WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン米財政懸念で5月以来の高値、来週はGDP・PCEが焦点|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は急伸し、21日正午時点で1200万円を試す展開となっている。

週前半は世界的な長期金利の上昇のほか、米財務省がジーニアス法案のパブリックコメント募集を開始したことを好感し、相場は1000万円周辺から小幅ながら上昇し、1030万円台に乗せた。

週央の海外時間には、ベッセント米財務長官が長期国債の買い戻しオペの規模を、従来の20億ドルから最低40億ドルに引き上げると発表。すると、米政府の財政懸念を背景にBTCは上値を追う展開に転じ、ショートスクイーズを伴って1100万円周辺まで一気に浮上した。

ベッセント氏の発言を受けて、米長期金利は一時的に急低下していたが、翌20日には反発。この日、同氏は国債の買い戻し規模が40億ドル以上になる可能性もあるとの認識を示したが、市場の財政懸念は払拭されず、BTCは1100万円から1150万円周辺まで上値を伸ばした。

21日東京時間も堅調な推移を維持し、5月以来、節目の1200万円を試す展開となっている。

BTC対円の1時間足チャート(2026年8月)bitbank提供

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbankより作成

今週の金融市場にとって最大のサプライズとなったのは、ベッセント米財務長官による長期国債の買い戻し規模引き上げだった。表向きには短期国債の増発を原資として長期国債を買い戻すデュレーション調整となるが、その背景には膨れ上がる財政赤字や利払い費への懸念があると言えよう。特に、17日に米30年債利回りが19年ぶりの高水準に浮上した僅か数日後にこうした方針が示された点は重要だ。

市場にとって今回の発表は、米財務省が長期金利の上昇に対して一定の警戒感を持ち始めたとのメッセージにもなり得る。裏を返せば、これ以上の金利上昇は米国の財政運営にとって負担が大きいとの見方にもつながり、結果として米政府の財政状況そのものに市場の関心が向かう切っ掛けとなったと考えられる。

こうした環境はBTCにとって追い風と言えよう。BTCは特定の国家や中央銀行に依存しない無国籍通貨としての側面を持ち、これまでもソブリンリスクが意識される局面では選好される傾向があった。今週、米株が軟調に推移する場面でもBTCが独歩高となり、6月の下げ幅を奪回した背景には、こうした米国の財政懸念を巡る資金の逃避先としてBTCが意識されたこともあるとみられる。

一方、短期的な相場の過熱には注意したい。ドル建てBTC相場は今週7万5000ドルにタッチし、6月の下げ幅をほぼ奪回したほか、日足の相対力指数(RSI)は80を上回っている。短期間で相場が急伸したことを踏まえれば、テクニカル的にはいつ利益確定売りが入ってもおかしくない状況と言えよう。

また、来週は米国の四半期GDP成長率や7月の個人消費支出(PCE)デフレーターなど、重要な経済指標の発表も控えている。財政懸念という新たなテーマがBTC相場を支えているとは言え、景気の底堅さやインフレ再加速が確認されれば、短期的な利益確定売りの切っ掛けとなる可能性もあろう。

総じて、米国の財政懸念が意識される状況は、無国籍通貨としてのBTCには中期的な支援材料となる可能性がある。一方、足元では7万5000ドルまで急伸し、テクニカル的な過熱感も強まっていることから、来週は一段高を追うよりも、まずは利益確定売りをこなしつつ過熱感を冷ます展開に警戒しておきたい。調整を経ても米財政を巡る懸念が継続し、BTCが高値圏を維持できれば、その後の上値余地も改めて意識されよう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/05 土曜日
14:30
リップル社、フロリダ大学アスレティクスと提携 スタジアムにXRPロゴ掲出へ
仮想通貨大手リップル社が米フロリダ大学アスレチックスと複数年パートナーシップを締結した。スタジアムにXRPロゴを掲出するほか、学生向け金融教育も支援する。
13:35
新種ETF審査、速度か安全性か 米仮想通貨業界内で意見対立
米SECが検討する新種ETFの規制枠組みを巡り、グレースケールや21シェアーズ、a16zなど複数の仮想通貨企業が意見書を提出した。SECは対応時期をまだ示していない。
11:20
ビットコインと金の相関性が6年ぶり高水準に、ビットワイズ
ビットワイズは、ビットコインと金の90日相関性2020年以来の高水準に達したと分析。ビットコイン相場と米国株の連動性は低下しており、投資家心理の変化を示唆している。
10:15
バイナンス、MiCAライセンス未取得でもEU事業継続=報道
ブルームバーグの報道によると、バイナンスはMiCAライセンス未取得のままEUで事業を続けており、反転勧誘条項やアブダビ法人への取引誘導など複数の抜け道が背景にあると指摘。
09:55
金融庁、暗号資産・ステーブルコイン政策の戦略的対応などで「目標達成」と報告
金融庁が金融行政に関する実績評価書を公開。仮想通貨の金商法移管やステーブルコイン活用などデジタル金融戦略の取組みを「目標達成」と自己評価したことがわかった。
09:10
ビットコインが金と同様の値動きに、コインシェアーズ分析
コインシェアーズは4日付リポートで、米財政懸念から仮想通貨ビットコインが金と同様の値動きを強め一時8万100ドルまで上昇したと分析、9月のFRB利上げ確率や資金フロー動向にも言及した。
07:45
Trezorの配送委託先で情報漏洩、新たに約6.7万人の被害を公表
仮想通貨ハードウェアウォレット大手のTrezorは、物流パートナーShipMonkで起きたデータ侵害について新たな情報を公表。被害の範囲が当初の説明よりも広いことが判明したと報告した。
07:15
ロビンフッド、AMCの株式トークン停止要求を拒否
ロビンフッドはAMCエンターテインメントの株式トークン取引停止要求を拒否した。対象国や米国内での法的位置づけについて外部の弁護士も見解を示した。
06:40
ロビンフッドチェーン、4日夜約14分のブロック生成障害が発生
米ロビンフッドのレイヤー2「ロビンフッドチェーン」で9月4日夜、ブロック生成が約14分間停止し送金や取引が一時滞った。現在は復旧済み。
06:15
ジーキャッシュが約10年ぶりの高値に、時価総額は一時10位突入
仮想通貨ジーキャッシュ(ZEC)が1000ドルを突破した。グレースケールの現物ETFへの資金流入とマイニング参入増加が相場を押し上げ、時価総額は170億ドル規模に達した。
05:50
全米保安官協会が中立表明、クラリティー法案の上院採決に追い風か
全米保安官協会が9月3日付の書簡で、クラリティー法案への立場を反対から中立に変更したと明らかにした。警察系団体の抵抗後退は9月15日の上院採決を後押しする材料となりそうだ。
05:00
IMF、エルサルバドルの25年6月以降のビットコイン購入は寄付のみ
IMFはエルサルバドルとの審査合意を発表し、同国の第1次審査以降のビットコイン積み増しが民間寄付のみによるものだと確認した。理事会承認を経て約1億4,000万ドルの供与が見込まれる。
09/04 金曜日
14:15
韓国、トークン化証券制度27年2月施行へ
韓国金融委員会はトークン証券制度で資産プーリングを条件付き容認し、私募から個人向け証券、決済までの段階拡大を検討している。2027年2月の制度施行を予定する。
13:45
国際決済銀行、XRP台帳を使ったデータ検証プロトタイプで論文公開
国際決済銀行の職員らがXRP台帳を使い統計データの検証を行う実験システムを紹介する論文を発表した。概念実証段階だが、XRP台帳の利点を評価し用途を説明した。
13:15
SBI VCトレードとビットポイント、計9銘柄の取扱い廃止へ
暗号資産取引所SBI VCトレードとビットポイントが9月4日、計9銘柄の取扱い廃止を発表した。対象銘柄の保有者は10月28日までに出庫・出金などの対応が必要になる。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧