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ビットコイン6万9000ドル台へ急伸、10カ月ぶり200日移動平均線上抜け 国債買い戻し倍増が起点

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

20日午前の仮想通貨市場で、ビットコイン(BTC)は1BTC=1100万円前後で推移している。ドル建てでは6万9300ドル前後と、24時間前と比べて約7%高い水準にある。19日の海外市場では一時6万9700ドル台まで上昇し、6月2日以来およそ2カ月半ぶりの高値を付けた。

上昇の起点となったのは、米財務省が19日に発表した長期国債の買い戻しオペ拡大だ。同日にはホワイトハウスで仮想通貨業界との会合も開かれ、規制緩和への期待が重なった。

米国債買い戻し拡大が起点

財務省は、残存10年から20年および20年から30年の利付債を対象とする流動性支援目的の買い戻しオペについて、1回あたりの上限を20億ドルから最低40億ドルへ引き上げると発表した。9月9日に開始し、11月4日まで実施する。数十年ぶりの高水準にあった長期金利を抑える狙いがある。ただし上限40億ドルは32兆ドルを超える米国債市場の規模に対しては限定的で、量的緩和(QE)とは性質が異なる。

発表を受けて30年債利回りは5.26%から5.18〜5.20%へ低下し、ドル指数は0.75%安の98.90を付けた。ビットコインは日中安値の64,100ドル近辺から急伸し、62,000ドルから65,000ドルで続いていたレンジを上放れた。1BTC=69,000ドルは2021年の暗号資産バブルの最高値であり、2024年下旬にかけてのトランプ相場の起点としても意識されているラインだ。

主要アルトコインでは、時価総額2位のイーサリアム(ETH)が一時2333ドルと前日比21.7%高、XRPは12.9%高、ソラナ(SOL)は11.7%高と買い戻しが先行している。

長期金利の低下がリスク資産の買いにつながるのは、投資家が負う機会費用が下がるためだ。国債の利回りが5%を超える局面では、値動きの荒い資産を持たずとも一定の収益が見込める。

利回りが下がればその優位が薄れ、資金は株式や仮想通貨へ向かいやすくなる。ビットコインは配当や利息を生まないぶん、比較対象が無リスク利回りに限られ、金利水準の変化が相対的な魅力度に直結しやすい。

米国債買い戻しの拡大から長期金利の低下を経てリスク資産へ資金が流入する経路

ただし、金利の低下が景気の悪化を映すものであれば、必ずしも同じ経路は働かない。

テクニカル分析

ビットコインの日足チャートでは、2025年11月以来、約10カ月ぶりに200日移動平均線(200SMA)を上回った。

ビットコイン日足チャート 200日移動平均線と50日移動平均線 2026年8月20日

関連:ビットコイン急騰、米国の金利介入が大規模ショート清算を誘発|仮想NISHI

もっとも、50日移動平均線は6万4100ドル前後と200日線を大きく下回ったままで、2本の線が下向きに交差したデッドクロス状態は解消していない。200日線自体も低下基調が続いており、今回の上抜けが一時的な水準回復にとどまるのか、トレンドの転換につながるのかは、今後の値動きを確認する必要がありそうだ。

上昇の質にも留保が残る。CoinGlassのデータによると、デリバティブ市場では、過去24時間で11万人を超えるトレーダーが清算され、ロスカット(強制清算)額は約14億5000万ドルに達した。

デリバティブ市場清算データ

このうちショートポジションが約14億ドルを占め、上昇の大半は売り持ちの踏み上げによるものだった。大手暗号資産交換業者のBitfinexは取引所のステーブルコイン流動性が5月以降で140億ドル減少している点を挙げており、現物の買い需要が主導した動きとは言い難い。

トランプ発言の影響

19日にはホワイトハウスで、トランプ大統領が仮想通貨企業や金融市場の関係者を集めた会合を開いた。コインベース、リップル、ロビンフッド、クラーケン、ナスダック、インターコンチネンタル取引所などの経営陣に加え、米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長と米商品先物取引委員会(CFTC)のマイク・セリグ委員長が出席し、法整備や資本形成、トークン化が議題となった。

政府が相当規模の仮想通貨を取得する可能性を問われたトランプ氏は「話題には上っている」と答え、アトキンス委員長らの判断に委ねる考えを示した。購入計画や時期には触れていない。トランプ政権は2025年3月の大統領令で、司法手続きを経て没収した仮想通貨を原資とする戦略的ビットコイン準備金を設立して以降、追加取得は予算中立の枠内にとどめる方針を示してきた。

トランプ氏は前政権の規制姿勢を批判したうえで、仮想通貨業界への戦争は完全に終わったと述べた。仮想通貨は「ドルへの圧力を大きく和らげてきた」とも語ったが、その経済的な仕組みは説明していない。

会合では無期限先物を巡る規制方針も話題に上り、トランプ氏は米商品先物取引委員会(CFTC)のセリグ委員長がハイパーリキッドを完全に法令に準拠した形で米国に導入すべく取り組んでいると聞いている、と述べた。同取引所は無期限先物を扱う分散型取引所で、利用規約上は米国居住者の利用を制限している。発言を受けてHYPEは一時19%高の69.60ドル前後まで上昇したが、トランプ氏は米国版の具体像や必要な認可には触れておらず、CFTCが同取引所を承認したわけではない。

関連:ハイパーリキッド(HYPE)とは?仕組み・高騰の理由・リスクを解説【2026年】

FOMC議事要旨はタカ派

日本時間20日午前3時には、7月28〜29日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表された。参加者の大半が政策金利の据え置きを支持した一方、数名が利上げを選好していたことが明らかになった。多くの参加者が、インフレが低下しない場合はより高い金利が必要になる可能性が高いと述べている。

一部の参加者は、直ちに引き上げればその後の追加利上げの必要性を減らせる可能性があるとも主張した。FRB(米連邦準備制度)はインフレ見通しを6月からほぼ据え置いた一方、景気見通しはやや弱いと評価している。

もっとも、市場が織り込む9月の利上げ確率は数週間前の60%から34%へ低下している。短期金利には引き締め方向の警戒が残る一方、長期金利は財務省の措置で低下するという捻れた構図が、当面の相場の前提となる。26日発表の7月の個人消費支出(PCE)物価指数と、9月に控える国債の大量供給、デジタル資産市場明確化法(CLARITY法)を巡る9月15日の上院採決が次の焦点だろう。

20日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比406円37銭高の6万5732円79銭で寄り付いた。18日と19日の2営業日で計約3900円下落した反動に加え、19日の米国市場でダウ工業株30種平均が4営業日ぶりに反発したことが追い風となった。ビットコインと日経平均はいずれも長期金利を共通のドライバーとしており、金利の方向が変われば両者が同時に振れやすい。

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