
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比-1.46%の1BTC=117,860ドルに。
米証券取引委員会(SEC)は28日、Truth Social Bitcoin ETFとGrayscale Solana ETFの承認決定を延期したと発表した。Truth Social Bitcoin ETFの新たな期限は9月18日、Grayscale Solana ETFは10月10日に設定されている。
SECは「提案された規則変更と、その中で提起された問題を十分に検討するため、より長い期間を指定することが適切」と延期の理由を説明した。
SECは2024年1月にビットコイン現物ETFを米国で初めて承認し、これまでに12のビットコインETFが合計550億ドル以上の資金流入を記録している。しかし、新たにSECチェアに就任したポール・アトキンス氏の下では、依然として様子見基調にある。
ブルームバーグのアナリストによると、SECには現在72の仮想通貨関連ETFの申請が審査待ちとなっており、SECは2025年末までに全ての申請について決定を下す義務がある。
SECは今週、ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、XRP、カルダノを含むGrayscaleのマルチアセットETFの承認も一時停止するなど、アルトコインETFに対してより慎重な姿勢を示していた。
なお、資産運用会社CoinSharesの週次レポートによれば、先週の上場投資商品(ETP)への資金流入額は19億ドルに達し、今月の累計流入額は過去最高の112億ドルに達した。
15週連続でのプラス流入を記録し、機関投資家による関心の高まりを鮮明に示している。

過去数週間で躍進の目立つイーサリアムは15億9000万ドルの流入を記録し、先週は過去2番目に多い週となった。年初来のイーサリアムへの流入額は77億9000万ドルに達し、昨年の年間流入額を上回る成長を見せている。
対照的に、ビットコインは総額1億7500万ドルの小幅な流出に留まり、アルトコイン全体のトレンドとは大きく乖離した。これは数週間ぶりのビットコイン流出となり、2週連続でイーサリアムがビットコインを上回る異例の状況となっている。
CoinSharesはこの点について、現時点では2021年の強気相場に起きた“アルトシーズン”再来というよりも、ETF(上場投資信託)承認への期待を背景とした質の高いプロジェクトへの資金循環であるとの認識を示している。
マクロ経済
米財務長官と中国の副首相が29日、スウェーデンのストックホルムで貿易協議を開始した。
この協議は、8月12日に期限を迎える90日間の関税停止措置を延長することを主な目的としている。ベッセント財務長官は事前に「延長の可能性が高い」と表明し、「中国との貿易は非常に良い状況にある」と楽観的な見通しを示している。
今回の協議は、今年3回目となるもので、5月のジュネーブ、6月のロンドンでの会談に続く重要な局面となっている。両国は5月に相互の重い関税の大部分を90日間停止することで合意しており、この期限が来月に迫っていることから、市場関係者の注目が集まっている。
協議では、関税措置の撤廃や貿易赤字の削減、農産品輸出の拡大などが主要な議題として取り上げられる見通しだ。
この協議が決裂した場合、米国側の関税が145%、中国側が125%まで急上昇する可能性があり、グローバルサプライチェーンに深刻な混乱をもたらす恐れがある。
BNB上昇の背景
主要アルトコインでは、BNBが過去最高値のを更新し、850ドル付近で取引されている。前週比9%上昇、BNBの時価総額は1120億ドルを突破した。
この上昇の背景には、Launchpadに次ぐトークンローンチプラットフォームの「メガドロップ」をめぐり、長期保有インセンティブが大幅強化されたことが影響しているほか、WindTree Therapeuticsが5.2億ドル、Nano Labsが9000万ドルをBNBトレジャリーに投資するなど、米国上場企業による大規模な資金流入が確認された。
その取引量は30億ドルを超え、建玉も17.1億ドルを上回るなど、機関投資家の参入を示している。
NASDAQ上場のCEA Industries(VAPE)が、5億ドルの私募増資を実施してBNBトレジャリー戦略を開始すると発表し、株価が急騰した。この調達には4億ドルの現金と1億ドルの仮想通貨が含まれ、ワラント行使により最大12.5億ドルまで拡大可能となっている。
この取り組みは、Binance共同創業者チャンポン・ジャオ氏のファミリーオフィスであるYZi Labsの支援を受けた10X Capitalが主導している。140以上の機関投資家と暗号資産ネイティブ投資家が参加し、Pantera Capital、GSR、Blockchain.comなどの著名な投資会社が名を連ねる。
マイクロストラテジーが確立したビットコイン・トレジャリー戦略の成功モデルに続く形で、BNBも企業の財務多様化戦略の中核的な資産の一つとして認識されている可能性がある。
CEA Industriesの新CEO就任予定のデイビッド・ナムダール氏(Galaxy Digital共同創業者)は「BNB Chainは世界で最も広く使用されているブロックチェーンエコシステムの一つだが、これまで機関投資家のアクセスは限定的だった」と述べ、透明性の高い投資手段の重要性を強調している。
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