
暗号資産(仮想通貨)投資を始めるとき、最初につまずきがちなのが「販売所」と「取引所」の違いです。どちらもビットコインなどの暗号資産を売買できる場所ですが、仕組みや使い勝手は大きく異なります。
本記事では、2025年1月時点の情報を交えながら、販売所と取引所のメリット・デメリットを分かりやすく解説します。初心者が口座開設を検討する際に役立つポイントをまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
すぐに始めるなら?利用者が多く、信頼のおすすめ取引所3選
まずは口座開設をしておきたい、という方に向けて、初心者にも人気の仮想通貨取引所を3社ご紹介します。
この記事の後半で各社の特徴や使い方をくわしく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
1.「販売所」と「取引所」の違い

日本国内で仮想通貨の売買ができるサービスは、金融庁登録を受けた「暗号資産交換業者」が提供しています(2025年1月時点)。
暗号資産交換業者として主要な「SBI VCトレード」や「bitbank」、「コインチェック」などは、販売所と取引所、両方の形態を提供しています。
仮想通貨を扱う販売所と取引所、それらの違いを解説していきます。
1 取引相手の違い
まず、販売所と取引所とでは取引相手が異なります。
販売所:個人と仮想通貨の交換業者が取引を行う
スーパーやドラッグストアなどの店頭販売をイメージすると分かりやすいでしょう。
取引所:個人同士で取引を行う
フリマサイトのように、「買いたい人」と「売りたい人」が希望の値段を提示し、仲介(取引所)がマッチングする方式です。
2-2 注文方法の違い
販売所:
多くの場合は「○○を○個欲しい!」という成行注文の形態で、表示レートで即座に売買が成立します。ただし、一部の販売所では価格指定(指値注文)に対応しているところもあるため、事前にサービス内容を確認するとよいでしょう。
取引所:
「○○円で買いたい」「○○円で売りたい」とユーザーが希望金額を設定します。その金額が合致すれば取引が成立します。さらに、成行注文や逆指値注文など、多様な注文方法を使える場合も多いです。
3.「販売所」のメリット・デメリット

買値と売値が一目でわかりやすい販売所のイメージ
販売所では仮想通貨の交換業者と直接取引を行うため、基本的には「○○を○個買いたい!」というニーズに対応し、成行注文のかたちで売買が成立します。ただし、一部のサービスでは価格指定注文に対応している場合もあります。
ここでは、販売所を利用するうえでのメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
注文方法が簡単 | スプレッドが広い |
約定(売買成立)が早い | 注文方法が限定的な場合がある |
通貨銘柄が比較的豊富 | 現物取引のみ |
3-1 販売所のメリット
まず、販売所は注文方法が簡単な点が大きな魅力です。成行注文で「○○を○個買いたい!」といった操作をするだけで、表示されたレートで即座に購入が可能です。価格と数量が目まぐるしく変動する注文板もなく、直感的な操作で完結します。
また、交換業者が常に仮想通貨を用意しているため、欲しいときにすぐ買え、売りたいときにすぐ売れるのもメリットです。
さらに、販売所は通貨銘柄を豊富に扱っていることが多いです。国内取引所でも種類が増えていますが、販売所でしか扱っていない銘柄も存在します。投資したい銘柄が販売所のほうで容易に見つかる場合もあるでしょう。
積立機能にも対応していることが多く長期投資との相性が良い点も見逃せません。短期売買ではスプレッドや手数料を繰り返し負担するためコスト負担が大きくなりがちですが、長期投資を前提とした「買ってそのまま保管する」スタイルであれば、コストを気にせず利用しやすいでしょう。
3-2 販売所のデメリット
販売所のデメリットとして、スプレッド(買値と売値の差)が変動することが挙げられます。これは交換業者がカバーコスト(相場変動リスク対策)やシステム保全費、人件費などをまかなうため、売買レートに上乗せされている構造です。特にボラティリティ(価格変動幅)が高い時期には、基本的に取引所(板取引)に比べて割高になる傾向があります。
また、注文方法が限定的な点にも注意が必要です。多くの販売所では成行注文をベースにしており、「この価格なら買いたい」といった指値注文ができない(もしくは対応銘柄が限られる)ことがあります。より細かな売買戦略を立てたい人にとっては物足りないかもしれません。
また、販売所は現物取引が基本です。レバレッジ取引(証拠金取引)を行いたい場合は取引所を利用するか、レバレッジ対応の別サービスを検討する必要があります。
短期売買など、頻繁に売買を繰り返すスタイルではスプレッドが積み重なってコストが大きくなるため、販売所は長期的な保有を中心に検討するほうが向いている場合が多いでしょう。
4.仮想通貨「取引所」のメリット・デメリット

取引所はユーザー同士が板(オーダーブック)を通じて売買を行うスタイルです。成行注文や指値注文など多様な注文方法に対応しているところが多く、細かな価格設定をしながら取引できる点が魅力といえます。
個人の投資スタイルや目的によって感じ方は変わりますが、ここでは一般的に挙げられるメリット・デメリットを整理します。
メリット | デメリット |
---|---|
手数料が安い・スプレッドが狭い | 約定まで時間がかかる場合がある |
レバレッジ取引が可能(対応サービスのみ) | 取り扱い銘柄が少ない傾向 |
成行・指値注文など、多様な注文方法を活用できる |
4-1 取引所のメリット
1. スプレッドが狭く、手数料が安い場合が多い
取引所(板取引)の最大の利点は、スプレッド(買値と売値の差)が販売所に比べて狭い傾向にある点です。なかには手数料無料を打ち出している取引所もあります。ただし、流動性の高低やキャンペーンの有無などによって実際の手数料は変動するため、必ずしも「取引所=最安」というわけではありません。
2. レバレッジ取引
証拠金取引に対応している取引所では、レバレッジをかけたトレードが可能です。担保として証拠金を預けることで手元資金以上の取引を行え、短期的に大きなリターン(あるいはリスク)を狙うことができます。ただし、国内ではレバレッジ上限が2倍と規制されているケースが多いため、必ず最新情報を確認してください。
3. 多様な注文方法が選べる
取引所では、成行注文だけでなく指値注文、さらには逆指値や条件付き注文を扱うことも可能です。自分の希望価格で売買を行ったり、損切りラインを自動で設定するなど、より細かな戦略を取れるのが大きな魅力でしょう。中・上級者ほどこの機能を重視する傾向にあります。
関連記事:ビットバンクの信用取引を徹底解説、先物との違い・始め方・リスク対策
4-2 取引所のデメリット
1. 約定まで時間がかかる場合がある
取引所では、買い手と売り手の希望価格がマッチしなければ取引は成立しません。流動性が低い銘柄や取引量が少ない時間帯では、注文がなかなか約定(やくじょう)しない可能性があります。相場が急変した場合は、思うような価格で売買できないリスクも考慮する必要があります。
2. 取り扱い銘柄が少ない傾向
販売所では多くの銘柄を扱っている場合でも、取引所の板取引では主要銘柄のみに限られていることがあります。「販売所では買えたけど取引所では取り扱いがない」といったケースも珍しくありません。マイナー通貨を取引したい場合は、あらかじめ取り扱い状況を確認しましょう。
3. 操作がやや複雑と感じる人も
板(オーダーブック)の仕組みや指値・逆指値など、多くの要素を理解しながら取引をする必要があり、初心者にとっては最初やや戸惑うかもしれません。慣れれば使いこなせますが、「シンプルに買いたい」「長期投資前提」という人は、まずは販売所での売買から始めるほうが安心です。
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5.初心者におすすめの仮想通貨「販売所」と「取引所」

販売所と取引所には、それぞれメリット・デメリットがあり、使い分けが重要です。初心者はまず、積立や長期保有が中心であれば販売所の手軽さを活用し、慣れてきたら短期売買や指値注文を試したいときに取引所を検討するとスムーズでしょう。
ここでは、初心者にもおすすめしやすい4つのサービスを紹介します。いずれも販売所と取引所の機能を提供しているため、必要に応じて使い分けられる点が特徴です。
コインチェック

コインチェックはアプリダウンロード数国内No.1を誇る知名度の高い取引所で、積立投資や、手軽にビットコインを買える販売所サービス、IEOやNFT事業など多角的なサービスを展開している点が特徴です。
実際のユーザーからは「初めてでも使いやすい」「アプリ画面がシンプル」「積立機能が便利」「初心者でも大きな不満がない」といった声が多く寄せられています。長期投資がメインであれば、手数料(スプレッド)もそこまで気にならないという利用者の意見もあり、まずは最初の一歩を踏み出すのに向いているでしょう。
関連:仮想通貨取引所コインチェックとは|投資家向け3つのおすすめポイント
SBI VCトレード

SBI VC トレードは、東証プライム上場企業SBIホールディングスの子会社が運営する仮想通貨取引所です。信頼性が高く、積立投資や貸コインサービスなど、初心者でも取り組みやすい仕組みが充実しています。
また、SOLやETHなどは保有しているだけで自動的にステーキングが行われるサービスにも対応しているため、煩雑な手続きや管理をすることなくリワードを獲得できる点も魅力です。さらに、出庫手数料が無料となっており、総合的に見ても使いやすさに定評があります。
関連:ステーキングや積み立てサービスに優位性、仮想通貨取引所「SBI VCトレード」のメリットを解説
bitbank(ビットバンク)

bitbankは、国内でも早くから「板取引(取引所機能)」に注力していた取引所の一つです。豊富な銘柄数を取り扱っており、販売所で提供している通貨の多くを取引所形式でも購入できるのが特徴です。
また、「販売所のスプレッドが比較的狭い(※相場状況や銘柄による)」との声もあり、短期売買を中心に考える人にとっては注目しやすいでしょう。ただし、スプレッドは時期や流動性によって変動しやすいため、必ずしも他社より大幅に安いとは限らない点に留意してください。
アプリの使い勝手も好評で、スマホロック画面から仮想通貨の価格を確認できるなど、スマートフォンでの取引をメインにするユーザーにも利便性が高いと言われています。
関連:どこよりも充実した板取引、仮想通貨取引所bitbankの特徴とおすすめポイントを紹介
OKCoinJapan(OKJ)

OKCoinJapan(以下、OKJ)は、世界最大級の仮想通貨取引所グループを運営するOK Groupの日本法人が提供する取引所です。2020年8月に国内向けサービスを開始して以来、ビットコインやイーサリアムなどのスプレッドが低めに設定されており、短期売買を考えるユーザーに注目されています。
また、取り扱い通貨ペア数は国内トップクラスで、成行・指値だけでなく複数の条件付き注文にも対応。資産は100%コールドウォレットで保管するなど高いセキュリティを実現している点も魅力です。入出金のスピードにも定評があり、ストレスなくトレードできる環境が整っています。
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