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ビットコイン急落、ストラテジー社のBTC売却で市場心理が悪化|仮想NISHI 仮想通貨アナリストが相場分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。

クリプト市場マーケットレポート(6/2日 AM10時執筆)

寄稿者:仮想NISHI仮想NISHI
クリプトアナリスト。BTC Status Alert制作協力者、DECOCHARTの企画・監修者。著書に『暗号資産の裏・投資戦略』。日本の業界に必要な投資関連情報の配信に携わっている。

ビットコイン(BTC)は6月1日から2日にかけて下落し、一時50万円を超える急落となった。

出典:Coinpost Terminal

背景として、市場では世界最大級のビットコイントレジャリー企業であるストラテジー社の動向が注目された。同社は優先株の配当原資確保を目的として32BTCを売却したことが明らかとなった。マイケル・セイラー会長は過去数年にわたり、講演やインタビューなどで「ビットコインを売却しない」との方針を繰り返し表明してきた経緯があり、今回の売却は市場参加者に一定の衝撃を与えた。

解説記事:ストラテジーはなぜビットコインを売却したのか、セイラー氏が事前に示した論理

32BTCのビットコイン売却開示を受け、投資家の間ではストラテジーが今後さらに売却を拡大するのではないかという懸念が広がっている。セイラー会長が売却前から示していた論理から、その真意を読み解く。

加えて、米国ではクラリティー法案を巡る不透明感も意識されている。JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOが法案に対して否定的な見解を示したことなどから、法案成立に対する市場の期待はやや後退している状況である。

さらに、史上最大規模のIPOになるとの観測があるSpaceX(スペースX)の上場が近づいていることも、市場心理に影響を与えている。大型IPOへの資金シフトが意識されるなか、暗号資産市場へ向かう投資マネーが限定されやすい環境となっている。

6月1〜2日相場状況

成行注文市場をみると、ストラテジー社の売却報道前後から現物市場、デリバティブ市場の双方で売りが優勢となった(下画像青枠)。数時間にわたり断続的な売り注文が観測されており、市場全体がリスク回避姿勢を強めていたことがうかがえる。

デリバティブ市場

また、今回の急落によって7万5,000ドル近辺から現在値周辺にかけて板の薄い「真空地帯」が形成されている。このような状況では、新たな材料が発生した際に価格変動が増幅されやすく、短期間で大きな値動きが発生する可能性がある。加えて、6万8,000ドル近辺まで価格が下落した場合、大規模なロングポジションの清算が発生する可能性もあり、引き続き警戒が必要な局面である。

真空地帯

投資家心理を示すCrypto Fear & Greed Indexをみると、5月には一時「Neutral(中立)」水準まで改善していたものの、足元では再び「Extreme Fear(極度の恐怖)」水準まで低下している。投資家のリスク許容度は急速に低下しており、市場全体の投資意欲も後退している状況である。

Crypto Fear & Greed Index

現状分析(6月2日 AM10時)

今回のストラテジー社による売却は、市場にとって象徴的な意味合いを持つ出来事である。2022年の売却時には、その後比較的短期間で買い戻しが行われたが、今回は現時点でそのような動きは確認されていない。

同社は長年にわたり「ビットコインを売却しない」という姿勢を掲げてきたため、今回の売却が他の暗号資産トレジャリー企業にも影響を与える可能性が意識されている。特に、トレジャリー戦略を採用する企業は株価下落や含み損拡大によって財務基盤が悪化した場合、資金調達環境が急速に厳しくなるリスクを抱えている。

そのため、市場では今回の売却が単独の事例に留まらず、他のトレジャリー企業による保有資産売却へ波及する可能性を警戒している。トレジャリー企業の資金繰り悪化や財務戦略の見直しが連鎖的に発生した場合、「売りが売りを呼ぶ」展開につながる可能性も否定できない。

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