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ストラテジー、ビットコイン保有価値の新指標公表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • ストラテジーが新指標「純準備高」導入
  • 純ビットコイン保有価値は1株95ドルに

評価指標を刷新

最大手ビットコイントレジャリー企業ストラテジーは23日、自社のビットコイン保有価値を評価するための新たな指標体系を公式サイトで公開した。負債や優先株式による請求権を差し引いた上で、普通株主に実質的に帰属する価値を示す「Net Reserve(純準備高)」などの新指標を導入したと、投資家向けサイトに掲載された約30分の動画で説明した。

新指標の中核となる純準備高は約366億ドルで、同社が保有する843,775BTCのビットコイン(評価額約556億ドル)と現金32億ドルの合計から、優先株式155億ドルと権利行使価格を下回る転換社債68億ドルを合わせた222億ドルのシニア請求権を差し引いて算出する。

この残余価値を新たに算定した完全希薄化後株式数で割った「Net BTC per Share(1株あたり純ビットコイン)」は、2020年末の13ドル(4万4,000サトシ相当)から95ドル(14万3,000サトシ相当)まで伸び、年平均成長率は43%に達したという。同期間のビットコイン自体の成長率16%を上回る水準だ。

Net Reserve

出典:ストラテジー

指標見直しの背景には、同社の資金調達手段が転換社債中心から優先株式による「デジタルクレジット」中心へ移行してきたことがある。投資家対応責任者のチャイタニヤ・ジェイン氏は動画内で、事業構造の変化にあわせて指標も「進化させる必要があった」と述べ、投資家からの透明性向上の要望も踏まえたと説明した。マイケル・セイラー会長も自身のXで、「ビットコイン資本市場には新たな金融言語が必要だ」と投稿した。

株価とビットコイン保有価値の比較指標「mNAV」も、株価を「Net BTC per Share」で割る方式に変更された。加算閾値(株価がこの水準を上回れば1株あたり価値が増える基準)は従来通り1.0倍に固定されている。また、資本構成がビットコインへの株主エクスポージャーをどれだけ増幅させているかを示す「Amplification(増幅率)」は、ビットコイン保有総額をNet Reserveで割った資本乗数として再定義され、現在は約1.5倍だという。

信用力を測る新指標も追加

同社は負債の持続可能性を測る信用指標も新設した。実質的な資金調達コストを示す「BTC Hurdle Rate(ハードルレート)」は約10.8%、損益分岐点となる「break-even rate」は約3.2%とした。負債の加重平均残存期間にわたってビットコインが年率換算でどこまで下落しても信用力を維持できるかを示す「BTC Floor Rate(フロアレート)」は約マイナス11%とした。

bitcoin market metrics v

出典:ストラテジー

新方式のmNAVは24日時点で1.02倍となった。従来方式(ビットコイン保有総額を単純な株式数で割る方式)では株価が割安に見えていたが、約220億ドルのシニア請求権を控除した新方式では、ほぼ適正水準(1.0倍近辺)に近づく形となる。

同社は今月30日に2Q決算の発表を控えている。

ビットコイン売却枠新設の経緯

指標刷新の背景には、6月下旬の方針転換がある。同社はこの時、「機動的な資本活用」の枠組みを承認し、現金準備の積み増しや優先株配当の支払い、自社株買いの原資として、最大12.5億ドル相当のビットコイン売却を初めて容認した。

セイラー氏が長年掲げてきた「ビットコインを売却しない」方針からの転換となったが、承認後の実際の資金調達では、ビットコインではなく普通株式の追加発行によって現金を確保しており、843,775BTCの保有量は維持されたままだ。

関連記事:JPモルガン分析、「ビットコインの最大リスクはストラテジー売却ではない」

JPモルガンのアナリストは、ストラテジーのビットコイン売却は主要リスクではないと分析し、伝統金融による許可型ブロックチェーンへの移行がパブリックチェーンに「構造的下落」圧力をもたらしうると警告した。

ビットコイン急落への耐性に言及

ストラテジーのフォン・レCEOは15日、ブルームバーグTVのインタビューで、ビットコイン価格が8,000〜1万ドルの水準まで下落しない限り、財務上の問題はないとの見解を示した。同氏は「そこに達した場合、初めて債務に伴うリスクを検討することになる」とした上で、「それまでは貸借対照表に対して非常に安心している」と述べた。

レ氏は、会社の目標があくまでビットコイン自体のパフォーマンスを上回り続けることにあるとし、「ストラテジー株の時価総額がビットコイン保有額を上回っている限り、株主は私たちのビットコイン超過運用力を評価してくれていることを意味する」と語った。

また、同氏は30億ドルの現金準備金の構築について、優先株式STRCの回復を後押しする重要な手段だと位置付けた。STRCは年率13%の配当と引き換えにビットコイン買い増しの原資を供給する仕組みだが、額面100ドルを4月に割り込み、6月下旬には一時75ドルを下回った。

解説記事:ビットコインを保有する上場企業ランキング|世界・日本TOP10を徹底比較【2026年6月版】

世界・日本のビットコイン保有上場企業をランキング形式で比較。ストラテジーを筆頭に、メタプラネットなど国内外の最新保有量・財務戦略・投資リスクを解説。

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