
株価50%超上昇
ナスダック上場のトロン社(Tron Inc.)が28日、米証券取引委員会(SEC)に最大10億ドル規模の混合証券発行を可能にするシェルフ・ステートメントを提出した。シェルフ・ステートメントとは、企業が将来の資金調達に備えて事前に証券発行枠を登録する制度で、市場環境に応じて柔軟な資金調達を可能にする。
同社は上場企業として最大規模となる3億6,500万TRXをバランスシートに保有している。マイケル・セイラー氏のストラテジー社がビットコイン投資で先駆けた仮想通貨財務戦略トレンドに参入し、株式・債券販売による調達資金で各種トークンに投資する企業群に加わった。
トロン社は約2週間前にSRMエンターテインメントとの逆さ合併により設立された。この取引では民間投資家からTRXトークン形式で1億ドルの株式投資を受けた。7月17日に正式にトロン社へ社名変更し、ナスダックティッカー「TRON」を採用している。
創設者ジャスティン・サン氏が先週木曜日にナスダック取引所の朝の鐘を鳴らし、新体制での事業開始を宣言した。同社は次世代国際決済システム構築と24時間低コスト高速取引を可能にする包摂的金融インフラ開発においてTRXが重要な役割を果たすと説明している。
トロン社はテーマパーク向け商品製造を行うSRMの元事業を継続する子会社も維持。ステーブルコインUSDTのユースケースでトロンがL1ブロックチェーン中でイーサリアムを抜いて主導的地位を占めることが投資家の信頼獲得につながり、財務戦略発表後の株価大幅上昇を実現したと分析している。
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