビットコイン、8万5000ドルが分岐点 雇用統計後の焦点は|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は小確りと推移しており、10月2日正午時点で、1350万円周辺で推移している。

週明けのBTC円は、トランプ米大統領がホルムズ海峡の航行に関するイランの提案を拒否したことを受け、原油価格の上昇が相場の重石となり、1340万円から1300万円周辺まで売り込まれた。しかし、トランプ氏がイランとの協議は今週中にも再開するとの見通しを示したことで、原油高に歯止めが掛かり、BTCも下げ止まった。

その後は、1320万円周辺で方向感に欠ける展開が続くも、米個人消費支出(PCE)デフレーターが市場予想を下回ると、相場は一気に1340万円近辺まで水準を戻した。ただ、PCEは市場予想比で下振れたものの、前月比では伸びが加速したことで、米金利も初動の低下から急反発した。さらに、BTCはドル建てで節目8万5000ドルを回復したことで戻り売りが優勢となり、1320万円周辺まで反落した。

尤も、長期金利の上昇に伴う米政府の財政懸念も燻るなか、その後も底堅い推移が続くと、FRBのジェファーソン副議長が、追加利上げについては今後の経済指標を見極める時間的猶予があるとの認識を示し、相場は再度1340万円を試した。

足元では、前日のETFネットフローが2営業日ぶりに純流入となったことで、1340万円を回復している。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbankより作成

今週のBTCはドル建てで節目の8万5000ドルを巡る攻防が続いたが、2日の東京時間には同水準の上抜けに成功している。

ただ、本稿執筆時点では9月の米雇用統計を控えており、終値ベースで8万5000ドルを維持できるかが目先の焦点となろう。同水準の上抜けに成功すれば、今週幾度となく上値を阻んできた水準を突破する格好となり、来週は戻りを試す展開が想定される。その場合、次の上値目途としては心理的節目となる9万ドルが意識されよう。

一方、足元のBTC相場にはテクニカル面で警戒材料も残っている。日足のRSIでは、相場が高値圏を維持する一方で弱気のダイバージェンスが出現しており、上昇モメンタムの鈍化が示唆されている。こうしたなか、雇用統計で米労働市場の底堅さが改めて確認されれば、追加利上げ観測が再度強まり、短期金利の上昇を通じてBTCには下押し圧力が掛かる可能性がある。

8万5000ドルの維持に失敗すれば、節目の8万ドルと一目均衡表の基準線が密集する8万〜8万1000ドル周辺が下値目途となろう。さらに、同エリアを明確に下抜ければ、相場の地合い悪化が鮮明となり、一目均衡表の雲が位置する7万5000ドル周辺まで下げ幅を拡大する余地もあるとみている。

来週もISM非製造業景況指数をはじめとする米経済指標の発表やFOMC議事要旨の公表が予定されているが、現時点では相場の方向を決定づけるほどの材料にはなりにくいとみている。

FOMC議事要旨についても、9月会合の結果やその後のFRB高官発言を通じて政策スタンスはある程度市場に織り込まれており、基本的にはこれまでの認識の「答え合わせ」という位置付けになろう。無論、経済指標が市場予想から大きく乖離すれば金利市場が反応する可能性はあるものの、来週は雇用統計を通過して形成された地合いを引き継ぎやすいとみられる。

他方、米国債利回りについては年限ごとの動きを見極めたい。短期金利の上昇は追加利上げへの警戒を通じてBTC相場の逆風となる一方、長期〜超長期金利の上昇が続けば、米国の財政維持に対する懸念が意識され、無国籍資産であるBTCへの需要を支える可能性がある。来週は目立った材料に乏しいからこそ、雇用統計後の金利市場がどのような形状で落ち着くかも相場の地合いを見極めるうえで重要となろう。

従って、来週のBTC相場は8万5000ドルを一つの分岐点として捉えたい。雇用統計を通過して同水準より上で相場が定着すれば、9万ドルを目指す展開が視野に入る一方、維持に失敗すれば8万〜8万1000ドルまでの調整余地を見込む。同エリアも下抜ける場合には7万5000ドル周辺までの下落にも警戒が必要となろう。

来週は重要イベントそのものよりも、雇用統計を受けて形成された地合いと8万5000ドルを巡る相場の反応を見極める一週間となりそうだ。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
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