TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

板取引とは|「成行、指値、逆指値」注文の違いを覚えよう

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
※このページには広告・PRが含まれます

株式や債券などの伝統的資産に加え、新たな投資対象として誕生した暗号資産(仮想通貨)。新しく生まれた資産であるため、どのように取引を行えばいいかがまだ十分には浸透しておらず、株式や債券のように広くは普及していません。

一方で、2021年にNFT(非代替性トークン)が従来のブロックチェーン領域を超えて普及するなど、仮想通貨に興味を持つ人も増えてきました。

関連2021年の流行語大賞候補、仮想通貨関連用語で「NFT」がノミネートされる

本記事では、新たに仮想通貨投資を始める方や、まだ取引方法が詳しくわからないという方を対象に、「板取引」の概要を解説します。

目次
  1. 販売所と取引所の違い
  2. 注文方法の種類
  3. 各注文のメリットとデメリット
  4. まとめ

1.販売所と取引所の違い

まず、板取引について解説する前に、仮想通貨の売買を行う「販売所」と「取引所」の違いをご説明します。販売所では板取引は行われないため、両者の違いを理解しておくことも必要です。

販売所と取引所は、どちらも仮想通貨を売買するためのサービスであることに変わりはありません。両者の最も大きな違いは、取引を行う相手です。

販売所で仮想通貨の売買を行う場合、取引相手は交換業者です。交換業者が設定した価格で、ユーザーは売買を行います。販売所では、売買する数量はユーザーが指定することが可能です。

一方、取引所で仮想通貨の売買を行う場合、取引相手は他のユーザーです。この場合、交換業者は取引を仲介する役割を担います。

取引所では、登録しているユーザー同士が売買したい数量と値段を提示し、条件が満たされた場合に注文が約定します。

約定とは

売買の注文を出し、取引が成立すること。取引所方式では、反対注文(自分が「買い」ポジションの場合は、反対のポジションとなる「売り」のこと)を出す投資家がいなければ注文は約定されません。

▶️仮想通貨用語集

この「ユーザー同士が売買したい数量と値段を提示して取引を行うこと」を板取引といいます。以下のように、ユーザーが売買したい数量や値段をまとめて一覧にしたものを「板」と呼びます。

出典:GMOコイン

関連仮想通貨の「販売所」と「取引所」の違い|初心者のおすすめは

なぜ、この一覧を板と呼ぶかという理由については、「昔に行われていた証券取引において、注文で使用されていた紙の台が板だったから」という説や、「以前は証券取引所に、各証券会社からの売買注文を銘柄ごとに書いた板があったから」といった説があります。

それでは販売所からは離れ、次節からは取引所で行われる板取引について、もう少し詳しくみていきましょう。

2.注文方法の種類

本節では、板取引における注文方法をご紹介していきます。まずは以下の2つの方法です。

  • 成行注文
  • 指値注文

両者の主な特徴は以下の通りです。

成行注文 指値注文
数量 指定する 指定する
約定価格 指定しない 指定する

表の通り、最も大きな違いは「約定を希望する価格を指定するかどうか」です。

2-1 成行注文とは

成行注文では、売買を希望する数量は指定しますが、約定を希望する価格は指定しません。この点では販売所の注文に似ていますが、成行注文と販売所の注文は明確に区別して覚えておいてください。

例えば成行注文は、ビットコイン(BTC)を「1BTCの価格がいくらの時でもいいから、すぐに0.0001BTCを購入したい」というような時に行います。

「成行」という言葉には「自らの意志を強く持たず、物事の動きや結果に身を委ねること」という意味がありますが、成行注文の「成行」はまさにこの意味です。

約定価格を指定しない成行注文は、注文時点の市場価格で成立します。買い注文の時は、その時点で板にある売り注文の最低価格で約定。売り注文の時は、その時点で板にある買い注文の最高価格で約定します。

もちろん、取引したい数量を相手が売買していることも約定の条件です。

2-2 指値注文とは

指値注文は、売買を希望する数量に加え、約定を希望する価格も指定する方法です。「1BTC=300万円の時に、0.0001BTCを購入したい」というような時に行うのが指値注文です。

例えば注文時に1BTCの価格が310万円だったとします。この時、「1BTC=310万円では割高だから買いたくない」と思う場合に、購入する数量を決めて「1BTC=300万円」まで下がった時に約定するように注文を入れておきます。

成行注文が即座に約定するのに比べ、指値注文は「予約注文」みたいなものです。もしかしたら「1BTC=320万円」というように価格が上昇する場合がありますが、その時は注文をキャンセルしたり、指値の価格を変更したりします。

指値注文が約定するのは、以下の条件になった場合です。

  • 買い注文:売り手が提示する価格が、希望価格以下になった場合
  • 売り注文:買い手が提示する価格が、希望価格以上になった場合

2-3 逆指値注文とは

本節の最後に「逆指値注文」をご紹介します。これは文字通り、指値注文の逆を行う注文です。「逆」とは、価格の指定の仕方が反対であるという意味です。

指値注文は「市場価格ができるだけ安い時に買いたい」や「市場価格ができるだけ高い時に売りたい」という投資家の希望に基づいています。

逆指値注文はこの考え方が反対になっており、以下のような場合に行います。

  • 市場価格が今よりも”高い”時に買いたい
  • 市場価格が今よりも”安い”時に売りたい

注文方法は指値注文と同じで、約定を希望する価格の上下を逆に考えるだけです。

ただし、逆指値注文は損をしているようにも見えます。投資家はどのような時に逆指値注文を行うのでしょうか。

次節では、各注文方法のメリットとデメリットをご紹介します。

3.各注文のメリットとデメリット

上述した3つの注文方法のうち、どの方法を選べば良いかは、人や状況によって異なります。

まず、成行注文のメリットは「市場価格が希望価格になるのを待つことなく、即座に約定できること」です。「市場価格はいくらでも良いから、すぐに買いたい(売りたい)」という場合に利用できます。

また、市場価格が動かなくても約定するので、確実に注文できることもメリットです。注文時の市場価格に納得している場合や、値段をそんなに気にせずに長期保有したい銘柄を注文する場合などに成行注文は適しています。

一方、デメリットは、裏を返せば「その時の市場価格で約定してしまうこと」です。約定後に市場価格が大きく下がり、「もっと時間が経ってから買えば良かった」と後悔してしまうこともあるかもしれません。また、値動きが激しい時には、想定している価格で約定できない可能性もあります。

このように、確実性や時間を重視するなら成行注文、約定価格を重視する場合は指値注文の方が適しています。指値注文のメリットとデメリットは、成行注文のメリットとデメリットを逆に考えてください。

相場には「売りは迅速、買いは悠然」という格言があります。これは「買い注文はゆっくり時間をかけても遅くはないが、売り注文のチャンスは短期間に起きるので、思い切りが大事である」という意味です。この格言に従うのであれば、売り注文の時は成行注文の方が適しているということになります。

最後に、逆指値注文のメリットとデメリットをご紹介します。主なメリットは以下の3つが可能になることです。

  1. 上昇・下降トレンドにのれる
  2. 損切りができる
  3. 利益確定売りができる

関連投資初心者向け講座|仮想通貨ビットコインの「トレンド転換点」の見極め方

1については、例えば現在1BTCの価格が300万円だったとします。ビットコインをできるだけ安く買いたい時は、「1BTC=290万円の時に買う」ように指値注文を入れますが、逆指値では「1BTC=311万円の時に買う」というような注文を入れます。

この注文はビットコインのチャートを見た時に、BTC価格が一定期間300万円から310万円の間を推移しているような場合に行います。311万円になれば、これまでの価格レンジ(範囲)を抜けたことになるので、上昇トレンドを逃さずに利益を出すことができます。

このように逆指値注文は、「今よりも安い価格ではなく、上昇トレンドに転じたら買いたい」という場合に有効。他にも「前回の高値を上回ったら買いたい」という場合にも逆指値注文を活用することが可能です。

反対に、「今よりも高い価格ではなく、下降トレンドに転じたら売りたい」という場合もあります。この状況に当てはまるのが2の「損切り」です。

損切りとは、損失を大きくしないために、資産価格が一定額下落した時に、損していても売ってしまうこと。その後も保有し続けていれば値上がりする可能性もありますが、さらに価格が下がってしまい、長期に渡って買値よりも上がらない可能性もあります。こういった場合、状況によっては売ってしまって、他の資産に投資した方が良いケースもあります。

実際に損切りする場合、1BTC=300万円の時に買ったビットコインを、「1BTC=295万円になったら、損するけど売ってしまう」という逆指値注文を行います。このように、リスク管理にも逆指値注文を活用することが可能です。

3の「利益確定売り」とは、価格の急落に備え、あらかじめ注文を入れておくこと。以下のような場合に利益確定売りを行います。

  1. 1BTC=300万円の時にビットコインを購入
  2. その後、1BTC=310万円になったため利益が発生
  3. さらに値上がりする場合を考え、まだ売却はしたくない
  4. しかし、相場が急変して下落した場合に備える必要もある
  5. ある程度利益は確保したいから、1BTC=305万円に下がったら売ってしまう注文を入れておく

以上から、逆指値注文のメリットは次の通りです。

  • 上昇・下降トレンドを逃さない
  • チャートに合わせた注文の選択肢が広がる
  • 損切りができる

また、デメリットは以下の通り。

  • 指値注文よりも利益が少なくなる可能性がある
  • 将来的に可能な利益を得られない場合がある

4.まとめ

以上が板取引の主な注文方法とその違いです。

実際の注文時は上述した以外にも、「売り注文か買い注文か」や「指値か逆指値か」も選ぶ必要がありますが、本記事は注文方法の違いを理解していただくことを目的としているため、細かい点は省いています。

今回ご紹介した3つの注文方法には、それぞれメリットとデメリットがあるため、市況や投資目的などによって使い分ける必要があります。

本記事で紹介した注文方法を理解し、取引所で仮想通貨の板取引を始めてみてはいかがでしょうか。

本記事は企業の出資による記事広告やアフィリエイト広告を含みます。CoinPostは掲載内容や製品の品質や性能を保証するものではありません。サービス利用やお問い合わせは、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは、本記事の内容やそれを参考にした行動による損害や損失について、直接的・間接的な責任を負いません。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、ご自身で調査し、自己責任で行ってください。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。
06:40
トランプ次期政権、史上初の仮想通貨特命官ポストを検討
トランプ次期大統領の移行チームは仮想通貨政策に特化した史上初の常勤のホワイトハウスポジションの設置を積極的に検討しているようだ。
06:20
マイクロストラテジー時価総額が米国トップ100に、ビットコイン史上最高値更新受け
仮想通貨ビットコイン続伸を受け、BTCを大量に保有する米マイクロストラテジー社の株価も続伸し、史上最高値となる504.7ドルに到達し米国で時価総額トップ100にランクインした。
11/20 水曜日
17:03
韓国の仮想通貨課税、2025年1月から導入見込み
韓国政府が2025年初頭から実施予定の仮想通貨課税について解説。免税限度額を250万ウォンから5000万ウォンへ大幅引き上げで、年間利益560万円未満は非課税に。取得価格不明時の代替計算方法導入など、投資家に配慮した新制度の詳細を紹介。11月下旬の法案可決を目指す。
14:00
BONK急騰、アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所Upbitは20日にソラナ基盤の犬系ミームコイン「BONK」の新規上場を実施し、韓国ウォンの通貨ペアを新たに提供し始めた。
13:57
Ledger Stax・Flex完全ガイド|仮想通貨の高性能ハードウェアウォレットを徹底比較
10周年を迎えたLedgerの次世代ハードウェアウォレット「Stax」と「Flex」を詳しく解説。大画面タッチパネル搭載の最新モデルの特徴から、定番のNanoシリーズとの違いまで完全網羅。セキュリティと使いやすさを兼ね備えたウォレットの全貌を紹介しています。
13:20
マイクロストラテジー会長、マイクロソフト株主総会でビットコイン投資を提案へ
米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長が、マイクロソフト株主総会で3分間のビットコイン投資プレゼンを実施すると発表。ビットコイン投資は株主にとっても、株価を左右する重要な議題であり、総会で議論されるべきだと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧