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DeFiの基本から実践まで|初心者向けに分かりやすく解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DeFi(分散型金融)の市場規模は2024年12月には18兆円まで成長しています。

銀行や証券会社などの既存の金融機関を介さずに、誰もが直接金融サービスを利用できる新しい仕組みは、投資や資産運用の可能性を広げています。

一方で、従来の金融サービスとは異なる特徴を持つため、その仕組みやリスクを理解することが重要です。

本記事では、DeFiの基本的な概念から、具体的なサービスの活用方法まで、初心者の方でも理解できるよう分かりやすく解説します。

アクティブウォレット数

1720万人/日

DappRadar調べ*

(2024年9月)

市場規模

時価総額:約14兆円

株式市場の約0.07%

DeFi Market Cap調べ

DeFi上の取引出来高

約5兆円/日

DeFiLlama調べ

(2024年12月)

DeFiの基本知識

DeFiとは、「分散型金融(Decentralized Finance)」の略称です。

ブロックチェーン技術を活用して、誰でも直接金融サービスを利用できる新しい金融の形とされ。中央集権的な金融機関を介さずに、ブロックチェーン上で直接金融サービスを提供するシステムです。

従来の銀行や政府に依存せず、貸付、借入、決済、保険など、あらゆる金融サービスを提供します。

DeFiの特徴

  • 透明性と信頼性
  • 従来の金融システムと異なり、DeFiではすべての取引がブロックチェーン上に記録され、誰でも確認することができます。取引履歴は改ざんができないため、高い透明性と信頼性を確保しています。

  • 自己管理型の資産運用
  • DeFiでは、ユーザーが自分の資産を完全にコントロールできます。銀行などの仲介者を介さずに、直接金融サービスを利用することができるため、より自由な資産運用が可能です。

  • グローバルなアクセス性
  • 国籍や居住地に関係なく、インターネットに接続できる環境があれば、世界中どこからでも同じサービスを利用することができます。従来の金融システムでは受けられなかったサービスにもアクセスできる可能性が広がります。

  • いつでも利用可能
  • ブロックチェーンは常時稼働しているため、いつでも取引や資産の移動が可能です。銀行の営業時間や休業日に縛られることなく、必要な時に即座に金融サービスを利用できます。

DeFiの活用

DeFiでは、従来の金融サービスに加え、ブロックチェーンならではの新しいサービスも提供されています。

ここでは、主な活用方法をご紹介します。

取引

DeFiでは、仮想通貨の取引も従来とは異なる形で行うことができます。

従来の取引所(CEX)では口座開設や本人確認が必要ですが、分散型取引所(DEX)では、取引所に資産を預ける必要がなく、自動マーケットメーカー(AMM)という仕組みを採用しています。

AMMでは取引ペアごとに用意された資金プールに対して、自動的に価格が決定され、ユーザー同士が直接取引を行うことができます。

これにより、取引手数料を低く抑えることができます。

個別DEXの解説

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流動性提供

defi-liquidity

DeFiにおける流動性提供は、従来の金融機関が担っていた市場流動性の確保を、一般のユーザーが直接担うことができる仕組みです。

ユーザーは分散型取引所(DEX)の流動性プールに仮想通貨を預け入れることで、取引手数料の一部を報酬として受け取れることができます。

この仕組みにより、DeFi市場の安定性を高める役割を果たします。

しかし、預け入れた資産の価格変動によって損失(インパーマネントロス)が発生するリスクがあります。

そのため、価格変動が比較的小さい通貨ペアを選択することや、価格変動に応じて適切なリスク管理を行うことが重要です。

ステーブルコイン

stablecoin

ステーブルコインは、従来の法定通貨のように価値を安定させつつ、仮想通貨の利点を維持することを目指した仮想通貨です。

一般的な仮想通貨は価格変動が大きく日常的な決済には適していませんが、ステーブルコインは米ドルなどの法定通貨と価値を連動(ペッグ)させることで、安定した価値を実現しています。

法定通貨担保型のステーブルコインは、発行元が法定通貨を担保として保有することで1:1の交換比率を維持し、主にDeFiでの取引や価値保存の手段として広く利用されています。

ただし、発行元が実際に十分な担保を保有しているかという透明性の問題や、一部のステーブルコインでペッグが外れて暴落した事例もあるため、リスクを理解して利用することが重要です。

ステ-キング

Staking

ステーキングは、従来の銀行預金のように資産を預けて利息を得る仕組みを、ブロックチェーン上で実現したもので、仮想通貨をネットワークにロックすることで報酬を得ることができます。

ユーザーは資産をステーキングすることでプロジェクトの運営に貢献し、預け入れた資産量や期間に応じて報酬を受け取ります。

現在は、DeFiの発展により、仮想通貨ウォレットから簡単にステーキングに参加できるようになりました。

Metamaskでは、イーサリアムを年利3%程度、Phantomでは、ソラナを年利7%程度の報酬を得られることができます。

ただし、ステーキング期間中は資産がロックされて自由に売買できないことや、仮想通貨の価格変動リスクがあることに注意が必要です。

リキッドステーキング

defi-liquid-staking

リキッドステーキングは、従来のステーキングで課題となっていた資産のロック期間という制限を解決し、ステーキングによる報酬を得ながら資産の流動性を維持できる仕組みです。

ユーザーがステーキングを行うと、預けた資産と同等の価値を持つリキッドステーキングトークン(LST)が発行され、このトークンを他のDeFiプロトコルで取引や担保として活用できます。

これにより、従来の銀行の定期預金のように資産をロックすることなく、流動性を保ちながら報酬を得ることができ、より柔軟な資産運用が可能になります。

ただし、LSTの価値が原資産から乖離するリスクがあることなどに注意が必要です。

貸付・借入

DeFi-lending- borrowing

DeFiでは、従来の金融サービスと同様に、貸付や借り入れが可能です。

従来のサービスと異なる点は、銀行口座がなくても仮想通貨を担保として預けることで他の仮想通貨を借りたり、逆に仮想通貨を貸して利子を得たりすることが可能です。

貸し手は高い利回りで資産を増やすことができ、借り手は担保を提供することで必要な資金を柔軟に調達できます。

ただし、担保として預け入れている仮想通貨の価値が下落した場合は自動的に清算されるリスクがあるため、借り手は担保価値に注意を払う必要があります。

借入の割合を高くしすぎないようにしたり、借入する仮想通貨を価格変動が比較的少ないものにするなどして、清算が行われないように気をつけましょう。

エアドロップ

airdrop

エアドロップは、プロジェクトが独自に発行する仮想通貨を無料で受け取れる仕組みです。

公開前のネットワークやサービス・アプリケーションを使用し、主に取引履歴を残すことで、対象となります。

近年は、ユーザーの活動実績に応じてポイントが加算され、将来のトークン配布量に比例する形が一般的です。

このような仕組みは、仮想通貨版の「ポイ活」(ポイント活動)として注目されており、プロジェクトによっては数十万円相当のトークンが配布されるなど、新たな資産形成の機会として広がりを見せています。

参加にあたっては、プロジェクトの内容を理解し、自身の投資可能な範囲内で取り組むことが望ましいでしょう。

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DeFiのリスク

defi-risk

DeFiは、既存金融に勝るメリットがある一方で、リスクもあります。

ここではDeFiにおけるリスクについて紹介していきます。

セキュリティリスク

security

DeFiプラットフォームでは、スマートコントラクトのコードにバグや脆弱性が存在する可能性があり、ハッカーの攻撃対象となりやすい特徴があります。

ブロックチェーンセキュリティ企業のサーティック(CertiK)が発表した年次レポートによると、2024年には約1,500億円のフィッシング詐欺による被害が報告されています。

このリスクを最小限に抑えるには、セキュリティ監査が実施され、開発者の実績が確認できる信頼性の高いプロトコルの選択が重要です。

流動性提供による損失のリスク

loss

流動性プールに資金を提供する際、市場価格の変動により「インパーマネントロス」と呼ばれる損失が発生する可能性があります。

これは市場価格の変動が大きい場合に起こりやすく、預けた2つの資産の価格比率が変化することで、そのまま保有していた場合と比べて損失が生じることを意味します。

対策としては、ステーブルコイン同士のペアなど、価格変動が起こりにくい通貨ペアの活用がポイントとなります。

運営による持ち逃げ(Rug-Pull)のリスク

rug-pull

Rug-Pull(ラグプル)は、DEXの流動性プールから運営・開発チームが資金を持ち逃げする詐欺行為や、新規ブロックチェーンゲームプロジェクトのハッキング被害を装い関係者が音信不通になるなどの悪質な行為であり、“ラグる”と呼ばれることがあります。

資金が持ち逃げされると取り戻すことは極めて困難です。

被害を未然に防ぐには、プロジェクトのホワイトペーパーや開発チームの経歴をよくリサーチし、メインのデジタルウォレットを迂闊に繋がず、資金を分散して投資することをおすすめします。

サービスやプロダクトが完成する前に、プレセールなどを謳ってユーザーから開発資金を集めるプロジェクトも要注意です。