
XRPとリップル社の関係は?
暗号資産(仮想通貨)リップル(XRP)は、2017年以降、時価総額トップ10の地位を維持し続ける主要銘柄です。特に2021年には3.84ドル(当時約440円)の史上最高値を記録し、その後も安定した需要を背景に注目を集めています。そして2024年から2025年にかけて、規制環境の変化や政治的な影響を受けて再び市場の中心に浮上しました。

XRP/JPY週足(ビットバンク)
特に注目すべきは、2024年11月にトランプ次期大統領の当選に伴い、SEC委員長の退任が確定したことを受けた市場の反応です。このニュースを背景に、XRPは1.34ドル(207円)台まで上昇。2025年1月上旬には史上最高値を7年ぶりに更新し、510円を記録しました。
さらに、規制環境の改善や再上場、流動性の向上といった追い風が吹き、投資家の間で現物ETF(上場投資信託)の上場承認期待も高まっています。このような市場動向は、リップル(XRP)のポテンシャルを再評価する動きの一環と言えるでしょう。
本記事では、こうした重要な転換点を迎えるリップル(XRP)について、初心者が知るべき基本情報から購入方法、注目点までを詳しく解説していきます。

- 国際送金市場での強固な地位
リップル社の技術「RippleNet」は、既存の銀行や金融機関と連携し、送金の効率化とコスト削減を実現。 - トランプ氏の「アメリカファースト」政策との関連
トランプ次期大統領がXRPを含む米国発仮想通貨を戦略的準備金に採用する可能性が報じられ、注目が集まる。 - SEC規制問題が解決に向かう期待
SECとの裁判が進展し、不透明感の払拭が市場心理を改善。
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リップル(XRP)の概要と注目点
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リップル(XRP)の買い方・購入方法
暗号資産(仮想通貨)XRPの概要と注目点
ここでは、暗号資産(仮想通貨)XRPの概要と注目点について解説していきます。暗号資産(仮想通貨)XRPとは?
暗号資産XRPは、グローバルコミュニティが主導する分散型のパブリックブロックチェーン「XRP Ledger(XRPL)」上で使用できるネイティブトークンです。
XRPの特徴としては次のようなものがあります。
- 高速な取引承認: XRPは3〜5秒ごとにファイナリティをもって決済を行うことができ、ビットコインのようなプルーフ・オブ・ワーク(PoW)方式と比較して承認作業が短いため、送金時間が短くなります
- 低いコスト::XRPの1件当たりの手数料は0.0002ドルと公称されており、他の仮想通貨と比較して非常に安価です
- スケーラビリティ:XRPは1秒につき1,500件のトランザクションを決済できるスケーラビリティを有する構造を持っています
XRP Ledgerはブロックチェーン技術を基にしていますが、ビットコイン(BTC)に代表される、ネットワーク維持や取引承認で報酬が得られるマイニングの仕組みは存在しません。
そのため、XRP Ledgerは大きな電力消費・エネルギー消費を伴わずに稼働することができ、長期的な成長と安定につながっています。
アメリカファースト政策とXRP
2024年11月、トランプ次期大統領が「アメリカファースト」戦略の一環として、米国発の仮想通貨を戦略的準備金として採用する可能性がNew York Postにより報じられ、話題を呼びました。この政策には、XRPやソラナ(SOL)、USDCといった米国発の銘柄が含まれるとされています。
特に、トランプ氏がリップル社のガーリングハウスCEOを含む業界リーダーと会談した背景が注目されています。この会談では、国際送金やブロックチェーン技術の活用を通じて米国経済を強化する方策が議論されたと見られています。
実現性に疑問は残りますが、こうした政策はXRPを含む米国発仮想通貨の市場価値を押し上げる要因となり得ます。また、XRPが「アメリカファースト」政策の主要な柱として採用される可能性が示唆される中、投資家の期待感がさらに高まっています。
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ETFへの期待
投資家にとってより安全で容易に購入する手段として、株式などが売買される証券取引所の金融商品として新たに登場したのが仮想通貨ETF(上場投資信託)となります。
ETFが承認されれば株式と同様の市場で売買されるため、機関投資家を含めた参加者機会が多く、より多くの資金流入があり、売買が活発になることが予想されます。
2024年12月現在、ビットコインやイーサリアムが仮想通貨現物ETFとして米SEC(証券取引委員会)から承認を受けています。XRPもETFの申請が行われており審査中の状況にあるため、承認に向けた期待感は高まっています。
関連:トランプ次期政権下でリップル(XRP)の現物ETF承認の可能性は?価格への影響を分析
SEC規制方針の転換期
SECの規制姿勢の変化が、暗号資産XRPの投資価値に大きな転換点をもたらす可能性が高まっています。
トランプ次期大統領が示唆していた通り、暗号資産(仮想通貨)否定派で、業界への法的措置を繰り返してきたゲンスラー委員長の退任が確定し、これによりXRPを含む暗号資産市場全体が大きく動く可能性があります。
新体制移行の具体的なシナリオ
2024年11月22日時点、次期SEC委員長の候補として、複数の有力者が浮上しています:
- ダン・ギャラガー氏(ロビンフッド法務責任者、元SEC委員)
– 当初は就任に消極的な姿勢
– 現在は状況が流動的との見方 - ボブ・スティビンス氏(クレイトン前委員長下での法律顧問)
– クレイトン氏からの推薦の可能性
– トランプ政権の方針に沿った運営が予想される
リップル社訴訟への影響
2020年にクレイトン前委員長の退任直前に開始されたリップル社への訴訟は、新体制への移行によって大きな転換点を迎える可能性があります:
- 訴訟終結または取り下げへの期待
- 未登録証券提供に関する判断基準の見直し
- 和解交渉の進展可能性
ゲンスラー体制からの転換点
項目 | 現行の規制姿勢 | 予想される新体制での変化 |
---|---|---|
規制 | 暗号資産の証券認定による厳格な規制 | より柔軟な規制アプローチへの移行 |
産業政策 | 大手企業への積極的な法的措置 | 産業育成と規制のバランス重視 |
重点項目 | イノベーションよりも投資家保護を重視 | グローバル競争力の維持・強化への注力 |
これらの変化は、XRPの価格形成に影響を与える可能性があり、実際に委員長交代の観測だけでも市場は敏感に反応しています。しかし、新体制による具体的な政策変更までには一定の時間を要する可能性があることにも留意が必要です。
暗号資産(仮想通貨)XRPの価格動向
XRPは過去数年間にわたって大きな価格変動を経験してきました。2018年初頭に約3.0ドル(当時:574円)の過去最高値(ATH)を記録した後、同年から2020年にかけては3.0ドルから0.30ドル(30円)まで90%以上も下落。その後は0.30〜0.50ドルのレンジ内で横ばいが続きましたが、2021年には約1.64ドル(200円)まで回復しています。
しかし、2021年から2023年にかけては0.40〜0.80ドルで推移し、2024年末から2025年にかけて急騰が始まり、0.60ドルから2.5ドル(375円)近くまで約4倍強の爆発的な上昇を見せました。

XRP/USD週足(Binance)出典:TradingView
2025年3月3日時点のXRP価格は約2.8919ドル(約430円)で、週足:SMA(34)は1.4334ドル(215円)付近に位置しています。現在の価格は移動平均線を約100%上回っていることから、強い上昇トレンドの継続を示唆しています。
テクニカル面では、2.40〜2.50ドル(376円)が直近の重要サポート帯となっており、2.0ドル(300円)が心理的な節目として意識されます。一方、3.0ドル(450円)付近が心理的な抵抗線、3.30〜3.50ドル(527円)が2025年2月高値や2018年の過去最高値付近に由来する上値の抵抗帯です。
XRPの現在の上昇トレンドは2024年12月頃から続いており、SMA(34)上向きに推移しているうえ、2025年に入ってからボラティリティが増している点も、市場活性化の兆候といえます。トランプ政権による「戦略的暗号準備金」の発表がXRPにとって大きな追い風となったほか、2024年末に完結したSECとリップル社の訴訟も機関投資家の参入を促す材料となりました。
主要なエックスアールピー取引所の特徴・手数料早見表
おすすめ 取引所 |
おすすめポイント | アプリの特徴 | 現物取引 | レバレッジ取引 | 投資サービス | 取引所手数料 | 最低取引単位 | 入金手数料 | 出金手数料 | 出庫手数料 | 備考 |
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1 ![]() SBI VCトレード
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SBIグループの100%子会社 最高水準のセキュリティ |
シンプルモードなど 充実したツール |
販売所 取引所 |
〇 | 積立 レンディング |
Maker:-0.01% Taker:0.05% | 販売所:1 XRP 取引所:1 XRP | 無料 | 無料 | 無料 | ‐ |
2 ![]() bitbank
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全暗号資産(仮想通貨)取引所中 取引量 国内No.1 * |
アプリストア 国内No.1 * | 販売所 取引所 |
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3 ![]() ビットトレード
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XRP取引所の手数料無料 2円から取引可 |
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取引所 販売所 *XRP/BTCあり |
BTCのみ | 積立・貸して増やす | 無料 |
取引所:2円 販売所:20 XRP |
クイック入金:無料 振込/ペイジー/コンビニ入金: 振込手数料お客様負担 |
330円(税込) | 0.1 XRP | ‐ |
暗号資産(仮想通貨)XRPの買い方・購入方法
日本円で暗号資産XRPを購入するには、日本国内の暗号資産取引所の口座を開設する必要があります。
ここでは、SBI VCトレードを例にXRPの購入方法を紹介します。
暗号資産(仮想通貨)XRPを取り扱う取引所

- エイダ(ADA)
- アルゴランド(ALGO)
- エイプコイン(APE)
- アプトス(APT)
- コスモス(ATOM)
- アバランチ(AVAX)
- アクシーインフィニティー(AXS)
- バット(BAT)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ビットコイン(BTC)
- チリーズ(CHZ)
- ダイ(DAI)
- ドージコイン(DOGE)
- ポルカドット(DOT)
- エンジンコイン(ENJ)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- イーサリアム(ETH)
- FCR(FCR)
- フレア(FLR)
- ヘデラハッシュ(HBAR)
- リンク(LINK)
- ライトコイン(LTC)
- ポリゴン(MATIC)
- メイカー(MKR)
- モナコイン(MONA)
- ニアー(NEAR)
- ニッポンアイドルトークン(NIDT)
- オアシス(OAS)
- オミセゴー(OMG)
- サンド(SAND)
- シバコイン(SHIB)
- ソラナ(SOL)
- トロン(TRX)
- エックスディーシー(XDC)
- ステラ(XLM)
- リップル(XRP)
- テゾス(XTZ)
- ジパング(ZPG)
こんな人におすすめ
運営企業への信頼を重視し、投資を始めて徐々にその範囲を広げたい方、ストレスフリーでXRPを購入し、レンディングや積立などの便利なサービスを活用したい方に理想的です。申込は最短5分で完了し、「最短当日」には口座開設が完了します。
SBI VCトレードの口座開設方法

本人確認書類の提出方法は3種類あるため自身に合った方法を選択しましょう 出典:SBI VC トレード
SBI VCトレードでXRPを購入するには、まず口座開設を行う必要があります。 口座開設には下記のものが必要になるため、あらかじめ準備しておきましょう。
- メールアドレス
- 電話番号
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書から1点)
口座開設にあたり、まずはメールアドレスを登録します。「個人のお客様」を選択し、メールアドレスを登録、確認メールを送信しましょう。確認メールが届いたら、メール内に記載されている認証用のURLを開き、パスワードを設定します。
パスワード設定後にSMS認証か電話認証を行い、認証コードを入力したあとに、氏名や住所などの基本情報入力を行います。
基本情報入力後に、情報と合致する本人確認書類を提出します。運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書などの本人確認書類を撮影しアップロードしたあと、本人確認書類と一緒に自撮り・セルフィーを行い、本人確認手続きを行います。
本人確認手続きが終了したら、取引所による口座開設審査が行われ、審査が完了すれば口座が開設されます。
XRPを購入するための入金方法
XRPを購入するには、SBI VCの取引口座に日本円を入金する必要があります。「入出金」と記載がある部分をクリック・タップし、「日本円を入金」を選択しましょう。
入金したい金額と銀行を選択し、「金融機関サイトへ」を選択し、自分の選んだ金融機関のサイトからSBI VCトレードへ入金の操作を行い、既定の振込タイミングまで待てば入金が完了します。
XRPの買い方・購入方法
SBI VCトレードでは、「販売所」と「取引所」のふたつでXRPを購入することができます。

販売所の利用画面 出典:SBI VCトレード
「販売所」は、SBI VCトレードが決めた価格で売買が行えます。「販売所」はシンプルで簡単な操作が可能で、初心者でも安心して取引することができるでしょう。「販売所」では、XRPを選択し、購入する数量を入力した後、購入をクリック・タップすれば、XRPが購入できます。
「販売所」には、購入価格と売却価格の間にスプレッドと呼ばれる手数料的な価格差が存在するため、手数料を気にしたり、短期間で売買を繰り返したりする場合は、「取引所」の操作を覚えるとよいです。

取引所の利用画面 出典:SBI VCトレード
〈仮想通貨エックスアールピー(XRP)を購入、投資するなら、操作が簡単・貸コインも便利なSBI VCトレードがおすすめ。〉
リップル(XRP)投資の税金
仮想通貨取引で生じた利益は原則「雑所得」として取り扱われます。日本円との売買で得た利益だけではなく、仮想通貨同士を交換したときに生じた利益やレンディングなどで得た報酬も課税対象となります。
雑所得に分類される仮想通貨取引での所得は、給与所得などの他の所得と合算した金額に対して税率がかけられます。税率は、所得が多いほど高くなる「累進課税」が適用され、下表の通り5%~45%の7段階に分かれています。住民税も合わせると最大で約55%の税率が課されます。

出典:国税庁
仮想通貨の損益計算に関して、届け出を出さない限り取得価額は「総平均法」で計算することになります。「総平均法」は簡単に説明すると、年度末に購入した価格をすべて足して購入数量で割り、そこから算出された平均価格と売却価格との差額を損益にする方法になります。
「ガチホ」のようにリップルを長期間保有している場合、年度ごとに平均取得額を出しておかなければ、いざ売却して大きな利益を得たときに正しい損益額を出すことが難しくなるため、注意が必要です。
届け出を出せば、取引ごとに暗号資産の平均単価を算出する「移動平均法」での計算が認められます。総平均法・移動平均法のどちらを利用しても、最終的な損益額は同じに収束しますが、年度ごとの損益額は変わるうえ、一度使用した計算方法は原則3年間変えることができません。
暗号資産(仮想通貨)XRPの歴史
ここで、XRPのこれまでの歴史を紹介していきます。
リップルとXRP
暗号資産(仮想通貨)XRPは、XRP Ledger上で使用できるネイティブトークンのことを指します。
米国企業のRipple(リップル)社との関係が深いため、XRPとRippleが混同されることがありますが、XRPとRippleは別物です。
- 「XRP」と表記されている場合は、暗号資産・XRP LedgerのトークンであるXRPと考えてください。
- 「Ripple(リップル)」と表記されている場合には、リップル社や同社が提供する金融サービスであると考えてください。
本記事では、上記のように表記を区別しています。
XRPとXRP Legderの歴史
XRP Ledgerは2011年から開発が行われ、2012年にリリースされました。
開発はDavid Schwartz氏、Jed McCaleb氏、Arthur Britto氏という3名のエンジニアが行い、リリース直後にリップル社の共同創業者・会長となるクリス・ラーセン氏が参加。2012年9月に NewCoin 社 (すぐに OpenCoin に改名され、現在はRipple Labs.という名称) が設立され、3名のエンジニアとクリス・ラーセン氏が共同創業者となります。
XRPLの創設者らは同社に、XRP Ledgerのネイティブ通貨である800億XRPを贈与。リップル社はその後、その大部分をエスクローに預けています。
このような関係から、XRPとXRP Ledgerはリップル社のものと考えられがちですが、XRP Ledgerはオープンソース技術として独立しています。リップル社は現在、クロスボーダー決済事業における流動性管理に XRPLedgerとXRPを活用するユースケースを構築する貢献者の一人に過ぎません。
2020年にXRP Ledgerの開発や企業等への採用を促進するための組織としては、XRPL Foundation(XRPL財団)という財団が設立されています。
リップル社のプロダクト
リップル社(Ripple Labs.)は「価値のインターネットの構築(Building the Internet of Value)」を掲げている米国の企業です。
リップル社は国際決済や暗号資産への流動性供給、機関投資家向け保管プラットフォーム(カストディ)サービス、CBDC(Central Bank Digital Currency・中央銀行デジタル通貨)の発行やその支援など、多くのフィンテックサービスを提供しており、一部のサービスにXRP Ledgerを活用しています。
国際決済や国際送金にかかわるプロダクトでは、「RippleNet」と「ODL(On demand liquidity)」というサービスが展開されており、「ODL」でXRPが活用されています。
一般的に「ODL」国境を越えた国際送金などに使用されますが、資金の移動にあたりXRPを経由して取引を行っていることが特徴です。
ODLによる法定通貨Aから法定通貨Bへの送金は以下の流れで実行されます。

出典:SBI VCトレード
- 送金元の金融機関から法定通貨Aを暗号資産取引所へ送金
- 法定通貨AをXRPへ交換し、XRPを目的地の暗号資産取引所へ送金
- XRP LedgerでXRPを送受信
- 受け取ったXRPを法定通貨Bへ交換
- 法定通貨Bを資金移動業者の受取口座へ送金
ODLの製品構造上、取引のために一定量のXRPを保有する必要があるため、ODLを導入する企業や金融機関が増加すると、取引に使用されるXRPの需要が高まります。これにより、XRPの準備高や流動性が向上し、結果としてXRPの価格が上昇する可能性があるという期待が持たれています。
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リップル社によるCBDC推進やステーブルコインの発行

出典:Ripple
リップル社はフィンテック分野での存在感も大きく、提携企業ではタイの「サイアム商業銀行(SCB)」などが挙げられ、日本では、SBIとの合弁会社である「SBI Ripple Asia」が設立されています。
また、リップル社はCBDC(中央銀行デジタル通貨)向けのプラットフォームも提供しており、国や中央銀行を含めたCBDCの実証実験などもなどで多数実施しており、大手の金融機関や国などと連携できている実績があります。
リップル社が提供するCBDCのプラットフォームでは、XRPをブリッジ通貨として導入することを発表しており、XRPの利用が促進されることが期待されています。
関連:米リップル社、CBDCプラットフォームにXRPをブリッジ通貨として導入
CBDCは中央銀行や政府がかかわることが多いため、企業という形で契約できるリップル社に有用性があるといえます。他の暗号資産では、明確にビジネスを進める母体は少なく、基本的には財団や開発企業という形がとられることが多く、ビジネス的な展開は第三者が行う場合が多いです。
しかし、XRPにはXRPLedgerの活用に長けたリップル社が存在します。リップル社はXRPを公開市場で売却し、活動コストを調達しながら、積極的にビジネス展開を行うことができています。リップル社は国や金融機関と、フィンテック分野で連携した実績を積み上げています。
また、2024年6月には、リップル社が米スタンダード・カストディ社を買収し、米ドルのステーブルコイン発行を行うことを発表しており、CBDC以外にもステーブルコインでのXRPLの活用も期待できるでしょう。
関連:リップル社、スタンダード・カストディの買収完了 米ドルステーブルコイン発行へ
SECによるリップル(Ripple)社の訴訟と一部勝訴
Ripple社はXRPの取り扱いを巡り、SEC(米国証券取引委員会)から訴訟を受けています。内容は、Ripple社が未登録の証券であるXRPを投資家へ販売し、連邦証券法に違反していたというものです。
この裁判について、リップル社は「(取引所などを通じた)個人投資家への間接的な販売」について一部勝訴の結果を得ていますが、「リップル社がXRPを機関投資家へ直接販売した点」についてはSECと引き続き協議を行っています。
一部勝訴の報道が出た際には、XRPの価格は急騰を見せており、リップル社の規制はXRPへの価格に大きな影響があるといえます。
大幅減額された罰金判決、訴訟の終結は近い?
24年8月7日に公開された情報により、米国の判事がリップル社に対し、XRPを機関投資家に直接販売したことに関して、1億2500万ドルの罰金を支払うよう命じたことが明らかになりました。また、今後の証券法違反を防ぐための措置も講じられています。
SEC(米国証券取引委員会)は当初、20億ドルの罰金を求めていましたが、最終的にその額は94%削減されました。リップル社の法務責任者であるスチュアート・アルデロティ氏は、この1億2500万ドルの罰金を支払うことに同意したと述べています。
また、リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは、8月7日にX(旧Twitter)で、この結果を「リップル社と業界全体にとっての勝利」と評価しました。
A final judgment. The Court rejects the SEC’s suggestion that Ripple acted recklessly and she reminds the SEC that this case did not involve any allegations of fraud or intentional wrongdoing, and no one suffered any financial harm. She rejects the SEC’s absurd demand for $2B in… https://t.co/RbwpBnoXJG
— Stuart Alderoty (@s_alderoty) August 7, 2024
トーレス判事は、リップル社が取引所を通じて個人向けにXRPを自動販売したことについて、連邦証券法には違反しないとの見解を再確認しました。
さらに、判事はリップル社が提供する「オンデマンド流動性」サービスに言及し、リップル社の今後の販売が法律に違反する可能性があるため、差し止め命令を出す理由があると判断しました。しかし、現在のところリップル社の活動が法律を越えているとは見なしていないとしています。
この判決により、2020年12月にSECがリップル社を提訴して以来続いてきた訴訟も、ようやく終わりが見えてきたとの見方が広がっています。
SECはこの判決に不服を示し、控訴する可能性が高いとされていますが、昨年の仮抗告の申し立ては一度却下されています。
SECは当初、リップル社がXRPの販売を通じて13億ドルを調達したとして訴えましたが、昨年7月にトーレス判事が個人向け販売に関してXRPが証券には該当しないと判断しました。
また、リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOや共同創設者クリス・ラーセン氏に関連する訴訟について、SECとリップル社は既に和解に達しています。
これらの経緯を踏まえて、ラーセン氏は8日にXで「SECの無謀なキャンペーンがついに終わった。これで、この政権による仮想通貨への戦いが終わることを願おう。」とコメントしました。
SECとの裁判は引き続き行われており、裁判の内容は暗号資産業界全体に影響があるものも含んでいるため、動向が注視されています。裁判が進むにつれ、XRPやリップル社の活動の合法的な部分が明確化されるため、ETFなどにつながるという見方もあり、裁判や規制の動向はXRPの将来性や今後を予測するうえで、欠かせない要素といえるでしょう。
XRPに投資するなら
関連:米SECが提訴した「リップル裁判」まとめ(20年12月〜23年10月)
関連:米SECがリップル裁判でCEOらへの告発棄却 XRP急騰
記事の監修者
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