
この記事でわかること
2025年、XRPは大きな転換期を迎えています。SEC訴訟の終結、ETF承認への期待、リップル社の新戦略など、投資判断に欠かせない最新情報を網羅的に解説します。
目次
SC銀行の強気予想|12.5ドル到達シナリオ
英大手金融機関スタンダード・チャータード銀行は4月8日に公表したレポートで、XRPの価格が2028年までに1XRPあたり12.5ドル(約1,850円)へ到達する可能性を示しました。2025年5月5日時点の311円に対して約6倍となります。

出典:スタンダード・チャータード
強気予想の根拠
- 時価総額予測:「クロスボーダー決済やトークン化の需要拡大によってXRPの時価総額がイーサリアム(ETH)を上回り、ビットコイン(BTC)に次ぐ第2位の仮想通貨となり得る」
- 規制環境:SEC訴訟が事実上終結し、2025年にXRP現物ETFが承認される公算が高まっている
- 市場全体の成長:同期間内にビットコインが50万ドルへ上昇するという前提を踏まえながら、XRPは高いインフレ率(約6%)にもかかわらず相対的パフォーマンスを維持できると予測
リップル社の成長戦略
リップル社は、米国債のトークン化やドル連動ステーブルコイン「RLUSD」などの取り組みを通じ、XRPレジャー(XRPL)を国際決済およびトークン化領域でさらに活用しようとしています。
米国では先物型レバレッジETF「XXRP」が上場し、現物ETFへの期待が高まるなか、機関投資家の参入拡大と規制リスクの後退が、XRPの中長期的な成長を後押しする可能性があると注目されています。
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XRPの法的地位を巡る転換点|SEC訴訟終結の影響
2025年は、暗号資産XRPにとって法的・制度的な転換点となりました。リップル社とSEC(米証券取引委員会)との間で4年以上にわたって続いていた訴訟が、8月に正式に終結。XRPの流通・利用に対する法的リスクが大幅に後退し、企業や金融機関による採用拡大への障壁も軽減されました。
SEC訴訟の経緯
訴訟のタイムライン
- 2020年12月:SECがリップル社を提訴。XRPの販売が未登録証券に該当すると主張
- 2023年7月:連邦地裁のトーレス判事が「XRP自体は証券に該当しない」と判断。一方で、機関投資家への直接販売については証券法違反と認定
- 2024年8月:1億2,500万ドルの民事制裁金と差し止め命令
- 2025年5月:エスクロー口座から5,000万ドルをSECに支払い、残額をリップル社に返還する形で和解に合意
- 2025年8月:両者が控訴を正式に取り下げ、約4年半に及んだ法廷闘争が完全終結
関連:リップルとSEC、控訴を相互取り下げで法廷闘争が終結 5年間の争いに決着
2025年7月:重要法案の可決
さらに、7月には仮想通貨業界の制度整備を目的とした2本の重要法案が、米下院で相次いで可決されました。
法案名 | 主な内容 | XRPへの影響 |
---|---|---|
CLARITY法案 | SECとCFTCの管轄を明確化し、デジタル資産の分類基準を整備 | XRPの法的地位がさらに安定化 |
GENIUS法案 | ステーブルコインの発行・運用に関する規制枠組みを策定 | リップル社のRLUSD戦略に追い風 |
この制度改革の流れは、2025年1月に発足したトランプ政権下で加速したものです。新政権のもと、SECの仮想通貨政策が軟化し、他の暗号資産企業に対する訴訟取り下げも相次いだことで、リップル社との和解が成立しました。
XRP現物ETF|年内承認への期待と市場インパクト
仮想通貨ETF(上場投資信託)は、投資家にとってより安全で容易に購入する手段として、証券取引所で売買可能な金融商品です。ETFが承認されれば、機関投資家を含めた市場参加者が増加し、より多くの資金流入と出来高の増加が予想されます。
現状:先物ETFの上場が進行中
2025年5月、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)がXRP先物を取引開始。規制された市場の確立は、今後の現物ETF承認に向けた重要なステップとみられています。
さらに、2025年7月には、複数のXRP先物ETFが米SECの判断を迎えました。
申請中の主な先物ETF(2025年7月時点)
- ProShares:「Ultra XRP」「UltraShort XRP」「Short XRP」の3本(7月14日上場予定)
- Turtle Capital:2倍ロング型ETF(7月21日目標)
- Volatility Shares:2倍ロング型ETF(7月21日目標)
これらはいずれも先物連動型のETFですが、スムーズに上場が進めば、現物(スポット)XRP ETFの環境整備として大きな前進と評価されます。
現物XRP ETFの承認確率:85%
現物XRP ETFについては、Franklin Templeton、Grayscale、Bitwise、21Shares、WisdomTree、CoinSharesなど複数の資産運用会社が申請を行っています。
ブルームバーグ・インテリジェンスのETFアナリストは、XRPの現物ETFが2025年中に承認される可能性を85%と高く予測しています。

米国アルトコインETF申請リストと承認確率 出典:ブルームバーグ・インテリジェンス
市場予測と専門家の見解
ETF業界の専門家であるNate Geraci氏は、すでにレバレッジ型XRP ETFが取引されている現状を踏まえ、現物XRP ETFの承認は「時間の問題」と指摘しています。
また、Polymarketの予測市場では、2025年中にXRP ETFが承認される確率が77〜79%で推移しており、市場参加者の期待が高まっています。
リップル社のステーブルコイン戦略|RLUSDとRWA市場
リップル社は暗号資産業界において独特な立ち位置を占めており、その戦略は大きくCBDCプラットフォームとRLUSDステーブルコインの二つの柱で構成されています。
CBDCプラットフォーム戦略

出典:Ripple
リップル社の強みは、他の暗号資産プロジェクトが財団や開発企業という形で運営されることが多い中、企業として明確なビジネス体制を持っていることです。政府や中央銀行といった公的機関との直接的な契約や協業が可能となり、CBDCの実証実験や導入において重要な役割を果たしています。
タイのサイアム商業銀行(SCB)との提携や、日本でのSBIとの合弁会社「SBI Ripple Asia」の設立は、この企業戦略の成功例といえるでしょう。
リップル社が提供するCBDCのプラットフォームでは、XRPをブリッジ通貨として導入することを示唆しており、XRPの利用が促進されることが期待されています。
関連:米リップル社、CBDCプラットフォームにXRPをブリッジ通貨として導入
RLUSD:企業向けステーブルコイン
RLUSDステーブルコインは、実世界の資産(RWA)をブロックチェーン上でトークン化する流れに対応した戦略的な取り組みです。RWAは不動産、株式、債券、マネー・マーケット・ファンドなど幅広い資産を含む分野で、2030年までに2兆〜4兆ドル規模に拡大する可能性があると予測されています。
RLUSDの特徴
- 対象:個人向けではなく企業利用を想定
- 用途:国際送金の速度向上とコスト削減
- 規制:NYDFS承認の下で発行
- 対応チェーン:XRPレジャーとイーサリアムの両方
市場の反応
RLUSDは2024年12月に発行を開始し、2025年7月時点で流通量は5億ドルを突破しました。スイスFINMA規制のAMINA銀行が銀行として世界初でRLUSDをサポートしたことは、機関投資家や企業の信頼獲得において重要な節目となりました。
XRP需要への影響
RLUSD利用の増加により、取引手数料として使用されるXRPの需要がどれほど押し上げられるかも注目点です。
関連:リップルのステーブルコイン「RLUSD」× 機関投資家向け戦略 SBIとの協業も
Hidden Road買収:機関投資家ネットワークの獲得
Ripple Labsは、プライムブローカー「Hidden Road」を12.5億ドルで買収。1日あたり取引額100億ドル超、機関投資家300社以上のネットワークを獲得した点で戦略的に重要です。
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日本市場でのプレゼンス拡大
日本国内では、SBIホールディングスとの提携関係が注目されています。
SBIホールディングスとの協業
決算発表(2025年3月期)では、「2025年夏に大阪・関西万博にてXRPLedger上で発行したNFTを提供」する計画が明かされました。
メルコインでの取り扱い開始
2025年4月にはメルカリが運営する暗号資産サービス「メルコイン」でXRPが取り扱いを開始。
XRPL Japan の正式ローンチ
さらにRipple社は、日本市場向けのコミュニティ「XRPL Japan」を正式にローンチしました。今後、リアルワールドアセット(RWA)とNFTの2分野を中心に開発者誘致やイベントを積極的に展開し、日本市場のみならずアジア地域全体での活動拡大を目指します。
市場動向に関するよくある質問
Q1. SEC訴訟終結はXRP価格にどう影響しますか?
A. 法的不確実性が解消され、機関投資家や企業がXRPを採用しやすくなります。実際、訴訟和解後にXRPは過去最高値を更新し、時価総額でUSDTを抜いて第3位に浮上しました。
Q2. XRP ETFが承認されると何が変わりますか?
A. 証券取引所で簡単にXRPに投資できるようになり、機関投資家の参入が加速します。ビットコインETF承認後は約300億ドルの資金流入があったことから、XRPでも同様の効果が期待されます。
Q3. RLUSDの普及はXRPにどう影響しますか?
A. RLUSDの取引が増えると、XRPLの取引手数料としてXRPが消費されます。また、リップル社のエコシステム拡大により、XRPの需要も増加する可能性があります。
Q4. SC銀行の12.5ドル予想は実現可能ですか?
A. あくまで一つのシナリオですが、ETF承認、RLUSD普及、RWA市場の成長など複数の要因が重なれば可能性はあります。ただし、規制動向や市場環境によって大きく左右されます。
Q5. 日本市場でXRPは今後どうなりますか?
A. SBIとの協業強化、メルコインでの取り扱い開始、XRPL Japanのローンチなど、日本市場での存在感が高まっています。特にRWAとNFT分野での展開が注目されます。
Q6. 投資判断で最も注目すべきポイントは?
A. ①XRP ETFの承認時期、②RLUSDの普及状況、③主要金融機関の採用事例、④規制動向(特に米国・EU・日本)の4点です。これらが好転すれば、SC銀行の強気予想に近づく可能性があります。
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