ソラナのDEX「ジュピター」の利点
この記事では、ソラナ・エコシステム内で代表的なスワップアグリゲーター「ジュピター」についてご紹介します。
ジュピターはスワップ機能だけでなく、トークンセール(ローンチパッド)への参加権やエアドロップの機会も提供しています。また、ベンチャーキャピタルからの投資を受けず、コミュニティ主導で運営されている点も人気の理由の一つです。
2024年5月時点で、全体のDEX取引出来高の6割以上がソラナブロックチェーン上で発生しており、その中でジュピターは最適なスワップルート(トークン交換の経路)を提供し、ユーザーが迅速かつ効率的にトークンを交換できる場所として利用されます。
2024年6月4日時点で、ジュピターの総取引量は2,000億ドル(約32兆円)を突破。ジュピターは一般的な現物スワップ(成り行き)に加え、指値スワップ、DCA(積立)、無期限先物取引、WormholeやdeBridge基盤のトークンブリッジサービスも提供しています。
この記事でわかること
JUPトークン
ジュピターは今年1月末にガバナンストークン「JUP」を発行しました。総供給量は100億のうち50%がコミュニティに配分され、4回に分けてエアドロップされる計画です。1月31日の第1ラウンドでは約100万件のウォレットが対象となり、初期流通供給量として13.5億が配布されました。
これは仮想通貨エアドロップの中でも大規模なもので、JUPはバイナンス、Bybit、OKXなどの主要取引所に上場しています。
アクティブ・ステーキング報酬
ジュピター(JUP)は、「Active Staking Rewards(アクティブ・ステーキング報酬/ASR)」を導入しており、ステーキングして行動(投票)を起こすことで報酬が強化されます。
ASRのメリットには、ローンチパッド「LFG」の手数料収益の分配や、LFGで発売されたプロジェクトトークンのエアドロップ(無償配布)の機会などがあります。
- ベースとなるステーキング報酬
- DAOへの参加権(発言・決議権)
- LFG審査投票権
- LFG審査投票参加者向けのトークンエアドロップ
- (LFG)ローンチフィーの一部報酬の分配
アクティブ・ステーキング報酬の内容:
JUPは「Jupiter DAO(分散型自律組織)」の投票権として機能します。保有者はJUPをJupiter DAOにステーキングし、1JUP=1票の投票権を得て、個別のワーキンググループやローンチパッド(優良トークンセール)のプロジェクト審査に参加し、報酬を得ることができます。
今年7月には、3月〜6月分として5,000万JUP(約62億円)が配布される予定です。さらに、ジュピターがLFG参加プロジェクトから徴収したローンチ費用の75%も同時に投票者たちに分配されます。
なお、アクティブ・ステーキング報酬は当初、最初の6ヶ月間で実施される取り決めであり、今後も継続するかどうかはDAOにおける投票で判断される点は抑えておきましょう。
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ローンチパッド「LFG」
ジュピターは今年3月からローンチパッド「LFG」の提供を開始しました。LFGはインターネットスラング「Let’s F*cking Go(価格を上げていこう)」に由来しています。LFGはKYC(本人確認)なしで自由に参加できるパーミッションレス型です。
一般ユーザーの参加方法は、預け入れたUSDCに比例してトークンが分配されます。なお、DeFiプロトコルMeteoraとの提携により、一部の大口投資家による買い占めを防ぐ、より予測可能で公正な発売価格の設定メカニズムが導入されています。
ジュピターのローンチパッド「LFG」では、1つのラウンド(4日の投票期間)で、複数の候補プロジェクトがリストアップされ、JUPホルダーの投票によって上位2つのプロジェクトがローンチ権を獲得する。
これまでに、計5つのプロジェクトが選出され、3つがトークンセールを完了し、2つがローンチを控えています。これらのプロジェクトは注目度が高く、期待されています。
- Zeus Network(ZEUS):ソラナ・ビットコインの通信プロトコル。ソラナ上でのビットコイン流動性ステーキングプロトコル「Apollo」が稼働。
- UpRock(UPT):モバイル対応のネット通信DePIN(分散型インフラ)プロジェクト。アプリインストール数は100万を超え、1日1万人ペースでユーザーを獲得中。
- deBridge:EVMチェーンとソラナ間のトークンブリッジとして2.7億ドルの総取引実績(2024年5月時点)。4月から利用者向けのポイント制を導入。
- Sanctum:ソラナ(SOL)のリキッド・ステーキング関連プロジェクト。複数のステーキングトークン(MSOLやJITOSOLなど)のバスケット型を発行。預かり総額(TVL)はソラナの同分野でJito、Marinadeに次ぐ3位。
LFGでトークンセールを完了した主なプロジェクト:
LFGでトークンセールを予定する主なプロジェクト:
リキッド・ステーキング
ユーザーが自身の資産を預け入れてステーキング報酬を受け取りながら、代替資産を受け取り、同時に流動性を維持できるソリューション。これにより、資産を別の場所で運用し、金銭的な収益を得ることが可能。
ジュピター(JUP)の注目点まとめ
以前は、バイナンスが主要なローンチパッドとして利用されてきましたが、昨年、日本市場から撤退しました。これに代わるトークンセールの手段としてLFGが注目されています。LFGを含む利点から、JUPのステーキングには5万以上のアドレスが参加しており、総量は2.87億JUPに上ります。
現在、ジュピターでのトークン交換はUniswapなどの他のDEXと異なり、手数料が不要です。そのため、取引手数料による収益はありませんが、将来的にはJupiter DAOで手数料を徴収する提案が可決される可能性があります。この手数料は、JUPトークン保有者に分配される予定です。(ただし、手数料徴収の提案が提出され、可決される保証はありません)
また、ジュピターは継続的なユーザーに対し、2025年から2027年の1月にJUPの年度エアドロップを行う予定です。
さらに、創設者@weremeow氏は6月20日に、長期投資の観点からJUP総供給量の30%を減らす提案を発表しました。この提案が実現すれば、市場に流通するJUP総量のさらなる減少により、需要が高まることが期待されています。
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Jupiter DAOのステーキング参加方法
1.JUPトークンを調達
Jupiter DAOのステーキングをするためには、まずJUPトークンを調達する必要があります。
最もシンプルな方法としては、SBI VCトレードなどの暗号資産(仮想通貨)取引所でソラナ(SOL)トークンを購入し、自身の仮想通貨ウォレット(Phantomなど)に移し、ジュピター上で購入する方法です。
関連:Phantomウォレット使い方、取引所からソラナを出庫する方法・セキュリティ対策
2.ジュピターのガバナンスページに接続
ジュピターのvote.jup.agのガバナンスページを開き、Phantomウォレットを接続すれば、ステーキングできます。1 JUP=1 票の投票権を得ます。
注意点として、ステーキングしたあと、引き出すには、30日間のクールダウン期間が設けられています。
まとめ
ジュピターは、ソラナエコシステム内で最も利用されているスワップアグリゲーターであり、その公平な運営と豊富な機能で高い信頼性を持っています。特に、JUPトークンのステーキングやローンチパッド「LFG」の活用は、投資家に多くのメリットを提供しています。
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