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ビットコイン底堅さも上値重く、FOMCとイラン情勢が焦点|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は、底堅い展開を繰り広げ、13日正午時点で、1140万円周辺で推移している。

週初は、G7が緊急石油備蓄の協調放出を検討するとの報道によって、エネルギー価格の上昇圧力は一時的に緩和。米国債利回りの低下もあり、BTCは一時1100万円まで上昇した。

また、トランプ米大統領が、戦争は「もうじき終わる」と発言したほか、米国がロシア産石油の制裁緩和を検討しているとの報道もあり、週央にかけては1130万円台に乗せた。

その後は、イランがホルムズ海峡で機雷敷設の準備を進めているとの報道もあったが、IEAが石油の協調放出で合意したことで、BTCの下値は支えられた。ただ、12日未明にイランが原油1バレル=200ドルを覚悟するよう警告すると、相場の上値は圧迫された。

尤も、12日の米国市場は、米株安、ドル高、米金利上昇、原油高といった地政学的なリスク回避の地合いとなるも、BTCは底堅く推移。13日東京時間には1150万円を試す展開となっている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbankより作成

12日、米国市場が明らかなリスク回避姿勢となったにも関わらず、BTCが上昇した点はやや異例であり、違和感が残る。

この日はビットコインや暗号資産(仮想通貨)独自の材料は見当たらなかった。気がかりな材料としては、米軍がイラン紛争開始から6日間で約113億ドルと多額の戦費を費やしたとの報道だ。

これが米連邦政府の財政問題を改めて想起させた可能性もあるが、債券市場ではイールドカーブがフラット化しているうえ、金相場はドル高に押されて下落していた。言い換えれば、伝統的金融市場では典型的な財政懸念への反応が確認されなかったということだ。

ただ、紛争が長期化すれば、自ずと戦費もかさんでいくことは間違いない。「長期化」の基準を市場がどう捉えているかは不透明だが、既に懸念されている米連邦政府の財政悪化リスクが一段と意識され始めれば、無国籍アセットへの資金流入は加速する可能性がある。

こうした市場の意識のシフトが起きるまでは、やはりイラン紛争の戦禍拡大、原油価格の高騰、米金利の上昇などが、基本的にはBTC相場の上値を圧迫する要因になる可能性が高いと見ており、引き続き中東情勢を巡るリスクには警戒したい。

ただし、米国債利回りのイールドカーブの傾きも、市場の財政懸念のゲージとして、そろそろ注目しておくべきだろう(長期ゾーンの上昇が顕著な場合は財政懸念のサインとなり得る)。

他方、来週17日から18日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)も重要なイベントとなる。

イラン紛争が本格化する前の段階では、今回会合で大きな政策変更は見込まれていなかった。しかし、原油価格が上昇しているうえ、紛争の終結が見通しにくい状況を踏まえると、当局者がインフレリスクに対してより警戒姿勢を強める可能性には留意したい。

経済見通し(SEP)では、年内の利下げ回数見通しが従来よりもタカ派方向に修正される可能性もあり、結果次第では市場の利下げ期待が後退する可能性もある。

総じて、短期的にはイラン紛争を巡るヘッドラインリスクに引き続き注意が必要な状況と言えよう。一方で、米国の財政問題が市場の焦点となればBTCの支援材料となる可能性もある。

また、チャート面では前週高値の更新に成功すれば、テクニカル的な買いを誘発し得る局面にある点には注目したい。ただし、地政学リスクが高止まりするなかでは、過度な楽観には慎重であるべきだろう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

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