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スペースX、IPO目論見書を更新 即売却可能な「5%特別枠」と株式希薄化リスクを開示

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 発行済み株式の最大5%を従業員・経営陣の親族・友人向けに確保
  • 2026年Q1に19.4億ドルの営業損失

史上最大級のIPO間近

米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)は1日、今月12日に予定しているナスダック市場への新規株式公開(IPO)に向け、証券取引委員会(SEC)に修正目論見書(S-1/A)を提出した。これにより、発行済み普通株式の最大5%を、一部の従業員および経営陣の親族・友人向けに優先枠として確保する方針が明らかとなった。

同社は5月、「友人・家族枠」に割り当てられた株式について、ロックアップ(売却制限)期間の適用対象外とする方針をすでに示しており、上場直後から売却が可能となる。指定株式プログラムは、企業や経営陣の友人・家族にIPO株式へのアクセスを提供する仕組みで、スタートアップのIPOでは一般的だ。一方で、他社では指定株参加者に対して一定期間の売却制限を課すケースが大半であり、今回の制限免除は異例といえる。

一方、目論見書によると、IPO直前の発行済み株式の60%以上にあたる約78億株が長期のロックアップ対象となっている。これにはスペースX創業者兼CEOのイーロン・マスク氏の保有分も含まれており、同氏は目論見書の最終決定日から1年と1日間、売却が制限される。

ブルームバーグは関係筋の話として、スペースXはIPOで少なくとも1兆8,000億ドル(約287兆円)の企業評価を目指していると報じた。これは、2019年にサウジアラムコが記録したIPO時の過去最高評価額1兆7,000億ドル(約272兆円)を上回る水準だ。IPOによる資金調達額も大きく、750億ドルから800億ドル規模に達するとみられている。

今回のIPOでは、みずほ証券や楽天証券、SBI証券の国内3社を通じて、日本の個人投資家向けの募集が取り扱われる。

関連記事:スペースX、5月中にもIPO目論見書を公開へ ビットコイン保有が初開示か=報道

スペースXが来週にもIPO目論見書を公開する見通し。8,285BTCのビットコイン保有が初めて公式開示される見込みで、仮想通貨市場への影響も注目される。

将来の株式希薄化リスクを明記

目論見書では、火星移住から宇宙空間のAIデータセンターに至るまで、将来の事業機会に重点を置いた戦略が示されており、スペースXが中核であるロケットや衛星事業を超えて、より広範なAIおよびインフラ企業へと進化しようとする姿勢が読み取れる。

同社は、AIや宇宙インフラ分野での長期的な成長を見込み、宇宙空間で稼働する太陽光発電データセンターなどの構想を掲げている。こうした新市場の潜在規模について、目論見書では最大28兆5,000億ドルに達すると見込んでいる。

もっとも、こうした未来像の実現には巨額の投資が必要となる。目論見書では、「今後、大規模買収・投資・資金調達に伴い、大量の新株発行を行う可能性がある」とし、新株発行によって既存株主の持分が希薄化するリスクを投資家に警告している。

足元では、xAI統合後のAI事業拡大が重荷となり、2026年第1四半期にはスペースX全体として19億4,000万ドルの営業損失を計上した。

同四半期に利益を計上したのは、衛星通信サービス「スターリンク」を中心とする通信事業のみで、AI事業は売上高8億1,800万ドルに対し、24億7,000万ドルの損失を計上した。2月に実施したxAIの買収に関連する投資が、四半期の設備投資額101億ドルの76%を占めており、こうしたAI分野への積極投資が収益を圧迫した形だ。

一方で、AI開発企業アンソロピックとの大規模なAI向け演算能力供給契約も進んでいる。ブルームバーグによると、2029年5月までの契約で、アンソロピックは月額12億5,000万ドル(約1,996億円)をスペースXに支払う。ただし、当初の3カ月間を過ぎれば、いずれの当事者も90日前の通知で契約を解除できるという。

目論見書では、マスク氏が上場後も議決権の85.1%を維持する見込みであることも明らかにされ、同氏がスペースXの経営を事実上掌握し続けることが、改めて確認された。

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