
TEAMZイベントセッション
4月16日に東京で開催されたTEAMZ WEB3/AI SUMMITにおいて、日本市場にフォーカスしたXRPL Japanが正式にコミュニティローンチを発表した。
共同設立者の古川舞氏によるキーノートセッションと、セッション後の古川氏とXRPL Japan理事の増田健太郎氏へのインタビューを通じて、XRPL Japanの活動内容と今後の展望について詳細が明らかになった。
XRPLの主な特徴
XRPLは2012年に世界初のDEXを実装したブロックチェーンだ。古川氏はセッションで「XRLの特徴は早い・安い・スケーラビリティだが、他のブロックチェーンと違って本当に安い。1銭にも満たない安さと3〜4秒で決済が可能」と説明した。
また「現在のメインネットにはスマートコントラクトがないため、コントラクトリスクがなく、企業が導入する際のオーディット費用を抑えられる点が、非常に企業向けレベルの設計となっている」と強調。増田氏もインタビューで「保守的な日本の風土にマッチしている」と日本市場との親和性に言及した。
関連記事:リップル(XRP)の買い方・将来性、おすすめ取引所を初心者向けに徹底解説
日本人クリエイターの活躍
古川氏が講演で特に強調したのは、XRPL上での日本人クリエイターの活躍状況だ。「日本人NFTクリエイターが数十人以上グローバルで活躍しており、このようなトレンドがあるブロックチェーンは珍しい」と古川氏は語る。
XRPL Japanでは、この活動をさらに促進するため毎月「クリエイティブチャレンジ」という名のコンテストを開催。NFTや記事、ブログなどXRPに関する優秀作品には300XRPを贈呈する取り組みを実施している。
独占インタビュー

- XRPL Japan共同設立者 古川舞氏(写真右)
- XRPL Japan理事 増田健太郎氏(写真左)
XRPL Japan設立の背景と今後
インタビューでは、古川氏がXRPL Japanの設立経緯について説明した。「元々X(旧Twitter)のスペースやハッカソン参加などのコミュニティ活動から始め、さらに知名度を向上していくために法人設立をして本格的な活動を展開することにした」と古川氏は経緯を振り返る。
現在の活動としては、月2回のブロックチェーン勉強会的なワークショップのオンライン開催や、Xでの月1回の開発者向け情報発信、雑談スペースの開催などが行われている。今後はオフラインイベントも予定しているという。
「日本だけにとどまらず、シンガポールのAPEXイベントにも参加し、日本のコミュニティを国際的にアピールしていきたい」と古川氏は国際展開についても言及。6月10日から12日にシンガポールで開催される「APEX」イベントへの参加を通じて、アジア地域全体での活動も視野に入れているという。
SEC訴訟の意義
XRPの法的位置づけについて、古川氏は「XRPが証券としての判定を受けていないことが公式に認められたのは、業界にとって大きな意義がある」と強調する。
この裁判は結果的に好転し、証券としての判定を受けていないことが公式に認められた点で画期的な意義を持つと古川氏は分析した。
関連記事:和解に向けて最終調整へ 裁判所がSECとリップルの控訴審理を一時停止
注力分野
XRPLを活用した日本でのプロジェクト展開について、増田氏は「RWA(リアルワールドアセット)とNFTの2つの分野に注力している」と説明。
「RWAはリップル社も注力している分野、XRPLを活用したRWAの開発を拡大していく。日本企業はNFTへの需要が非常に高く、XRPLの優位性を積極的に紹介していきたい」と増田氏は語った。
さらに増田氏は「コミュニティによって開発者中心のイベントが多いこともあるが、XRPLは違う。投資家と開発者が融合した独自のエコシステムを目指している」と説明。ハッカソンなどでも投資家をオブザーバーとして招き、優れたプロジェクトへの資金支援も見据えたコミュニティ作りを目指していると語った。
国際送金以外の可能性
国際送金以外のXRPの価値提供について、古川氏は「リップル社によるHidden Roadの買収は、金融ブロックチェーン企業とブローカー企業の融合という画期的な出来事だ」と説明。「XRPL上でより多様な金融取引が可能になり、単なる送金を超えた価値提供へと発展していく」と今後の展望を語った。
Hidden Roadとは
リップル社が12億5000万ドル(約1900億円)で買収したプライム・ブローカレッジ企業。1日100億ドル以上の取引を処理し、300社超の機関投資家を顧客に持つ。FINRA認可も取得済みで、リップル社のRLUSDステーブルコインと連携しXRPL上での金融取引拡大が期待されている。
一方、増田氏は技術面に着目し「XRPLは開発のしやすさが強み。企業でプロジェクトを作る人が必ずしもブロックチェーンを深く理解していなくても、XRPLなら仕様が明確で、少人数でも開発できる」と強調した。
さらに「他のブロックチェーンだとスマートコントラクトのセキュリティリスクが懸念されるが、XRPLは安全性が高いため、企業の参入障壁を下げられる」と語り、国際送金以外の企業活用の潜在性を示した。
関連記事:リップル社買収先のHidden Road、米FINRA認可取得で固定収入資産サービス拡大へ
今後の活動方針
最後にCoinPost読者へのメッセージとして、増田氏は「圧倒的No.1のコミュニティを目指して、皆さんに貢献できるようなコミュニティとプロジェクト作りをしていきたい」と力強く語った。
古川氏もXRPLが本質的に企業向けの設計であることに触れ、その特性を活かした日本独自のエコシステム構築を目指す決意を示した。国内での正確な情報発信やコミュニティ活動の活性化を通じて、XRPLの日本における採用を促進していく方針だ。
関連:リップル(XRP)の買い方・将来性、おすすめ取引所を初心者向けに徹底解説