
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比-2.3%の1BTC=106,000ドルに。一時105,000ドルを割り込んだ。
米連邦巡回区控訴裁判所が29日、トランプ関税の大部分を違法とした前日の米国際貿易裁判所決定を一時停止する命令を出し、関税の差し止めも当面発効しないことが決定された。
この関税政策を巡る司法判断の混乱により、株式市場では日経平均株価も下落し、リスクオフの動きが仮想通貨市場にも波及した。
ビットコイン市場では、史上最高値更新後の利益確定売りと米国で開催されたビットコインカンファレンスの材料出尽くしによる調整局面を示唆しており、この下押しが一時的なものに留まるか注目される。
アルトコイン相場はビットコインの軟調な値動きに連動する形で全面安となり、イーサリアム(ETH)やXRPの下落も目立った。
米国のビットコインETF(上場投資信託)への資金流入は続いている。仮想通貨分析会社SosoValueによると、5月14日から10日連続で純流入を記録し、総額は42億6000万ドルに達した。

特にブラックロックのIBIT(iShares Bitcoin Trust)が資金流入を主導しており、5月28日だけで4888万ドルの流入があった。ETF開始以来の累計純流入額は453億4000万ドルとなり、機関投資家のビットコイン需要が堅調であることを示している。
また、CryptoQuantの分析では、ビットコインの「ブルスコア指数」が80を記録した。この指標が50を上回っている限り、歴史的に上昇トレンドが継続する傾向にある。
過去30日間でビットコインの需要は推定22万9000BTC増加した。これは2024年12月のピーク時(27万9000BTC)には及ばないものの、依然として高い水準を維持している。
調整の兆候も
一方で、買いの動きがローカルトップ水準に近づいており、勢いに陰りが見え始めている兆候もある。
クジラ(大口投資家)のビットコイン保有残高の増加ペースが過去1ヶ月で2.8%に鈍化。これは歴史的に資産蓄積の減速に先行するパターンだ。CryptoQuantは「全体的な見通しは依然として強気だが、短期的な調整や停滞なしに現在の成長率は持続できない可能性がある」と分析していた。

ビットコインの先物取引におけるロング・ショート比率チャートを分析すると、投資家心理に明確な変化が見られる。
5月25日から30日にかけての4時間足データでは、比率が1.10超の水準から0.90まで低下し、売りポジション(ショート)が買いポジション(ロング)を上回る状況となっている。
この比率の変化は、史上最高値11万2000ドル更新後の利益確定売りと、高値圏での新規ショートポジション構築を反映している。
テイカーの売買出来高が示す市場の特徴では、最近の取引では売りの出来高(赤色部分)割合が半数を超える場面が増加している。これは積極的な売り注文が市場に流入していることを示しており、上昇トレンドに対する懐疑的な見方が広がっていることを裏付けている。
高値圏での新規買いポジションにはリスクが伴う一方、押し目での買い場を狙う投資家にとっては機会となる可能性もある。
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