ビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)の価格の高騰を受け、実際に取引を始める人も増えてきています。
しかし、仮想通貨の買い方を調べてみると、「販売所」と「取引所」という二つの言葉が出てきて、よくわからないと感じる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、販売所と取引所の違いやメリット・デメリットなどを紹介しながら分かりやすく解説します。
初心者におすすめの販売所・取引所も紹介しているので、本記事を読んで仮想通貨取引を始めてみてください。
- 目次
1.仮想通貨「販売所」と「取引所」の運営元
仮想通貨を取引する場所として、「販売所」と「取引所(板取引)」があります。原則、仮想通貨の販売所と取引所の運営元が大きく異なることはありません。
通常販売所を運営している会社は、取引所も運営しています。しかし、数は少ないながらも、国内では販売所のみの業者もあります。
運営元が大きく変わらない理由は、金融商品取引法という法律が関係しています。
この法律は一言で伝えると、仮想通貨などの投資性のある金融商品を取り扱うには、内閣総理大臣への申請・登録が必要という法律です。
資本金や事業者としての適性などの審査項目があるため、誰でもできるものではありません。
2021年12月7日現在、暗号資産交換業者として登録されている会社は30社です。この中には、有名な「コインチェック」や「bitFlyer」も入っています。
さらに、仮想通貨のレバレッジ取引や先物取引を提供するには、金融庁登録を受けて「第一種金融商品取引業者」にならなければなりません。
最近は資金決済法・金融商品取引法の改正によってさらに厳しくなっているため、運営元は限られてくるでしょう。
2.仮想通貨「販売所」と「取引所」の主な違い
仮想通貨を扱う販売所と取引所の運営元は大きく変わりませんが、この二つには違うところがあります。以下で両者の違いを解説していきます。
2-1 取引相手の違い
まず、販売所と取引所とでは取引相手が異なります。
販売所では個人と仮想通貨の交換業者で、取引を行います。
「コインチェック」や「bitFlyer」などの業者から、交換業者が決めた価格で売買する方式です。
販売所の方式は、スーパーやドラッグストアなどの店頭販売をイメージしてもらうと分かりやすいでしょうか。
それに対して取引所では、個人同士で取引を行います。
取引所に登録している個人間で、仮想通貨を買いたい人と売りたい人が希望の値段を提示し、取引所が仲介となって売買する方式です。
取引所は、フリマサイトを想像してもらうと分かりやすいかもしれません。
2-2 注文方法の違い
販売所と取引所は注文方法も違います。
販売所では仮想通貨の交換業者と取引をするため、「○○を○個欲しい!」と言ったらすぐに購入が可能です。
しかし、買う金額は指定できません。このように、金額は指定せずに購入宣言をした時点で設定されている売り金額で買う注文方法を「成行(なりゆき)注文」と言います。
一方、取引所では買う側が「○○円で買いたい」、売る側が「○○円で売りたい」という金額を設定しています。
その希望が合えば取引が成立する仕組みです。このように金額を指定して買う方法を「指値(さしね)注文」と言います。
販売所は成行注文のみですが、取引所は成行注文や指値注文も可能です。
3.仮想通貨「販売所」のメリット・デメリット
販売所では仮想通貨の交換業者との取引が行われ、注文方法は成行注文です。そんな販売所にはメリットとデメリットが存在します。
初心者にとっては操作が簡単なためメリットが大きいですが、ある程度取引をして慣れてきた人にはデメリットからくる損の方が大きいでしょう。以下でメリット・デメリットについて解説します。
メリット | デメリット |
---|---|
注文方法が簡単 | スプレッドが広い |
約定までが早い | 成行注文のみ |
通貨銘柄が多い | 現物取引のみ |
3-1 販売所のメリット
まず、販売所は注文方法が簡単です。成行注文で「○○を○個買いたい!」と注文すれば、交換業者が指定した金額で買うことができます。
「同じ銘柄がいくつもある…どれを選べばいいんだ…」と悩む必要がありません。
また、交換業者との取引になるので、約定(やくじょう)までがスピーディーです。
約定とは、株式などの売買が成立することを言います。基本的に交換業者は売ってくれるので、買いたいと思ったときにすぐ買うことができます。
販売所の方が通貨銘柄が多い傾向にあります。そのため、買いたい銘柄が無いことはほとんどありません。
3-2 販売所のデメリット
販売所のデメリットとしては、スプレッドが広いことが挙げられます。スプレッドは買い値と売り値の差額のことです。
交換業者は仮想通貨を安く買って、それより高い値段で売ることによって差額で利益を出しています。多くの場合、このスプレッドが取引所(板取引)より広く設定されています。
注文方法は成行注文のみなので、自分で価格を指定して売買を行うことはできません。成行注文の方が簡単なので初心者には向いていますが、指値注文をしたい人には向いていません。
また、現物取引のみなので、手元に資金がないと大きいお金を動かせないというデメリットもあります。現物取引とは持っている資金の範囲内で取引をすることを指し、手持ちが1万円ならば最大1万円分の取引しかできません。ちなみに、手持ちの資金以上の取引をする方法も存在しますが、販売所ではできません。
4.仮想通貨「取引所」のメリット・デメリット
取引所は個人間のやり取りで、成行注文や指値注文も可能です。
そんな取引所にもメリット・デメリットは存在します。取引所は比較的中級者以上へのメリットが大きいでしょう。
以下のメリット・デメリットを解説します。
メリット | デメリット |
---|---|
手数料が安い・スプレッドが狭い | 約定まで時間がかかる |
レバレッジ取引 | 通貨銘柄が少ない |
成行・指値注文が可能 |
4-1 取引所のメリット
取引所(板取引)のメリットはスプレッドが狭いことです。手数料が無料という取引所もあります。
多少操作は複雑ですが、販売所と比べると大抵は取引所の方がスプレッド・手数料は安いので、中級者以上の人は取引所を好みます。
また、証拠金取引に対応している場合、レバレッジ取引ができるのもよい点です。レバレッジ取引では、担保として証拠金を預け入れることで、その何倍もの額を取引することができます。
手持ちの資金が少なくても、大きい額を動かせるのが魅力です。
販売所では成行注文しかできませんでしたが、取引所では成行注文・指値注文の両方ができます。
慣れてきて、より自分好みに取引をしたいという人は指値注文をするので、中級者以上の人は指値注文ができる取引所にメリットを感じやすいようです。
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4-2 取引所のデメリット
取引所にもデメリットはあり、約定まで時間がかかることがあることが一つです。
売る人がいないと取引は成立しないため、希望する金額で売っていなければ、金額を見直すか売ってくれる人が出るまで待つ必要があります。
流動性の低い取引所では時間がかかることも覚悟しましょう。
また、通貨銘柄も販売所と比べると少ない傾向にあります。
販売所では買えたけど、取引所では買えなかったということも日常茶飯事です。
そのため、取引のスムーズさでは販売所の方に分があります。
5.初心者におすすめの仮想通貨「販売所」と「取引所」
販売所と取引所には、どちらもメリット・デメリットがあります。
では、「結局どこを使えばいいの?」と思うでしょう。そこで初心者におすすめの販売所と取引所として、以下の3つを紹介します。
5-1 コインチェック
コインチェックは国内でも有数の仮想通貨交換業者で、アプリのダウンロード数は国内No.1です。販売所での通貨銘柄も17種類と最多で、使いやすいとの声も多数。
「ビットコインといえば、コインチェック」のCMでもおなじみのコインチェックは、初心者におすすめです。
関連:仮想通貨取引所コインチェックとは|投資家向け3つのおすすめポイント
5-2 bitFlyer
bitFlyerはビットコインの取引高が国内No.1の交換業者です。※「bitFlyer Lightning」という玄人向けのサービスもあり、初心者から玄人まで利用しています。
※ Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2021 年の年間出来高(差金決済/先物取引を含む)
ビットコインFXのサービスも再開されました。
関連記事:bitFlyer、ビットコイン「FX/Futures」の新規受付を再開
5-3 bitbank
bitbankは販売所のスプレッドが業界随一の安さと言われています。また、取引所の取り扱い銘柄数も業界随一であり、販売所で取り扱っている銘柄すべてを取引所でも取り扱っていることで知られています。
アプリも使いやすく、スマホのロック画面から仮想通貨の価格を確認することもできます。
関連記事:どこよりも充実した板取引、仮想通貨取引所bitbankの特徴とおすすめポイントを紹介
6.まとめ:仮想通貨の「販売所」と「取引所」の違いは取引相手と注文方法
仮想通貨を取り扱う場所は、「販売所」と「取引所」の二つです。主な違いは取引相手と注文方法で、それぞれメリット・デメリットが存在します。
大きく分けると、初心者には販売所、中級者以上には取引所がおすすめです。
まだまだ盛り上がっている仮想通貨業界。今後もさらに市場は伸びてくると予想されます。
本記事で紹介した販売所・取引所で仮想通貨取引をはじめてみてはいかがでしょうか。
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