- バイナンスで過去最大の利食い観測
- 米長期国債買い戻し拡大も追い風に
含み益決済最大規模に
オンチェーン分析大手クリプトクアントの登録アナリスト、モレノDV氏は20日、ビットコイン(BTC)の含み益状態にあるUTXO(未使用のトランザクション出力)移動量が、仮想通貨取引所大手バイナンス上で過去最大規模に達したとする分析を明らかにした。
UTXO(未使用のトランザクション出力)とは、ビットコインの送金履歴上で使用されずに残る取引単位を指し、その移動状況を分析することで市場参加者の含み損益を把握できるオンチェーン指標の基礎データとなる。
モレノDV氏によると、これまでの最大記録はビットコインが最高値圏で推移していた局面に観測されており、投資家が含み益を確定する動機が強い時期だった。今回はそれを上回る規模の利益確定が、短期保有者(STH)の平均取得原価に向けてビットコインが値を戻す最中に発生している点で状況が異なるという。

出典:クリプトクアント
この水準は直近の購入者の平均取得コストにあたり、相場心理の重要な節目とされるものだ。含み損状態が数週間続いていた短期保有者にとって、損失を確定させずに資金を回収できる機会が生まれつつある。
モレノDV氏は、含み益状態にあるUTXOの急増について、含み損から解放された投資家の売却余力がすでに動き出している可能性を示すと分析した。ただし、移動したコインのすべてが売却されたとは限らないとも述べた。
関連記事:ビットコイン急騰、短期保有者が年初来最大利確=アナリスト
アナリストのダークフォスト氏は、短期保有者が8月19日に4万4,300BTCを取引所に送ったと指摘した。2026年最大の利確規模で、取得コスト6万7,100ドルを上回るビットコインの急騰が引き金になったという。財務省の政策やトランプ発言との関係を整理する。
吸収できるかが鍵に
ここで見極めるべき点は、ビットコインが短期保有者の取得原価を維持したまま推移できるかどうかだ。あわせて、SOPR(使用済みUTXOの含み損益比率)が1を上回る水準を保てるか、現物需要が改善するかも判断材料になるという。
モレノDV氏は、これらの条件が満たされれば、買い手が損益分岐点近辺の供給を吸収していることを意味すると分析した。一方、この水準を割り込む展開になれば、含み益を確定できる機会を得た保有者が売り圧力の起点に転じる可能性があるとみられる。
モレノDV氏が用いる分析ツールのリスク評価は「上昇」に分類され、記録的な含み益移動と短期保有者の損益分岐点圧力が重なっている状況だと位置付けた。
きっかけとなった値動き
この反発の起点となったのは19日の急騰だった。オンチェーン分析のダークフォスト氏は同日、短期保有者が利益確定目的で4万4,300BTCのビットコインを取引所に送ったと指摘した。
この送付規模は2026年に入って最大だとしている。ダークフォスト氏によると、短期保有者の平均取得原価は6万7,100ドル前後で、ビットコインが同日この水準を上回ったことが利益確定を後押ししたという。
短期保有者(STH)とは、取得から155日以内のビットコインを保有する投資家層を指すオンチェーン分析上の分類であり、相場の転換点で利益確定売りが集中しやすいとされる。
値上がりを支えた政策材料
ビットコインは19日、終値ベースで前日比7.1%上昇した。取引時間中には一時7.7%超まで上げ幅を広げ、投資情報サイトのインベスティング・ドットコムによれば2月6日以来の上げ幅になったという。
価格は昨日7万2,000ドルまで続伸し、短期保有者の取得原価である6万7,100ドル前後を明確に上回った。ダークフォスト氏は、この価格帯の突破を機に短期保有者が含み益を確定する動きに転じたとの見方を示した。
関連記事:ビットコイン6万9000ドル台へ急伸、10カ月ぶり200日移動平均線上抜け 国債買い戻し倍増が起点
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインが日足で約10カ月ぶりに200日移動平均線を上抜けた。米財務省による国債買い戻し倍増が起点で、約14億ドルのショートが清算された。トランプ大統領の発言も追い風に。
この日の急騰の背景には、米財務省による長期国債買い戻し規模の倍増と、トランプ大統領がホワイトハウスで開いた仮想通貨関係者との会合があったとされる。ベッセント財務長官は買い戻し上限を1回20億ドルから40億ドルに拡大すると発表し、長期金利の低下を招いた。
また、トランプ氏は同じ会合でクラリティー法の可決を議会に要請したほか、規制当局がデリバティブ取引所ハイパーリキッドを米国に誘致したいとの意向を示した。



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