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ビットコイン7.3万ドル突破、米規制進展とショート清算が上昇を加速|仮想NISHI 仮想通貨アナリストが相場分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。

クリプト市場マーケットレポート(8/21日 AM10時執筆)

寄稿者:仮想NISHI仮想NISHI
クリプトアナリスト。BTC Status Alert制作協力者、DECOCHARTの企画・監修者。著書に『暗号資産の裏・投資戦略』。日本の業界に必要な投資関連情報の配信に携わっている。

仮想通貨ビットコイン(BTC)は8月21日も上昇し、3日続伸で7万3,000ドルを突破した。円建てでも過去24時間で約70万円幅の上昇となっている。

出典:CoinPost Terminal

上昇の背景には、米国における暗号資産政策・規制面での前進がある。

トランプ大統領が議会に対し、暗号資産市場構造法案であるクラリティー法案の可決を促したことに加え、民主党議員からも、倫理条項を巡る調整がまとまれば現在でも成立は可能との見方が示された。暗号資産市場の規制枠組み整備に向けた動きが再び前進するとの期待が、市場心理を改善させた格好である。

さらに、CFTC(米商品先物取引委員会)のマイケル・セリグ委員長が、仮に米議会がクラリティー法案を可決できなかった場合でも、CFTCとして暗号資産に関する規制ルールの導入を進める考えを示したことも価格を後押ししたとみられる。

加えて、需給面ではショートポジションの清算も上昇幅を拡大させた。8月20日夜の時点では、当時のBTC価格よりやや上の水準に大量のショートポジションの清算ラインが集中していた。価格上昇によって売り方の含み損が拡大すると、ショートカバーや強制清算に伴う買い戻しが連鎖的に発生する。この動きが上昇を加速させた可能性が高い。

関連記事:米CFTC委員長、クラリティー法案未成立でも仮想通貨規制整備へ

米CFTCのセリグ委員長は20日、クラリティー法が成立しなくても仮想通貨の市場構造ルールを既存の権限で整備する考えを示した。予測市場やAI関連の規制方針にも言及しており、取引所や仮想通貨関連銘柄の事業戦略に影響を与える可能性がある。

8月20〜21日相場状況

成行注文の動向を見ると、前日に続き、今回の上昇もデリバティブ市場が先導したことが確認できる。先物などのデリバティブ市場で先行して買いが入り、その後、価格上昇に追随する形で現物市場にも買いが波及した。現物主導の上昇というより、まずレバレッジ市場で価格が押し上げられ、そこに現物の買いが追随した構図である。(下画像青枠)。

ハイパーリキッドのポジション状況を見ると、現値より上の水準には依然として多くのショートポジションの清算ラインが存在している。

一方、ポジション動向を見ると、価格が上昇しているにもかかわらず、成行注文のアクティブOI(未決済建玉)ではファンディングレートからショートポジションの増加が確認できる(下画像黄枠)。価格上昇を受け、「短期的には上がり過ぎではないか」と判断した市場参加者による打診的なショートが増えている可能性がある。こうしたポジションが積み上がるほど、さらに価格が上昇した際には買い戻し需要へ転換しやすくなる。

Deribit市場のリスクリバーサルを見ると、コールオプションのインプライド・ボラティリティ(IV)がプットIVを上回っている。これは、下落に備えるプットよりも、上昇に備えるコールへの需要が相対的に強いことを示している。オプション市場では、市場参加者が短期的な上方向への急騰を意識していることがうかがえる。

一方、今回の上昇材料となったクラリティー法案について、市場参加者が年内成立を本格的に織り込んでいるわけではない。予測市場Polymarketでは、クラリティー法案が年内に成立する確率は8月21日時点で26%となっている。8月上旬から中旬にかけて一時10%台まで低下していた水準からは持ち直したものの、市場は法案を巡る最近の前進を評価しつつも、実際の成立については慎重な見方を崩していない。

現状分析(8月21日 AM10時)

8月21日午前10時時点のビットコインは、政策・規制面での前進期待と、デリバティブ市場におけるショートポジションの清算が重なり、上昇基調を強めている。

特に、CFTCがクラリティ法案の不成立時にも規制ルールの整備を進める可能性を示したことは、市場に安心感を与えた。暗号資産規制の進展が議会日程だけに左右されないとの見方が広がったことが、今回の上昇を支えたとみられる。

足元では、価格上昇に対して新たなショートポジションが積み上がっている。現値上方には清算ラインも集中しており、追加の好材料が出れば、ショートカバーによって一段高となりやすい状況である。

一方、クラリティー法案の年内成立予測は26%にとどまる。市場は政策面での前進を好感しつつも、法案成立そのものには依然として厳しい見方を維持している。

今回の上昇は、政策・規制関連のニュースとデリバティブ市場のポジション調整に支えられた側面が大きい。倫理条項を巡る協議の難航、米上院議員の発言後退などが報じられた場合には、期待が剥落し、反対に下落圧力が強まる可能性がある。

  • 8/23日 米・PMI(購買担当者景気指数)
  • 9/1日 米ISM製造業景気指数
  • 9/4日 米雇用統計
  • 9/15日 米上院クラリティー法案審議予定日

関連記事:ビットコイン6万9000ドル台へ急伸、10カ月ぶり200日移動平均線上抜け 国債買い戻し倍増が起点

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