はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

日本最大級のweb3国際カンファレンス「WebX」レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

WebXレポート

2023年7月25日〜26日にかけて東京国際フォーラムで開催された、日本最大級のweb3国際カンファレンス「WebX」の模様をお届けします。

WebXとは、国内最大の暗号資産(仮想通貨)メディアCoinPostが企画・運営し、国内外の主要プレイヤー、スタートアップ、企業、投資 家、政府関係者、メディア、一般来場者が一堂に会するアジア最大級のグローバルカンファレンスのこと。

おかげさまで想定を上回る反響を呼び、来場者数は2日間で約16,500人、登壇したスピーカー数290人、協賛・協力企業372社(団体含む)となりました。

政府関係者らが登壇

新しい産業の育成・発展のため、Web3政策を推し進める政府関係者にも多数ご来場いただき、経済産業大臣や文部科学大臣などを歴任してきた萩生田政務調査会⻑のご挨拶での幕開けとなりました。

自民党の政務調査会長を務める萩生田光一氏は、他の先進国にも決して引けを取らない“日本の優位性”を主張しつつ、「規制環境の整備された日本は、Web3ビジネスを推進する機会に恵まれている」とアピール。

経済産業省主導のプロジェクト「始動 Next Innovator」は、過去5年間で1000人規模の起業家や学生を米国のシリコンバレーに派遣し、今年度から開始する新たな派遣プログラム「J-StarX」では、派遣地域を米国、フランス、シンガポールなどに拡大する予定であり、国境を越えたネットワーク構築の重要性を強調しました。

その後、WebXにビデオメッセージを寄せた岸田総理は、自身の掲げる『新しい資本主義』に触れつつ、Web3については「新たな社会変革につながる可能性を秘めている」と高く評価。「日本のweb3業界から多種多様なプロジェクトが生まれることを期待している」と、新興産業の発展に期待を寄せました。

関連:WebX開幕 岸田文雄 内閣総理大臣がビデオ登壇|WebXカンファレンス

日本は、バブル崩壊後の1990年代初頭から2023年現在にかけて、経済低迷や国際競争力の低下が指摘されて久しい。

上場企業の株式時価総額の世界ランキングTOP100では、『GAFAM』と称されるGoogle、Amazon、Meta(旧Facebook)、Apple、Microsoftなどの米IT企業が上位を独占する中、日本企業は過去30年間で激減しました。

国際通貨基金(IMF)の統計データによれば、日本のGDP(国内総生産)における1990年以降の伸び率は、米国や中国と比較して大きく出遅れている現状があります。

このような現状を打破すべく、岸田政権は「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとした“新しい資本主義”を掲げています。

そうした中、平将明議員を座長とする自民党の「web3プロジェクトチーム」による提言を受け、同年6月にはWeb3の環境整備を盛り込んだ成長戦略を閣議決定しました。

岸田総理は、2022年5月に英国金融街シティの講演で日本への投資を呼びかける中で「ブロックチェーンやNFT、メタバースなどWeb3の推進のための環境整備も含め、新たなサービスが生まれやすい社会を日本で実現する」と主張しており、金融庁や経産省を含む関係省庁がWeb30事業の環境整備に向けて本腰を入れ始めています。

関連:なぜ日本政府は「Web3政策」を推進し始めたのか?重要ポイントと関連ニュースまとめ

2日目のDay2では、来賓挨拶に訪れた西村経済産業大臣がWebXのステージに登壇。少子高齢化社会にある中、Web3や生成AI(人工知能)などの革新技術で克服することが重要だと述べました。

さらに、「世界中の起業家や技術者が日本に結集したくなるような魅力的な環境整備に取り組んでいる」と主張。「人類の課題を乗り越えるには新しいアイデアによる”イノベーション、イノベーション、イノベーション”が必要だ」と技術革新の重要性を繰り返して力を込め、日本からのチャレンジを呼びかけました。

関連:西村経済産業大臣、AIとWeb3相乗効果による社会変革の可能性を強調|WebXカンファレンス

また、自治体のトップとして東京都の小池百合子都知事や大阪府の吉村洋文知事に基調講演も行われ、来場者の関心を集めました。

吉村府知事は、セキュリティトークン(デジタル証券)およびセキュリティ・トークン・オファリング(STO)構想を掲げる「大阪デジタルエクスチェンジ」の推進を進めており、2025年に開催される日本国際博覧会(大阪万博)などを見据え、Web3スタートアップ企業の招致を強調しました。

関連:SBI主導の新PTS市場、大阪デジタルエクスチェンジとは|デジタル証券との関係を解説

小池百合子都知事は閉会の挨拶で、「アジア最大級のWeb3カンファレンスが、東京で開催されたことには大きな意義がある。東京都は世界をリードする国際金融都市とすべく金融のデジタル化を進め、世界に通用するイノベーションの創出に取り組んでいる。」と言及。

「東京都とも連携を図りながら、さらなるイノベーションを一緒に生み出して参りましょう」とWebX参加者に呼びかけました。

注目セッション

WebXの注目セッションステージは、いずれも高い熱量に包まれました。

中でも、国内大手暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するbitFlyerの加納CEOと、2ちゃんねる創業者のひろゆき氏の特別対談は話題性もあり、立ち見が多数出た結果、入場制限がかかるほどの盛況ぶりとなりました。

関連:ひろゆき×加納裕三 特別対談レポート『ビットコイン・Web3は世の中に必要か』|WebXカンファレンス

YugaラボCEOと経産省Web3.0政策推進室の課長補佐の対談も大きな注目を集めた。

関連:「Web3で日本IPを海外へ」YugaラボCEOと経産省板垣氏が対談|WebXカンファレンス 

メイン会場となったホールBのほか、企業出展のブースのあるホールEにも大勢の利用者が訪れました。

ホールDでは、特別展示のメタバースプロジェクト「遊戯苑」のデジタルアートモニュメントの造形美が来場者の人気を博したほか、国内外の人気NFTプロジェクトや日本企業ブランド・IPとのコラボプロジェクトが同時展示されました。

新作ゲーム発表会も

25日には、ソシャゲ開発大手コロプラの100%子会社でブロックチェーンゲームを手掛ける株式会社Brilliantcryptoが、同名の新作Web3ゲーム『Brilliantcrypto』をWebXの舞台で発表しました。

コロプラ創業者であり、Brilliantcryptoの最高経営責任者である馬場 功淳氏が自ら登壇して熱弁をふるいました。

Brilliantcryptoは、2023年7月20日に国内大手暗号資産交換業者コインチェックとIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)に向けた契約を締結したばかりとあって、報道陣も多数詰めかけました。

『Brilliantcrypto』は、ゲーム内マーケットで“ツルハシ”を購入して鉱山のなかを掘り進めることで、独自トークンと交換可能なアイテムやNFT(非代替性トークン)の宝石(原石)を採掘することができるというものです。

最大の特徴は、ビットコインのコンセンサスアルゴリズムである「Proof of Work(PoW)」をゲームに置き換えた「Proof of Gaming(PoG)」を導入しており、世界中の人々がゲームをプレイすることでマイニングが行われ、デジタル世界における宝石の価値を証明するという画期的な仕組み。

関連:デジタル世界の宝石をマイニング、WebXでコロプラ子会社「Brilliantcrypto」がゲーム発表

閉幕へ

初めての大規模カンファレンスの運営で至らぬ点も多々あったかと思いますが、スポンサーの方々やスピーカーの方々、そしてサポーターのみなさまのおかげで無事イベントを終えることが出来ました。

たくさんの来場、心より感謝しております。

また来年、WebXでお会いしましょう。

See you next year at WebX again!!

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/02 火曜日
18:36
AIがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見 防御活用にも期待=レポート
Anthropicの研究で、AIエージェントがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見。2025年3月以降の34件で460万ドル相当の攻撃に成功し、新たに2件のゼロデイ脆弱性も発見。攻撃収益は1.3カ月ごとに倍増しており、防御活用が急務に。
17:42
FRBが3年半にわたる量的引き締め(QT)終了、仮想通貨市場に流動性改善の可能性
米FRBが12月1日、3年半にわたる量的引き締め(QT)を終了した。約2.4兆ドル規模の資産縮小後、仮想通貨市場への流動性改善が期待される。2019年QT終了時はビットコインが短期下落後に上昇した経緯があるが、専門家は政策効果の遅延やインフレ動向など不確実性に慎重な見方も示している。
16:04
走行映像でGARコインを還元 ドラレコアプリ「セトラス」が地方創生DXモデルを始動
セトラスが市民のドラレコ映像を行政業務に活用し、専用暗号通貨「GARコイン」で報酬を還元する地方創生モデルを発表。実証実験に参加する自治体を3枠限定で募集している。
13:55
コインベースへの情報開示請求が過去最多の1.2万件、欧米で協力要請急増 実態判明
コインベースが2025年透明性レポートを公開し、60カ国以上から12,716件の情報開示請求を受領し、前年比19%増加となったと報告した。米国の件数がトップだが、米国外からの請求は53%を占め前年比2%増加した。
13:15
米FDIC、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」運用規則案を12月下旬に公表予定
米FDIC代行議長がステーブルコイン規制「ジーニアス法」の運用規則案を今月に公表する予定だと表明。トークン化預金や仮想通貨業界のデバンキング問題についても対処を説明した。
12:29
カルシ、ソラナ上で予測市場トークン化を開始 仮想通貨の流動性取り込みへ
米予測市場カルシがソラナ上で予測市場契約のトークン化を開始。オンチェーン取引により匿名性が向上し、開発者のサードパーティ構築も可能に。評価額110億ドル、約3500市場を運営する同社は仮想通貨ユーザーの流動性獲得を目指す。
11:00
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏、利益相反報道を否定
米トランプ政権のAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏がNYタイムズの利益相反報道を否定した。名誉毀損専門の法律事務所に対応を依頼し、倫理規定遵守を主張している。
10:40
ゴールドマンがイノベーター買収、ビットコイン連動ETFも取得で仮想通貨事業拡大
ゴールドマン・サックスがETF大手イノベーターを20億ドルで買収すると発表した。買収にはビットコイン連動ファンドQBFも含まれ、ゴールドマンの仮想通貨関連商品ラインアップが拡大。
10:14
リップル、シンガポールでライセンス範囲拡大 XRPとRLUSDによる決済事業を強化
リップルがシンガポール金融管理局から主要決済機関ライセンスの拡大承認を取得。XRPとRLUSDを活用した決済サービスを強化。アジア太平洋地域のオンチェーン活動は前年比70%増で、同地域での事業拡大を加速。
10:02
ビットコイン100万円幅急落、yETH流出事故で大規模清算|仮想NISHI
ビットコインは軟調な推移が続いている。1日には一時8万5,000ドルを割り込み、日本円ベースでも24時間比で100万円超の下落となった。背景には、イーサリアムが「フサカ・アップデート」を目前に控えロングポジションが積み上がる一方、Yearn FinanceでyETHの流出事故が発生し、ロングポジションの清算が連鎖したことがある。
09:20
リミックスポイント、12億円規模のWeb3関連事業投資を中止へ
リミックスポイントは、事前に予定していた12億円規模のWeb3関連事業投資の中止を決定。仮想通貨ビットコイン購入以外の調達資金使途を変更した。
08:40
ハッキング被害から3.7億円相当回収、ヤーン・ファイナンス
ヤーン・ファイナンスがyETH関連のハッキングで盗まれた資産のうち約240万ドル相当を回収した。回収作業は継続中で被害者への返還を予定している。
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧