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リップルのステーブルコイン「RLUSD」× 機関投資家向け戦略 SBIとの協業も

企業情報

Ripple Labs

ティッカーなし
事業分野:
国際送金 CBDC ステーブルコイン
設立:2012年
拠点:サンフランシスコ
未上場 企業評価額:$10B(2023年*
XRP XRP保有量:約500億XRP(ロックアップ含む)
10年以上の規制対応実績と、55を超えるライセンス・登録の保有
多数の金融機関と連携により国際送金・中央銀行デジタル通貨(CBDC)基盤に注力
主なプロダクト:
RippleNet RLUSD
株主:
SBI HD
関連会社:
Metaco Standard Custody & Trust
* ソース:CrunchBase情報

目次

  1. RWAトークン化とRLUSDステーブルコイン
  2. RWAトークン化に向けたリップル社の主な取り組み
    カストディサービスの強化
    MMFのトークン化事例
    RWA市場を見据えたRLUSDの導入
  3. なぜRWAにステーブルコインが必要なのか
    XRPレジャーの特徴
  4. ステーブルコイン「RLUSD」とは
    RLUSDの特徴
  5. リップル社の注目情報
    米政府・規制当局との対話
    IPOの見通し
    日本SBIとの協業
  6. まとめ
  7. 関連記事

RWAトークン化とRLUSDステーブルコイン

暗号資産(仮想通貨)XRP(エックス・アール・ピー)を支援するリップル社は、実世界の資産(RWA)をブロックチェーン上でトークン化する流れに注目し、複数のサービスを展開しています。RWAは不動産や株式、債券、MMF(マネー・マーケット・ファンド)などを含む分野で、2030年までに2兆〜4兆ドル規模に拡大する可能性があると予測される成長領域です。

このRWAトークン化を支える要素として、リップル社がローンチしたステーブルコイン「Ripple USD(RLUSD)」も注目されています。

RWAトークン化に向けたリップル社の主な取り組み

リップル社は10年以上にわたり各国の規制環境下で事業を行い、55を超えるライセンス・登録を保有。グローバル規模で支払いサービスを提供できる体制を築いています。

1. カストディサービスの強化

2024年、リップル社は資産保管(カストディ)領域を大幅に拡充し、暗号資産だけでなくRWAの管理にも対応します。

  • MetacoやStandard Custody & Trust(SCTC)を買収してエンドツーエンドのソリューションを提供
  • NYDFS(ニューヨーク金融サービス局)の信託ライセンスを取得しており、厳格な規制要件を満たす

2.マネー・マーケット・ファンド(MMF)のトークン化事例

英デジタル資産取引所「Archax」と連携し、投資会社abrdnの大型ファンドをブロックチェーン上にトークン化。決済やコスト面の効率化を狙った事例として注目され、将来的には他のRWA(株式・債券など)へも応用が検討されています。

MMFとは

短期金融資産(国債、社債、CPなど)を運用対象とする投資信託で、安全性と流動性が比較的高い金融商品と位置付けられています。

3. RWA市場を見据えたRLUSDの導入

RWAトークン化を支える決済通貨として、リップル社は「Ripple USD(RLUSD)」を2024年末にリリースしました。

  • 米ドルと1:1で連動し、現金や短期国債で100%裏付け
  • NYDFS承認の下で発行され、XRPレジャーとイーサリアムの両方に対応
  • ガーリングハウスCEOは「エンタープライズグレードのステーブルコインのゴールドスタンダード」を目指すとコメント

RLUSDは、価格変動を抑えることでRWAのオンチェーン取引をより安全にし、企業や金融機関の受け皿通貨として機能することを狙っています。

なぜRWAにステーブルコインが必要なのか

RWAの売買には、USDと1:1で連動するステーブルコインがあるとリスク管理が容易になります。価格変動の大きい暗号資産では、不動産や債券などの高額取引においてリスクが増す一方、RLUSDのような安定資産であれば、安心してオンチェーン決済や証券化商品を扱えるというメリットがあります。

リップル社はRLUSDを通じて、RWAトークン化に必要な決済・流動性インフラを整備し、機関向けDeFiの基盤として育てる構想を持っています。

RLUSDは、規制対象の企業がトークン化された株式/債券を取引し、信頼性の高いステーブルコインを必要とするXRPレジャー上の機関向けDeFiエコシステムの基幹となる可能性があります。

XRPレジャーの特徴

リップル社が支援するパブリックチェーン「XRPレジャー」は、RWAの発行や取引に適した設計を備えます。

  • 高高速決済(3~5秒) / 低コスト:従来のブロックチェーンよりも迅速に決済可能で、手数料も抑えられる
  • 標準搭載の分散型取引所(DEX):2012年から運用を続け、28億件以上のトランザクションをセキュリティ侵害なく処理
  • 規制対応機能:DID(分散型識別子)やVC(検証可能な資格情報)のサポートなど、コンプライアンス上の要件を満たしやすい

RLUSDはXRPL上でも流通し、RWAと安定通貨を統合的に利用できる点が評価されています。

ステーブルコイン「RLUSD」とは

リップル社の子会社Standard Custody & Trust Company, LLC(SCTC)が2024年12月に発行開始し、ニューヨーク金融サービス局(NYDFS)の承認を得ています。ERC-20としても発行され、イーサリアム系DeFi(例:Curve Finance)との互換性を持ち、開発者や企業、機関投資家が利用しやすい設計です。

トークン基本情報
総発行量 1.35億RLUSD
時価総額 1.35億ドル
市場ランク 346位
流通チェーン XRPレジャー(XRPL)、イーサリアム
主な取引市場 Bitstamp、Uniswap v3、Bullish
公式情報 ホワイトペーパー,Github
*2025年2月18日時点 時価はコインマーケットキャップ参照

RLUSDの特徴

  • 100%米ドルペグ:現金や短期国債などを裏付け資産とし、第三者による毎月の証明を実施
  • イーサリアム上の互換性:DeFiプラットフォームとの連携が容易
  • 機関投資家を想定: 開発者や企業がアプリケーションへ簡単に統合可能。Rippleを通じた直接購入・償還も可能

今後、XRPレジャーとイーサリアム以外のブロックチェーンにも導入が拡大する可能性が指摘されています。

今後、リップル社はRLUSDをXRPレジャーやイーサリアム以外のブロックチェーンやDeFiプロトコルにも導入する可能性があるとされ、さらなる拡張が期待されています。

XRPに投資したい方に

リップル社の注目情報

1. 米政府・規制当局との対話

リップル社はSEC(米国証券取引委員会)との係争を通じ、米国政府との規制対話を重視するようになっています。2025年1月8日には、トランプ大統領とリップル社CEOのガーリングハウス氏、CLO(最高法務責任者)のアルデロティ氏が会食を行い、新政権下での規制緩和やETF承認の可能性が注目されています。

2. IPOの見通し

ガーリングハウスCEOは、SEC訴訟が落ち着いたタイミングでIPOを検討すると表明。ステーブルコイン事業からの収益(準備金の利息や取引手数料など)が拡大すれば、リップル社の企業価値上昇に繋がる可能性があります。

テザーなどを見ても、ステーブルコイン事業から大きな利益を上げられる可能性があります。RLUSDが今後拡大すれば、準備金の利息収益や取引手数料がリップル社の事業拡大を後押しするとの見方もあります。

3. 日本SBIとの協業

「SBI Ripple Asia」は2016年に設立されたジョイントベンチャーで、XRPレジャーによる国際送金や分散型金融ソリューションをアジア地域へ導入しています。

  • RippleNetの提供:リアルタイム国際送金を可能にするほか、分散型金融技術を応用して効率化を図る。
  • アジア地域への展開:40以上の通貨・70カ国以上へ対応し、金融機関や送金事業者へのサービス提供を拡充
  • 機関投資家を想定: 開発者や企業がアプリケーションへ簡単に統合可能。Rippleを通じた直接購入・償還も可能

SBIとの協業により、リップル社は日本とアジア圏でのプレゼンスを強化し、今後の市場拡大を目指しています。

まとめ

RWA(リアルワールドアセット)のトークン化とステーブルコイン事業を、XRPベースの決済と並ぶ中核サービスとして確立することで、リップル社はエンタープライズ向け暗号ソリューションのリーダーを目指しています。

カストディ領域の強化、NYDFS承認のステーブルコイン発行、SBIとの協業によるアジア展開など、多角的な戦略を展開しています。

  • RWA市場の潜在的成長:不動産や債券を含む資産のトークン化が拡大するほど、規制対応かつ安定通貨を求める声が高まる
  • ステーブルコイン(RLUSD)の役割:RWAや機関向けDeFiの決済・担保手段として活用され、リップル社の収益源になる可能性がある
  • 米国での規制とIPO:新政権やETF承認への期待が高まる中、SECとの法的問題が解決すればIPOの可能性も見えてくる

今後、リップル社がRWAおよびステーブルコイン事業をどのように成長させ、国際的な金融サービスを展開していくかが大きな注目ポイントとなっています。

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