WebX創設者インタビュー
2023年7月25日〜26日にかけて、東京国際フォーラムでアジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX 2023」が開催され、来場者数16,500人、スピーカー数290人、協賛・協力企業372社(団体含む)と、想定を大きく上回る反響を集めることができました。
来年8月には、ザ・プリンス パークタワー東京で「WebX 2024」が開催される予定です。
今回、WebX創設者の青木誠氏にインタビューを実施しました。
青木誠氏は2017年より仮想通貨関連事業に携わり、2022年に正式にCoinPostに参画。現在は、WebXのFounderとしてカンファレンス事業を牽引しつつ、CoinPostの取締役CSO(Chief Strategy Officer)を務めています。
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−WebX開催のきっかけは
私たちの中で、国内でも大規模カンファレンス需要があるのではという思いは、頭の中にずっとありました。
というのも、2022年9月半ば頃ですかね、毎年開催されるアジア最大級の「TOKEN2049 Singapore」の規模をに目の当たりにして、オフラインで交流を持つことの重要性を肌で感じ、その熱量を持ち帰って帰国後にWebXの企画書を作りました。
米国のConsensus、シンガポールのTOKEN 2049など世界各国で大型Web3カンファレンスが開催される中、日本では海外と同規模のカンファレンスは開催されてきませんでした。
ボーダーレスと言われるWeb3業界ですが、グローバルマーケットとの溝は存在すると感じており、日本が官民一体となってWeb3推進を行っている今だからこそ、日本とグローバルが出会う場が必要と感じ、WebX構想を開始しました。
CoinPostの企業理念の一つとして、一次情報のほとんどが英語で発信されるWeb3業界において、日本ユーザーに正確な情報をスピーディーに届けるというものがあります。
グローバルとの情報格差を補うために日々ニュース発信を行うCoinPost同様、WebXも日本の事業者とグローバル事業者の溝を埋めることを目標にしたカンファレンスです。
−CoinPostが携わる強みは
2017年に創業し、“クリプトウィンター”と呼ばれる2018〜2019年の氷河期を乗り越えた日本の国内最大手のクリプトメディア自らがweb3カンファレンス運営に携わるという点は、メディアとして培ってきた「信頼と実績」が活きていたと感じます。
また、移り変わりの早い暗号資産関連ニュースのトレンド最先端を常に追い求め、発信し続けてきたCoinPostならではのスピーカー選定やセッションテーマの提案は企業や来場者にもウケが良かった。
地域的な側面では、2022年以降、大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTX破綻など米国を中心にネガティブな影響が大きかった一方、規制のサイクルで一歩先を行っていた「アジア」全体のプレゼンスは高まっていたという実感がありました。
日本では、政府のweb3政策推進や税制の一部改正など注目されやすい外的要因が整っていたからです。
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−WebX2023の手応えは
日本が世界に取り残されないようにするために、まず最初にグローバルリーチをどうするかを考え、海外の有力スポンサーの誘致に注力しました。
海外web3企業の日本に対する熱量が高く、注目が集まっていたという感覚はあったのですが、その一方、日本の企業は興味は持っていただけても、スポンサーとしての資金捻出は容易ではないという実情もありました。
私たちが、どんなに国内暗号資産(仮想通貨)メディアの中ではサイトPVやコミュニティの信頼力があったとしても、国内大手企業からすれば数あるスタートアップの一つに過ぎません。
しかし今回、それでも多くの来場者やスポンサーに恵まれ、イベント運営としての実績を作ることができました。当初想定していた以上に引き合いは多かったし、このような地合いの悪い中でも“Web3”に対する関心の高さを示すことができたのは、業界全体の実績としても、みなさまのおかげで成功して良かったと胸を撫で下ろしています。
世間一般の認識としては、金融庁とはじめとする各省庁は「Web3に対してネガティブなイメージを持っている」と思われがちなのですが、どの省庁もWeb3業界の健全な発展に注力しつつ、イノベーションもしっかり見ています。
政府からのバックアップであったり、規制面の安定性という意味でも今の日本市場は他の先進国と比較しても十分な競争力があり、それを証明できたという点でもWebXの運営を通じて大きな手応えを感じました。
−課題点は
業界全体として盛り上げる巻き込み力です。
今回のWebXには10,000人を超える方が参加してくださり、海外からも約3000人の来場者がいらっしゃいました。海外には日本のWeb3の熱量を十分に伝えることができ、国内の方には多くのネットワーキング機会をご提供できた自負があります。
ですが、国内外からさらに多くの方々にWebXにご参加いただき、より多くの出会いを作るためには、他のイベントやハッカソンなどとの連携を図ることが非常に重要と感じました。
WebXの2日間だけではなく、開催期間までに多くの事業者と連携しながら枠組みを拡大し、さらに多くの方々にとって有意義なイベントを作り上げていきたいという意気込みです。
−来年以降の展望は
2024年もグローバルなカンファレンスと、海外からの企業のスポンサー誘致は、引き続き目指していきたいですね。それこそが日本市場の発展にとってもプラスになると感じております。
そして、海外の企業に日本の魅力をさらに伝えるため、政府関係者や省庁、東京・大阪などの行政とも連携を図りつつ、“発信する価値のある場所”の定着を目指したい。
2年目も楽しみにしていて下さい。
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