相場の不確実性、 優れた投資家でも数日先の相場について。
し対処し 不確実性から発生しうるリスクの軽減はできます。投資初心者向けに積立投資、複数口座から投資と2つの観点から、リスクヘッジする方法について解説していきます。
- 目次
仮想通貨の分散投資に
1.アセットアロケーション(分散投資)でリスク軽減
相場の不可実性とは、新型コロナなどの疫病流行や大地震(津波)などの天災のほか、大統領選や米中貿易摩擦などの政治的緊張、戦争や核実験など軍事的緊張の高まりなど、予期せぬ「自然災害・地政学リスク」が挙げられます。
大きなドローダウン(保有資産の下落)を防ぐためには、いかにリスクヘッジの観点を念頭に資産運用するかが重要です。特に仮想通貨市場は、株式などの金融市場に比べて値動きが激しく(ボラティリティが大きい)、短期間で大きな利益を狙える反面、瞬く間に損失が膨れ上がってしまうリスクが潜んでいます。
そこで、意識しておきたい資産運用方法が、アセットアロケーション(資産配分)です。一般的にアセットアロケーションとは、異なった複数の資産(アセット)へ分散的に投資する運用方法です。
投資を行う上で構築、運用するポートフォリオの基本となる方法で、リスクを最大限回避しつつ、より安全にリターンを狙います。投資で被る損失を減らし勝つ確率を上げるためにも、本記事で主な考えや運用方法を理解しましょう。
2.分散投資の重要性
分散投資は大きく分けて、複数の通貨への銘柄分散と、一定期間ごとに少しずつ通貨を購入していく時間分散の2つに区別され、時間分散は積立投資により実行します。
2-1 複数銘柄へ分散投資
銘柄分散は、損失分を他の通貨の利益でカバーしたり、少しずつ投資することで一定の価格で購入できるのが主なメリットです。
ポートフォリオの組み方や運用戦略によっては、一つの資産に集中するよりも安全に利益を増やすことができるため、仮想通貨取引の第一ステップとして実践してみましょう。
複数銘柄への分散投資は金融庁も推奨しており、2021年2月に「基礎から学ぶ金融ガイド」の改訂版にて重要性を説明しています。
株式投資の項目で、投資には「1つのカゴに卵を盛るな」という格言があると紹介されました。ポートフォリオ(保有資産の組み合わせ)にて、複数の銘柄に分散化してリスクヘッジすることの重要性を訴えています。
しかし、アセットアロケーションにおいて、ただ資産を分散するだけではあまり効果は発揮しません。2つ以上の資産の相関関係を意識して分散することが、最大限効果を発揮させる重要です。
例えば、投資信託において日本株式と米国株式のみを組み込んだポートフォリオは、値動きの連動性が高く(同じような値動きをする)、分散投資による恩恵はあまり受けられないでしょう。しかし、日本株式と日本国債の組み合わせでは、株式と債権が逆に値動きする傾向にあるため分散効果は高いです。
分散投資の考え方:仮想通貨投資家向け
ビットコインやその他の暗号資産は、歴史的に高いリターンを提供し、一般株式との相関性が低いことが特徴です。このため、ポートフォリオのリターンと分散の両方に寄与する可能性があります。特に、暗号通貨はボラティリティが高い資産クラスであるため、少量の投資でも大きな効果をもたらすことがあります。
米投資会社GrayscaleやVanEckの分析によれば、伝統的な60/40ポートフォリオに対し、暗号通貨を約5%組み入れることで、リスク調整後リターンの最大化が期待できます。
60/40ポートフォリオとは
資産の60%を株式、40%を債券に配分する戦略。例えば、米国のS&P 500指数は平均7-10%の年率リターンを提供し、債券の年率リターンは一般的に2-5%程。このポートフォリオは歴史的に安定した成長を提供してきたが、近年のインフレ+低金利環境で、債券の期待リターンが低下し、オルタナティブ投資をポートフォリオに加える動きが加速している。
暗号資産は、ハイリスク・ハイリターンの可能性を秘めた投資です。例えば、ビットコインの年率リターンは約50%、年率ボラティリティは約75%です。イーサリアムも同様に高いリスク・リターンの特性を持っています。
暗号資産をポートフォリオに加えることで、ポートフォリオ全体のボラティリティも増加するため、シャープレシオが重要になります。分析によれば、暗号資産を5%程度配分することが最適とされています。
シャープレシオとは、ウィリアム・F・シャープが提唱した、リスク調整後リターンを評価するための指標です。投資の超過リターンをリスク(標準偏差)で割ったもの。シャープレシオが高いほど、リスクに対して効率的にリターンを得ていることを示します。
例えば、近年の伝統的な60/40ポートフォリオのシャープレシオは0.40程であり、リスクに対してあまり効率的なリターンを得ていない状況となっています。しかし、暗号資産を小幅に配分することで、シャープレシオを大幅に改善することができます。
ソラナを含めたポートフォリオ戦略
ビットコインやイーサリアムに加えて、ソラナ(SOL)をポートフォリオに含めることで、リスク調整後リターン、すなわちシャープレシオの改善が期待できます。
ビットコイン、イーサリアム、ソラナは、それぞれ141%、152%、224%の年率リターン(2024年6月時点)を示しています。ソラナは、過去12ヶ月間のリスク調整後パフォーマンスにおいて、暗号通貨市場の上位3%に位置しています。
今後においても、ソラナは最も成長が期待されるネットワークの一つです。VanEckは、2030年までのソラナの価格評価を「基準、弱気、強気」の三つのシナリオで予想しています。ソラナが「1億人以上のユーザーを獲得するアプリをホストする最初のブロックチェーンとなる」という強気のケースでは、ソラナ(SOL)の価格目標は3,211ドル(約48万円)と予想されています。
- 基本ケース:2030年のSOL価格は$334.70、スマートコントラクト市場シェア30%、推定収益$8,271M
- 弱気シナリオ:2030年のSOL価格は$9.81、市場シェア5%、推定収益$410M
- 強気シナリオ:2030年のSOL価格は$3,211.28、市場シェア80%、推定収益$51,786M
■ソラナに投資するVanEckによるSOL評価シナリオ
ソラナを含めた分散投資は、仮想通貨ポートフォリオのリスク調整後リターンを向上させる効果が期待できます。ビットコイン、イーサリアム、ソラナのような多様な暗号資産を組み入れることで、投資のリスクを管理しつつ、高いリターンを追求することが可能となります。
ソラナは一例に過ぎないため、自分なりに有望な銘柄をリサーチし、組み入れることも良いでしょう。ただし、暗号資産は依然として高リスクな投資であるため、慎重に判断することが重要です。
仮想通貨の分散投資に
2-2 時間的な分散投資―積立投資
また、金融庁のガイドブックには、投資タイミングの分散についても記述されています。効率的な資産形成をするために、投資時期を分散させる「積立投資(ドル・コスト平均法)」が有効であり、投資するタイミングによる(急激な値上がり・値下がり)リスクを抑えられます。
出典:金融庁資料
例えば、為替相場にて1ドル100円のレート帯で、ドル円の通貨ペアに毎月1万円ずつ投資すると、一度に100口分のポジションを保有。このレートが1ドル110円になった場合90口分保有し、1ドル90円のレートになると111口分購入します。
このように、資産を購入するタイミングを分散することで、高値で摘み取ることを避け、安値で多くの資産を保有できます。つまり、高値と安値に関わらず、平均的な価格帯で資産を購入することができ、効率的な資産形成が可能になるのです。
この時間的分散は、長期的な上昇傾向のある投資信託や、急激な価格変化を急激に引き起こす仮想通貨取引にも適しています。一定期間に一定額投資するだけなので、相場で高値や安値を見分けるのが難しい初心者であっても簡単に実践できます。
3.複数の仮想通貨取引所で口座開設するメリット
仮想通貨取引所で口座を開くメリットは複数挙げられます。
3-1 分散投資しやすくなる
まず、分散投資がしやすくなる点です。仮想通貨取引所ごとに上場している仮想通貨の銘柄が異なるため、複数の取引所で口座を開いておくことで投資先の選択肢が広がり、機会損失を防ぐことができます。
例えば、2020年3月に流通が開始されたソラナ(SOL)は、わずか4年で時価総額4位に急上昇しましたが、国内で取り扱う事業者は限られています。リサーチに基づいて投資先を選んだとしても、その銘柄を取り扱う取引所の口座開設が必要です。複数の取引所で口座を開設しておくことで、有望な銘柄にいち早く投資する可能性を高めることができます。
3-2 独自のサービスを使い分けることができる
仮想通貨取引では、積み立て投資、ステーキング、レンディング(貸し仮想通貨)、証拠金(レバレッジ)取引など、仮想通貨取引所によってラインナップが異なります。
マネックスグループ傘下の国内大手仮想通貨取引所コインチェックでは、IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)を展開。株式市場のIPO(新規公開株式)のように、初値売りで高いリターンの実績も挙げており、注目が高まっています。
過去にはハードフォークやXRPの新通貨(FLR)付与対応などでも、取引所ごとに対応が分かれました。このような時にも、複数の取引所口座を開設しておけば、臨機応変に対応できます。
3-3 不測の事態のリスクヘッジになる
取引所を分散することで、長期メンテナンス、相場急変時のサーキットブレイカー発動、ハッキングなど不測の事態で特定の取引所の機能に問題が生じた場合でも、複数の取引所口座を開設しておけば、いざという時に動じなくても済みます。
4.分散投資におすすめの仮想通貨取引所
取引所を分散させることの重要性を解説しましたが、どの取引所で口座開設するべきかわからない人もいるでしょう。ここでは、抑えておきたい主要取引所を紹介します。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- ライトコイン(LTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ポルカドット(DOT)
- リンク(LINK)
- エイダ(ADA)
- ドージコイン(DOGE)
- ステラ(XLM)
- テゾス(XTZ)
- ソラナ(SOL)
- アバランチ(AVAX)
- ポリゴン(MATIC)
- フレア(FLR)
- オアシス(OAS)
- エックスディーシー(XDC)
- シバコイン(SHIB)
- ダイ(DAI)
- コスモス(ATOM)
- アプトス(APT)
- ヘデラハッシュ(HBAR)
- ジパング(ZPG)
- ニアー(NEAR)
こんな人におすすめ
運営企業への信頼を重視し、投資を始めて徐々にその範囲を広げたい方、ストレスフリーでビットコインを購入し、レンディングや積立などの便利なサービスを活用したい方に理想的です。申込は最短5分で完了し、「最短当日」には口座開設が完了します。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- リスク(LSK)
- リップル(XRP)
- ネム(XEM)
- ライトコイン(LTC)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- モナコイン(MONA)
- ステラルーメン(XLM)
- クアンタム(QTUM)
- ベーシックアテンショントークン(BAT)
- アイオーエスティー(IOST)
- エンジンコイン(ENJ)
- パレットトークン(PLT)
- サンド(SAND)
- ポルカドット(DOT)
- フィナンシェトークン(FNCT)
- チリーズ(CHZ)
- チェーンリンク(LINK)
- メイカー(MKR)
- ダイ(DAI)
- ポリゴン(MATIC)
- イミュータブル(IMX)
- エイプコイン(APE)
- アクシーインフィニティ(AXS)
- ラップドビットコイン(WBTC)
- アバランチ(AVAX)
- シバイヌ(SHIB)
- ブリリアンクリプト(BRIL)
こんな人におすすめ
ビットコイン投資をお得に、より簡単に始めたい方。IEOやINO(イニシャル・NFT・オファリング)などの投資機会にアクセスしたい方。マネックス証券やマクロミルのポイントシステムと連携し、1ポイントを1円として使用可能で、持ち出し資金ゼロから投資をスタートできます。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ライトコイン(LTC)
- リップル(XRP)
- ネム(XEM)
- ベーシックアテンショントークン(BAT)
- オーエムジー(OMG)
- テゾス(XTZ)
- クオンタム(QTUM)
- エンジンコイン(ENJ)
- ポルカドット(DOT)
- コスモス(ATOM)
- シンボル(XYN)
- モナコイン(MONA)
- カルダノ(ADA)
- メイカー(MKR)
- ダイ(DAI)
- チェーンリンク(LINL)
- ソラナ(SOL)
こんな人におすすめ
オリコン調査で「カスタマーサポート」評価項目において第一位を獲得、信頼性の高いサポートを求める方に適しています。検討段階であるNOT A HOTELのIEOは、不動産などリアルワールドアセット(RWA)を裏付けとしたトークンとして国内初の試み、注目を集めています。
5.分散投資の前の注意点
ただし、資産の管理面において、仮想通貨(デジタル通貨)ならではの注意点も十分に把握しておく必要があります。仮想通貨において懸念される点は主に、ハッキング被害とIPアドレスの管理についてです。
5-1 ハッキング被害
近年でも、大規模な犯罪集団による仮想通貨ハッキングは行われており、セキュリティの脆さを訴える方も少なくありません。ハッキング行為はいつどこで起きるか予測することができず、不特定多数の被害者が出ている事から、仮想通貨保有する方は常に警戒しておく必要があるのです。
このような被害を避けるには、自己資産をネットから遮断し管理するコールドウォレットと言われる管理方法があります。しかし、頻繁に資産を利用するユーザーには不向きなため、長期保有を前提に考えている方向けです。
5-2 IPアドレスの管理
アドレスを間違えて通貨を送金してしまうと、送金先が不明となり、資産を取り戻すことが難しいでしょう。アドレスはアルファベットと数字が連なっているため、一見しただけでは見落としてしまうこともあります。
誤送金を避けるためにはまず少額な資金で試験的に送金し、問題なく送金できたことを確認できた段階で必要な分の資金を送金するようにしましょう。銀行のような仲介機関がない、仮想通貨取引ではこのようなケースも念頭に置く必要があるのです。
6.まとめ:分散投資で安定した運用を
本稿では、初心者の方でもすぐに実践が可能な分散投資について解説してきました。複数銘柄への分散投資によりポートフォリオ全体のリスクを和らげ、時間的分散を用いて急な価格変動を対処する。2つの分散方法を実践することで、資産運用で相乗効果を発揮するでしょう。
また、複数の取引所で各資産を管理することで、集中投資による機会損失を防ぎ、不測の事態のリスクヘッジも行えます。ただし、仮想通貨ではハッキング被害や詐欺被害により資産流出も考えられるため、取引所で資産を管理する場合には十分に注意しましょう。
今まで集中投資で利益を出していた方も、分散投資を理解することで新しい切り口から投資と向き合うことができます。まずは、少額の資金からでも分散投資を始めてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修
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