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ビットコイン一時反発も失速、ストラテジー買い増しも現物市場は慎重姿勢|仮想NISHI 仮想通貨アナリストが相場分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。

クリプト市場マーケットレポート(6/9日 AM10時執筆)

寄稿者:仮想NISHI仮想NISHI
クリプトアナリスト。BTC Status Alert制作協力者、DECOCHARTの企画・監修者。著書に『暗号資産の裏・投資戦略』。日本の業界に必要な投資関連情報の配信に携わっている。

ビットコイン(BTC)は6月8日夜、一時反発した。下落要因の一つとして意識されていたストラテジー社がビットコインの買い増しを発表したことが材料視され、短期的な買い戻しが入ったためである。

ビットコイン価格

出典:Coinpost Terminal

しかし、その後の上昇は限定的となった。背景には、12日に予定されているスペースXの大型IPOへの期待に加え、オープンAI社もIPO計画を公表したことで、投資マネーの一部が株式市場へ向かっていることが挙げられる。また、米国では今週発表される消費者物価指数(CPI)を控え、市場参加者が積極的なポジション構築を手控えている状況にある。

さらに、イスラエルによるイラン攻撃が見送られたことで中東情勢を巡る地政学リスクが後退し、安全資産需要の低下もビットコインの上値を抑える要因となった。

関連記事:コインベース幹部「機関投資家はビットコイン6.5万ドルの安値を歓迎」

コインベースの機関投資家戦略責任者がCNBCで、ファミリーオフィスや政府系ファンドがビットコインの下落局面を積み増し機会と捉えていると述べた。

6月8〜9日相場状況

デリバティブ市場の成行注文動向を見ると、ストラテジー社の購入発表前後に現物主導で上昇した結果、ショートカバーが発生し、価格は一時的に上昇した。しかし、その後は現物市場の買いが続かず反落しており、上昇局面における実需の弱さがうかがえる。

ショートカバー

また、オーダーブック(板情報)を見ると、直近の上下の値動きによって現値付近の板が薄くなっている。売買注文が不足している状態であり、比較的小規模な注文でも価格が大きく変動しやすい環境となっている。このため、短期的には高いボラティリティを伴う相場展開が続く可能性が高い。

オーダーブック(板情報)

オプション市場では、PCR(プット・コールレシオ)が全体として上昇基調を維持している。市場参加者の間では下落リスクへの警戒感が依然として根強いことを示唆している。

オプション市場

現状分析(6月9日 AM10時)

ストラテジー社による買い増し発表にもかかわらず、市場の反応は限定的であった。ビットコイン市場は依然として積極的な現物買いが入りにくい状況にあり、当面は上値の重い展開が続く可能性が高い。

特に、6日に発表された米雇用統計が市場予想を上回る強い内容となったことで、米金融政策を巡る不透明感が高まっている。今週の米CPIは金融市場全体に影響を与える重要イベントであり、結果次第ではリスク資産全般の方向性が左右される可能性がある。

加えて、スペースXやオープンAIといった大型IPO案件への期待が高まるなか、投資資金の一部が暗号資産市場から株式市場へ流出しているとの見方も強い。市場参加者が積極的な現物買いに動かない状況が続いており、短期的には神経質な値動きが継続するとみられる。

  • 6/10 米消費者物価指数(CPI) 5月
  • 6/11 欧州中央銀行(ECB)政策決定会合
  • 6/12 スペースX社・IPO予想日
  • 6/中 米上院本会議・クラリティー法案審議(詳細日程未定)
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