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ビットコイン、政府系ファンドは8万ドル台で買い増し 日銀政策と円キャリートレードにも注目

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比-1.47%の1BTC=9万2489ドルに。

11月17日には過去最高値の126,000ドルから36.2%急落して80,524ドルまで下落したが、その後は反発基調を見せている。

データ分析企業CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOは、ビットコイン市場の展望について、「オンチェーンデータがマクロ経済状況とETFの流入に追従するようになった。」「予測ではなく、臨機応変に柔軟なシナリオ管理が求められる」との見解を示した。

「考え方はシンプルだ。2026年にかけてマクロ経済が改善すると思うなら買い、そうでないなら売る」と述べ、鍵となるのは新たなETFの流入だと指摘した。サイクルの初期段階ではETFへの流入増加が価格上昇と重なっていたが、最近では流入の減速が上昇モメンタムの喪失を反映している。

Ju氏は、ビットコインが2022年の暴落時に記録したような約65%ものドローダウンが再び起こるとは予想していない。マイケル・セイラー率いるストラテジーが65万BTCを保有し続ける限り、市場に流通する供給がほとんど残っていないため、激しいデレバレッジイベントの可能性は低いという。

現在は過去最高値から約25%の下落にとどまっており、仮に弱気相場が到来したとしても、下落幅は縮小し、劇的な暴落よりも長期的な調整局面となる可能性が高いとの分析を示している。

一方で、マクロ面では、市場は12月に入り米連邦準備制度理事会(FRB)と日本銀行の動向に注目している。ビットコイン投資顧問会社リスク・ディメンションズの創業者マーク・コナーズ氏は、日銀の政策金利決定を今月の「最重要イベント」と位置づけている。

円建てキャリートレードの将来を決定づけるためだ。コナーズ氏は、日銀が政策金利を据え置けば、リスク資産への需要が再燃し、株式、ビットコイン、金に追い風となる可能性があると予想している。

ただし、日銀の利上げ観測には警戒が必要だ。植田和夫総裁が12月会合での利上げ検討を示唆し、政府も0.5%から0.75%への引き上げを容認する姿勢を見せている。

市場では利上げ確率が85%超との観測が広がっており、実施されれば円調達コストの上昇でキャリートレードのポジション解消が加速、円高とリスク資産の売り圧力につながる可能性がある。

円建てキャリートレードとは、低金利の日本円で資金調達し、より高い利回りが期待できる株式やビットコインなどのリスク資産に投資する戦略である。

日本の政策金利が低位に据え置かれれば、この取引は継続しやすくなり、調達コストが抑えられる。逆に日銀が利上げを実施すれば、円調達コストが上昇し、投資家はポジションを解消せざるを得なくなるという見立てだ。

この仕組みは今夏の市場動揺でも明確に表れた。日銀が7月末に予想外の利上げを実施した際、円が急騰し、キャリートレードのポジション解消が連鎖的に発生した。その結果、8月初旬には日経平均株価が史上最大の下げ幅を記録し、ビットコインも一時6万ドルを下回る急落を見せた。グローバルな資金の巻き戻しがリスク資産全般に売り圧力をもたらしたとされる。

コナーズ氏は、日銀が政策金利を据え置けば、リスク資産への需要が再燃し、株式、ビットコイン、金に追い風となる可能性があると予想している。円キャリートレードの安定は、ビットコインを含むリスク資産市場の流動性環境を大きく左右する要因となっている。

機関投資家の動向は

ブラックロックのラリー・フィンクCEOは12月3日、ニューヨーク・タイムズ主催のDealBookサミットで、複数の政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド)が、ビットコインの価格下落・調整局面で買い増し(押し目買い)を進めていたことを明らかにした。

フィンク氏によれば、政府系ファンドは1BTC=10〜12万ドルの水準で段階的に購入を進め、ビットコインが8万ドル台まで下落した際にはさらに買い増していた。同氏は「まっとうな長期保有投資家が、ますますビットコインに投資している」と述べ、これらの投資家が数年単位での保有を前提に長期ポジションを構築していると説明した。単なる短期取引ではなく、目的を持った所有であることを強調している。

アブダビのムバダラ・インベストメント・カンパニーやルクセンブルクの政府系ファンドなど、一部の国家機関がビットコイン現物ETFへの投資を公表していることは既知の事実だが、今回の発言は価格下落局面での積極的な買い増し姿勢を裏付けるものとなった。

世界最大級の資産を運用する投資家たちのアプローチに変化が生じており、ビットコインの長期的な回復力に対する機関投資家の信頼を示す兆候といえる。

かつてビットコインに否定的だったフィンク氏は、現在では最も著名な支持者の一人となっている。ブラックロックが2024年1月に運用を開始した「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」は、数十億ドルの資金を集め、同社で最も収益性の高いETFに成長した。

今回のサミットでも、フィンク氏は政府債務の増加とインフレに対するヘッジ手段としてのビットコインの魅力を改めて強調した。「この資産には非常に大きな活用事例があると確信している」と述べ、投機対象というより通貨価値下落への防御手段として位置づけている。

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