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ビットコインPPI上振れで1200万円割れ、FOMCと原油高が焦点|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は上値の重い展開となり、11日正午時点で、1190万円周辺で推移している。

強めに出た先週の米雇用統計の余波が残るなか、日銀の利上げ観測を背景にドル円相場が下落し、円建てBTCは週明けから弱地合いとなり、1250万円から1200万円近辺まで水準を下げた。

週央には、売り一服感からジリ高に推移するも、米財務省による長期国債の買い戻しオペの規模が60億ドルと、予想されていた70億ドル〜90億ドルを下回った。加えて、次回以降の買い戻し規模を最低40億ドルに据え置く方針も発表され、市場の金利低下期待や流動性改善期待が剥落し、BTC相場の上値は限定された。

10日、8月の米卸売物価指数(PPI)が総合とコア指数のいずれも前年比で伸びが加速すると、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が強まり、相場は1200万円を明確に割り込んだ。

さらにこの日は、トランプ米大統領がイラン戦争は中間選挙後まで継続するとの姿勢を示したことで、原油高に拍車が掛かり、BTCは一時1180万円台まで下落した。

BTC対円の1時間足チャート(2026年9月)

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbankより作成

来週のBTC相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を最大の焦点に、下値リスクを警戒する展開となりそうだ。

足元では9月FOMCを巡る市場の見方が目まぐるしく変化している。先週にはウォラーFRB理事が、基調的なインフレが抑制され続ければ政策金利の据え置きを支持する考えを示したことで、FF金利先物市場が織り込む9月利上げの確率は一時4割程度まで低下した。しかし、その後は強めの雇用統計や8月の米卸売物価指数(PPI)の上振れを受け、再び利上げへの警戒感が強まっている。

特に、PPIでは総合指数だけでなくコア指数も前年比で伸びが加速しており、ジャクソンホールでウォーシュFRB議長が、インフレが再燃すれば追加利上げに踏み切る用意があると発言していたことを踏まえれば、来週のFOMCでは利上げを警戒しておく必要があろう。また、今回は経済見通し(SEP)も更新される。仮に政策金利が据え置かれたとしても、インフレ再加速への警戒からドットプロットで年内の利上げを支持する会合参加者が増える可能性もあり、いずれにせよハト派的な内容となる公算は極めて小さいとみている。

こうしたなか、FOMC後は米国債のイールドカーブにも注目したい。タカ派的な結果となれば幅広い年限で利回りが上昇するとみられるが、政策金利の影響を受けやすい短期ゾーンの上昇幅が長期ゾーンを上回り、ベアフラットニングが加速する可能性がある。米30年債利回りが19年ぶりの高水準で推移するなど、米財政への懸念が消えたわけではないものの、短期金利の上昇圧力が強い状況では、こうした財政懸念もBTC相場の支援材料として機能しにくいと言えよう。

一方、15日にはクラリティ法案を上院本会議で審議入りさせるための手続きも控えている。本会議審議へ進めば暗号資産市場には好材料となろうが、その直後にFOMCを控えるだけに、BTCの上値を大きく押し上げるには力不足となる可能性がある。反対に審議入りに失敗すれば、規制整備への期待後退にタカ派的なFOMCへの警戒が重なり、BTCへの下押し圧力が一段と強まる可能性には注意したい。加えて、止まらない原油高もインフレ懸念を通じて利上げ観測を後押ししかねず、相場環境は楽観しにくい。

総じて、来週のBTC相場はFOMCを睨み、上値の重い展開を想定している。利上げが実施される、或いはSEPで年内利上げを支持する参加者が増加するなどタカ派的な内容となれば、短期金利の上昇とイールドカーブのフラット化を通じてBTCへの下押し圧力が強まろう。目先は高値レンジ下限となる7万5500ドル(≒1163万円)を維持できるかが焦点となる。同水準を割り込めば、相場は8月の上昇分を縮小する展開も視野に入り、まずは節目の7万ドル(≒1080万円)が次の下値目途として意識されよう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
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