- 実現すれば4回目の先送り
- 背景の一つは若者の資産形成機会の尊重
仮想通貨課税の先送りを検討中
韓国の大統領府は、2027年1月に予定されていた暗号資産(仮想通貨)所得に対する課税を先送りする方向で検討していることが分かった。地元メディアが25日に報じた。
なお、課税開始時期の延期が確定したわけではなく、大統領府は「検討中の事案」だとしている。与党と政府の協議が行われ、もし決定すれば4回目の延期になる見込みだ。
課税は当初は2022年に始まる予定だったが、すでに3度延期されてきた。株式投資などの利益にかかる金融投資所得税が廃止された一方で仮想通貨へ課税されるのは公平でないなどの意見があった。
関連記事:韓国、仮想通貨の課税基準を11月にも告示へ 約30万円超に22%
韓国国税庁のイム・グァンヒョン庁長は13日の国政監査で、仮想通貨の課税基準を定める告示を11月ごろに出す準備を進めていると明らかにした。2027年1月の課税開始を控え、ステーキングの扱いや2028年5月からの申告・検証、猶予論をまとめた。
現行の所得税法では、対象となるのは仮想通貨を譲渡または貸与して得た所得である。年間所得から基本控除額250万ウォン(約30万円)を差し引いた金額に対し、所得税と地方税を合わせて22%の税率が適用される。
一方、与党内では現在、仮想通貨への課税を2029年から実施する改正案が提出されており、最大野党である「国民の力」も、課税延期を党の方針として決定している。
大統領府の関係者は、若者の資産形成の機会を尊重するなどの観点から、課税を先送りする方向で進めると述べた。
韓国の金融情報分析院らが今年上半期に実施した実態調査によると、仮想通貨口座の利用者について20代以下と30代が占める割合が44.1%に上っていた。与党内からは、20~30代の李在明大統領に対する支持率が低い状況下で予定通り課税を行うのは政治的に負担が大きいという声が上がっている。
なお、この調査では40~50代の口座数の割合は47.1%と、20~30代を上回っていた。1億ウォン以上10億ウォン未満(約1,200万円以上約1.2億円未満)の高額を保有する口座の所有者も50代が最多だった。京郷新聞によると、このことから主要な投資家層は40~50代になっているとの反論も存在する。
米国がCARF未参加であることも理由の一つ
大統領府は、米国が2029年から経済協力開発機構(OECD)が策定した「仮想通貨自動情報交換枠組み(CARF)」に参加する予定であることも、課税猶予を検討する背景として挙げている。
CARFは仮想通貨を利用した国際的な脱税・租税回避を防ぐことを目的とする枠組みだ。各国の取引業者が非居住者の取引情報を自国の税務当局に報告し、その情報を居住地国の税務当局と交換する仕組みである。
大統領府の関係者は次のように説明した。
仮想通貨市場のほぼ半分は米国が占めている。米国から課税に関する情報が得られないことが最大のハードルだ。予定通りに課税を開始すれば、当局が米国の取引所に関する情報を一つひとつ追跡しなければならないという問題が生じる。
もし税務当局が、米国の取引所を利用する韓国人投資家の情報を十分に把握できなければ、韓国内の取引所を利用する投資家にのみ課税負担が集中してしまう恐れがあることを考慮した形だ。
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