イーサリアムへの投資を検討する方へ
イーサリアム(ETH)はビットコイン(BTC)に次ぐ市場規模を誇る重要な暗号資産(仮想通貨)です。日本における保有率もBTCに次いで高く、国内の取引所では常に上位にランクインしています。加えて、世界中の機関投資家や企業からの関心も非常に高い資産です。
しかし、イーサリアムへの投資を検討する際、その複雑さや他のデジタルアセットとの違い、将来性が不透明などの理由で決断を迷う方も少なくありません。
この記事では、イーサリアムの主な特徴や投資のメリット・デメリットを分かりやすくご説明します。積極的に投資をお考えの方に向けては、おすすめ仮想通貨取引所の詳細や実際の取引画面を用いたイーサリアムの買い方についてご案内します。
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おすすめイーサリアム取引所の比較表
おすすめ 取引所 |
おすすめポイント | アプリの特徴 | 販売所 銘柄数 | 取引所 銘柄数 | 取引所手数料 | 最低取引単位 | 入金手数料 | 出金手数料 | 出庫手数料 | 詳細 | 備考 |
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1
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SBIグループの100%子会社 最高水準のセキュリティ |
取引方法の選択肢が豊富 入出金・出庫手数料は無料 |
24 | 7 | Maker:-0.01% Taker:0.05% |
販売所:0.00001 ETH 取引所:0.00001 ETH |
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2
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収益の分析機能があり 週単位や月単位で振り返り可 |
42 | 24 | 全通貨ペア 手数料無料 |
販売所:0.01 ETH 取引所:0.0001 ETH かつ 2 JPY |
クイック入金:無料(ペイジー入金を除く) 振込入金/ペイジー入金/コンビニ入金:振込手数料お客様負担 |
330円(税込) | 0.005 ETH | – | |
3
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19 | – | – | 販売所:0.01 ETH | 無料 | 550円 | 0.005 ETH | – |
イーサリアムとは
イーサリアムは2014年にヴィタリック・ブテリン氏によってホワイトペーパーが公表され、翌年公開されたブロックチェーンであり、スマートコントラクトと分散型アプリケーション向け(dApps)のコンピューティング基盤の先駆けです。
イーサリアムの登場により、スマートコントラクトを使用した構築が促進され、DeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)、分散型自律組織(DAO)など、さまざまなユースケースの創出、発展につながりました。
仮想通貨イーサリアム(ETH)
イーサリアムネットワークで行われる取引処理やスマートコントラクトの実行には、計算資源が必要です。これらの操作を可能にする燃料として、暗号資産(仮想通貨)ETHがガス代(取引手数料)の支払いに用いられます。
ETHはまた、ブロックチェーンの維持・運営に不可欠なバリデーターへの報酬としても使用されます。バリデーターは32ETHをロックアップし、ブロックチェーンの正確な運営に貢献することで、取引の確認や支払いの検証を行います。
イーサリアムエコシステム内では、ETHがステーブルコインや融資契約の担保、分散型市場での流動性提供など、多岐にわたる目的で活用されるなど、イーサリアムネットワークにおける重要な資産としての役割を果たしています。
ETHの総供給量には上限がなく、理論上無制限ですが、取引手数料の一部であるベースフィーがネットワーク上で燃焼(バーン)されることにより市場から削除される仕組みがあります。2022年9月以降、この供給量の減少は新規に発行されるペースを超えており、年率‐0.24%程度のデフレーション特性が生じています( 24年5月時点)。
バーン(焼却)とは
暗号資産を市場流通から恒久的に除去する行為のことです。これにより流通する供給量が減少し、希少性が増すことから、理論的に価格に上昇圧力がかかるとされます。
スマートコントラクトの利点
イーサリアムの特徴の一つが、「スマートコントラクト」と呼ばれる契約の自動執行機能です。これらはネットワーク上に展開され、プログラムされたロジックに従って動作します。これらは基本的に変更や削除ができないため、契約内容の不変性も保証されます。
スマートコントラクトでは、契約のルールを定義し、コードを介して自動的に操業できます。これは、自動販売機が商品を提供するプロセスを自動化するのと同様です。自動販売機によって販売員が不要になるのと同様に、スマートコントラクトは仲介者の役割を排除するため、多くの業界に革命をもたらす可能性があります。
スマートコントラクトの世界は、専門知識を持ち、必要なETHを支払うことができる人なら誰でも参加可能です。自らが作成した独自のスマートコントラクトをイーサリアムネットワークに展開し、オープンAPIのように機能させることができます。
異なるスマートコントラクト同士が相互に作用し合い、融資契約の担保に取り入れるなど、新たな使用例を生み出すことも可能。この柔軟性と構成可能性は、レゴブロックを自由に組み合わせて新しい形を創り出す遊びと似ており、想像力次第で無限の可能性を探ることができます。
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ビットコインとの違い
ビットコインは2009年にサトシ・ナカモトによって「中央管理者不在の金融システム」として生み出されました。現在、ビットコインは主に支払い手段や価値保存の手段として使われる仮想通貨です。
一方でイーサリアムは、フルスケールのプログラミング言語をサポートするブロックチェーンプラットフォームとして設計されており、企業家や開発者がアプリケーションを開発しビジネスを展開するための基盤を提供します。
ビットコインとイーサリアムの構造的な違いの1つは、コインの所有者を追跡するために使用される合意形成アルゴリズムです。ビットコインは「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」を採用しています。このシステムはシンプルかつ、ネットワークのコンセンサスに自由に参加可能で、合意形成における各ノードの影響力は、そのノードが提供する計算能力によって決まります。
イーサリアムでは、計算リソースではなく、保有しているETH量に比例してノードの影響力を計算する「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」という異なるアプローチを採用しています。イーサリアムのセキュリティ基盤は時価50兆円を超えるその市場価値にあり、PoSネットワークにとって潜在リスク「34%攻撃」に対して、高い抑止力を持つと分析されています。
34%攻撃とは
悪意のある参加者が大量の通貨を保有し、その通貨を利用してネットワークの合意形成プロセスを乗っ取ろうとする攻撃方法です。
2023年12月31日の時点でのイーサリアムでは、合意形成層にステークされたETHの量は2,880万ETH(約658億米ドル相当)に達しており、この状況下で34%攻撃を実行するためには、攻撃者は約980万ETH(約223億米ドル)を用意する必要があるとされています。さらに、クラウドリソースの利用コストを加えると、攻撃の総コストは約343億米ドルに達すると推定されます。この金額は、市場に流通しているETHの在庫や資金調達の観点から見ても、実行が困難な規模であると考えられます(Breaking BFT:SSRN参照)。
イーサリアムに投資する理由
イーサリアムへの投資を検討する際、単にその基盤となる技術を理解することだけでは足りません。イーサリアムが投資先として非常に魅力的である理由は、その豊かな開発エコシステム、スマートコントラクト基盤の中でお圧倒的な市場シェアと高い時価総額、そしてセキュリティにあります。これら3つの重要な要素を詳しく見ていくことで、イーサリアムの持つ潜在的価値と将来性をより深く理解することができます。
圧倒的な開発エコシステム
イーサリアムは、ブロックチェーン技術のパイオニアとしての地位を確立し、業界で中核的な開発プラットフォームの地位を築いています。充実したツールやライブラリの存在、そして膨大な数の開発者が特徴です。
Electric Capitalによる215,000以上のGithubリポジトリを基にしたデータでは、2023年12月時点でイーサリアムエコシステムには2,392人のフルタイム開発者*がおり、これは全ブロックチェーンのフルタイム開発者6,889人の約3分の1に相当します。この豊富な開発リソースは、金融から芸術まで様々な業界に革新をもたらす大きな潜在能力の源となっています。*月間10日以上コードをコミットした者
支配的な市場シェア
イーサリアムはスマートコントラクトを基盤とするプラットフォームとして市場をリードしており、2024年3月時点で、イーサリアムのDeFi市場でロックアップされた総額は570億ドルで、全体(1836億ドル)の3分の1(DeFillamaベース)。
PolygonやArbitrum等のイーサリアムのスケーリングソリューション(L2)を含めるとその市場シェアはさらに大きくなります。この事実は、イーサリアムの経済的重要性と影響力の大きさを物語っています。
Web3基盤として最高峰のセキュリティ
イーサリアムのセキュリティは、その市場価値が50兆円を超える規模に裏打ちされており、これにより企業に対して堅牢で拡張性のあるWeb3基盤を提供します。そのため、イーサリアムは分散型金融(DeFi)やブロックチェーン技術の統合を目指す企業によるデジタル債券の発行など、特に高額資産の発行に相性が良いとみなされています。大手金融機関のイーサリアム上でのトークン発行事例は以下の通りです。
- 欧州投資銀行(EIB)がイーサリアムを利用して債券を発行(21年4月):2年債で、発行額は1億ユーロ(約130億円)。
- フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルが約16億円相当のデジタルグリーンボンドをイーサリアムで発行(23年12月)し、これが欧州の仮想通貨取引所で取引される。
- ブラックロックが、イーサリアムネットワーク上でトークン化ファンド「BUIDL」を発売(24年3月)、Securitizeなどのブロックチェーンベースの証券型トークンプラットフォームを介して、適格な投資家に提供される。
そのセキュリティと多様性から、イーサリアムには機関投資家も注目し、イーサリアムを資産として保有する上場企業が増え始めています
ステーキングという運用方法
2022年9月の「The Merge」アップグレード以降、イーサリアムは従来のプルーフオブワーク (PoW) からプルーフオブステーク (PoS) への移行を果たしました。
2024年9月20日時点イーサリアムネットワークは、108万台のバリデーターが参加し、約3,450万ETH(約11.4兆円)がステーキングされています。将来的にはステーキング比率が50%に達する可能性も予測されています。
バリデーターとしてステーキングに参加するには、32ETH以上が必要ですが、一般の投資家は仮想通貨取引所を通じて少額からステーキングに参加することが可能です。
ステーキングは、保有している暗号資産で収益を得る一つの運用方法です。株式投資で得られる配当や不動産投資からの賃貸収入と同様に、ステーキングによる報酬も仮想通貨投資の一形態としてのインカムゲインとみなすことができます。
現在、銀行預金の利率は0.3%以下と低迷していますが、イーサリアムのステーキングは取引所により異なるものの、2024年4月実績で年率約3%前後の運用利回りが提供されています。
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イーサリアム投資のリスク
イーサリアムへの投資を検討する際には、いくつかのリスクも認識しておく必要があります。
スケーラビリティ問題
イーサリアムネットワークの利用者が増えることは、一見すると良いことのように思えますが、実際にはスケーラビリティの問題が生じることがあります。利用者が多すぎると、ネットワークの容量に負荷がかかり、結果として手数料が高騰し、取引の処理速度が遅れることがあります。
イーサリアムは、レイヤー2ソリューションやゼロ知識証明、シャーディングの導入により、これらの問題を克服しようとしています。これらの技術は、ネットワークの処理能力を向上させ、セキュリティを維持することを目的としています。
手数料の高騰
イーサリアムのガス手数料には、ベースフィーとプライオリティフィー(チップ)が含まれます。ネットワークが混雑すると、特にプライオリティフィーが高騰し、これが一般ユーザーに大きな負担となることがあります。
単に交換業者でイーサリアムを購入する場合には大きな問題にはなりませんが、ガス手数料の高騰が頻繁に起こると、ユーザーがイーサリアムから離れる原因となりうるため、潜在的なリスクとして認識しておくべきです。
次世代チェーンの台頭
イーサリアムに対抗する、スマートコントラクト機能を持つ多くのブロックチェーンが開発されています。ソラナ(SOL)、アバランチ(AVAX)などのプラットフォームは、スケーラビリティの問題を解決するための先進的な技術を採用しています。これらのブロックチェーンは、イーサリアムにとって直接的な競争相手となり得るため、投資家はこれらの動向にも注意を払う必要があります。
イーサリアムの今後、将来性は?
イーサリアムの開発チームは、スケーラビリティの向上に向けた継続的な努力を行っており、2024年3月にはDencunアップグレードを成功させました。このアップグレードにより、レイヤー2(L2)からレイヤー1(L1)へのデータ転送量が削減され、結果としてL2スケーリングソリューションの取引手数料が2倍から10倍低下しました。
この進展は、シャーディングという並列処理技術に向けた重要な一歩です。シャーディング技術を通じて、イーサリアムはブロックチェーンを複数の部分に分割し、全ノードが全データを保持する必要がなくし、計算処理を効率化することを目指しています。このアプローチにより、イーサリアムの処理能力が大幅に向上し、より多くのユーザーとアプリケーションをサポートすることが可能になる計画です。
米国でイーサリアム現物ETFの承認
2024年7月23日、イーサリアムの現物投資型ETF(上場投資信託):8銘柄が、米国で発売されました。
ETF(上場投資信託)が証券口座で取り扱われるようになるため、機関投資家がより容易に資金を流入させることが可能になります。
関連:イーサリアムの将来価格 ETFの米国承認後の影響とテック株との比較
おすすめイーサリアム取引所の詳細
続いて、実際の購入を想定し、交換業者の選び方や口座開設方法を解説していきます。
ETHの買い方・交換業者の選び方
日本は他国に先駆けていち早く仮想通貨の規制整備に着手しており、現在日本で仮想通貨の取引サービスを提供する企業は、金融庁・財務局への登録が必須になっています。そのため、イーサリアムの購入も安全に安心して行うことができます。
金融庁によれば、本記事執筆時点における登録業者は29社。日本で登録業者からイーサリアムを購入するには、まずはどの会社を利用するか選ばなくてはいけません。イーサリアムは、ほとんど交換業者が扱っています。
交換業者を選ぶ際に比較材料となるのは主に以下のようなポイントです。
- アプリなどサービスの使いやすさ
- 手数料の仕組み
- 安全性と信頼性
1つ目のポイントは手数料です。取引だけでなく、入金やイーサリアムの出庫時にかかる手数料も重要です。
他にも、アプリや取引ツールの使いやすさ、安全性や信頼性を高めるためにどのような取り組みを行なっているか、運営会社はどのような企業なのかを確認すると良いでしょう。
仮想通貨取引所の基本知識
本節からは具体的にイーサリアムの買い方について解説していきます。
イーサリアムへの投資で最も一般的なアプローチは、仮想通貨取引所を通じて行うことです。国内外に多数存在する仮想通貨取引所は、株式を扱う証券取引所と異なる独自の特徴を持っています。以下では、仮想通貨取引所を使った投資のメリット・デメリットについて整理します。
主なメリット
- 24時間365日いつでも取引可能
- 小額投資が可能
- ウォレットによる自己管理も
イーサリアムは分散型台帳技術により管理され、そのコピーは世界中に共有されています。これにより、1日中いつでも取引が可能となり、価格はグローバルに絶えず変動しています。多くの仮想通貨取引所が24時間365日稼動しているため、いつでも取引を行うことができます。
通常の株式市場が営業時間に限定され、休日や夜間には取引ができないのに対し、イーサリアムの取引にはそのような制約がありません。
さらに、イーサリアムは1ETH=数十万円と高価であるものの、0.00000001 ETH(数百円)といった小額からでも購入可能なため、気軽に投資を始めることができます。
特に注目すべきは、デジタルウォレットによる自己管理の可能性です。投資家は自らのイーサリアムをデジタルウォレットで管理することができ、取引所のセキュリティ依存を減らし、自身での資産管理を可能にします。この自己管理能力はセキュリティの向上や、自由度の高い資産運用を可能にし、イーサリアム投資の大きな魅力の1つとなっています。
主なデメリット
- 価格変動による損失リスク
- セキュリティ上のリスク
- 実用性と未知のリスク
イーサリアムの価格は、裏付けとなる実体や中央銀行などの中央集権的機関による管理がないため、市場の需給バランスによって大きく左右されます。このため、ボラティリティ(価格変動幅)が伝統的な金融商品に比べて高く、短期間での価格急落による損失リスクがあります。
また、インターネットを介して取引されるイーサリアムは、ハッキングのリスクに常に晒されます。実際に、過去には日本を含む複数の国で大規模なハッキング事件が発生し、多額のイーサリアムが盗まれた事例があります。イーサリアムの場合は、dAppsなどブロックチェーンと接続するサービスがハッキングに遭うリスクにも注意が必要です。
さらに、仮想通貨の普及に伴い、詐欺の手口も巧妙化しており、投資家はこれらのリスクに注意する必要があります。
日本を含め世界で規制環境の進展は見られますが、仮想通貨市場自体がまだ新しく、予期せぬリスクが生じる可能性もあります。
取引所と販売所の違い
イーサリアムを売買する際には、「取引所」と「販売所」という2つの手段があります。以下では、取引所と販売所の主な違いを探り、どちらがあなたのニーズに最適かを判断するための情報を提供します。
誰と取引するか
販売所: 販売所では、交換業者自身が取引の相手方となります。この方式は一般的な店頭販売に似ており、業者が提供する価格で直接購入する形式です。
取引所: 取引所では、他の投資家が取引の相手方となります。これは株式市場に似たシステムで、オーダーブックを介してユーザー同士が市場価格で直接取引を行います。
スプレッドの影響
取引所と販売所の間で重要な違いの1つが「スプレッド」です。スプレッドとは、買い値と売り値の差額を指し、この差が大きいほど交換業者はより多くの利益を得ることができます。
一般的に、販売所は取引所に比べてスプレッドが広く設定されているため、販売所での取引はコストが高くなる傾向にあります。このため、販売所の利用時はスプレッドに注意して選択することが重要です。
抑えておくべき手数料の種類
仮想通貨取引におけるもう1つの重要な考慮事項は、手数料の構造です。投資コストを最小限に抑え、最大限の利益を得るためには、手数料の違いを理解し、比較する必要があります。
取引手数料: 取引を行う際に発生するコストで、取引額の一定割合で計算されることが一般的です。
入出金手数料: 資金の入出金に関連する手数料で、円や仮想通貨の入出金時にそれぞれ発生する場合があります。これらの手数料は、交換業者や取引方法によって異なります。
手数料は交換業者や取引条件によって異なるため、取引を開始する前に各社の手数料一覧ページを確認し、自身の取引スタイルに合った業者を選択することが重要です。このようにして、手数料を含めた全体的な取引コストを把握し、適切な交換業者を選択することが、賢明な仮想通貨取引の鍵となります。
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ETHの買い方・口座開設と購
口座開設
それでは本節では実際の購入方法を説明していきます。まずは購入の前に、交換業者への登録手続きを行なって口座を開設することが必要です。口座開設は主に以下のステップで進んでいきます。
- メールアドレスを入力して登録用のURLを受信
- 必要事項を入力
- 本人確認書類を提出
まずは、自身が使用するメールアドレスを交換業者の専用ページに入力します。その後は入力したメールアドレス宛に登録用のURLが届くので専用のページを開き、多くの場合ここでパスワードの設定を行います。
次は氏名や住所、投資目的などの情報を入力。口座開設には本人確認が必要なため、必要書類をアップロードしたり、郵送したりする手続きが必要です。その後に審査が行われ、通過すればイーサリアムを購入できるようになります。
日本円の入金
口座開設が完了したら、次に購入に使う円の入金を行います。円の入金方法は、対応している銀行などが交換業者によって異なるので、必要に応じて事前に確認しておくことをお勧めします。
入金では、主に以下のような方法で最初に円を交換業者の口座に預け入れます。
- 銀行振込
- インターネットバンキングから入金
- コンビニから入金
入金後、自身の口座に円の残高が反映したら、その資金を使ってイーサリアムの購入が可能。取引所か販売所を選んで、必要事項を入力して購入手続きを行います。
SBI VC トレードでの仮想通貨の購入例
ログイン後の画面では、購入を希望する通貨を選択すると、その通貨のチャートが表示されます。表示されたチャート画面の右下にある「買う」ボタンをタップすることで、購入画面へ移動できます。購入画面では、「今すぐ注文」および「価格指定注文」という2種類の注文方法から選択可能です。
「今すぐ注文」を選ぶと、同社が設定する現在の価格でビットコインを売買することができます。この方法では、購入は提示された買取価格で、売却は売り価格で実施され、直観的な操作性により初心者でも容易に理解し使用できます。
一方、「価格指定注文」では、ユーザーが希望する価格に到達した際に自動的に売買が実行される予約注文を設定できます。このオプションは、チャート画面の青枠で囲まれたタブをタップすることで選択でき、「このレートになったら」または「数量」の項目をタップして、希望する価格や数量を指定することが可能です。
「取引所」では、自分の望む価格で購入または売却注文を設定し、それに応じた相手がいれば取引が成立します。この方式では、指値注文や成行注文を利用して取引を行うことができます。
販売所の売買手数料は無料(スプレッドがある)。一方、SBI VCトレードの取引所の売買手数料は、メーカー注文の場合は-0.01%、テイカー注文の場合は0.05%で、国内最安水準の手数料設定となっています。指値注文が約定した場合は全てメイカー手数料が適用されます。
購入する上での注意事項
本節ではイーサリアムなどの仮想通貨を買う上で考慮した方が良い重要ポイントを紹介します。
まずは、少額から投資し始めることを検討してみてください。仮想通貨は株式などと比べると少額で投資することが可能です。イーサリアムは1ETH以下でも購入することができますので、まずは慣れることから始めるのも1つの方法です。
次に、投資は余剰資金で行いましょう。これは仮想通貨に限らず、資産運用のポイントとしてよく挙げられています。生活に必要なお金や将来使う予定のある資金ではなく、当面は使う予定のないお金で投資するようにしてください。
仮想通貨にも、手元の資金よりも大きな利益を狙える「レバレッジ(証拠金)取引」という投資手段もありますが、大きな利益を狙える分、損失のリスクも大きくなります。投資金額を増やしたり、レバレッジ取引をしたりする前に、まずは余剰資金を使って少額投資を行うことから始めることをお勧めします。
イーサリアムの保管方法
続いて、購入したイーサリアムを保管・管理する方法を紹介します。
まずは、交換業者にそのまま預けておくという方法があります。その場合は口座に2段階認証を設定することをお勧めします。
また、仮想通貨には交換業者に預けておく以外に、自身で管理する方法もあります。仮想通貨のウォレットサービスを提供している企業があるので、自身でサービスを選び、登録手続きをすることで仮想通貨を自身で保管・管理できます。イーサリアムには「MetaMask(メタマスク)」という人気のウォレットがあります。
ウォレットとは、仮想通貨を保管するための電子上の財布のこと。イーサリアムに対応するウォレットを選べば、自身で資産管理を行うことができ、交換業者のハッキングリスクや倒産リスクを回避することができます。
ウォレットにはハードウェアウォレットといってオフラインで仮想通貨を保有できるタイプのものなどがありますが、どのウォレットも自身で保有しておくには「秘密鍵」という長い文字列などを管理する手間がかかります。
秘密鍵などの必要な情報を紛失してしまうと資産を失ってしまうことになりますが、自身で資産を管理できるということも仮想通貨の大きなメリットの1つなので、ウォレットの種類を簡単にご紹介しておきます。
- モバイルウォレット:スマホのアプリで保管
- ウェブウォレット:サービス企業のウェブサイトで保管
- デスクトップウォレット:パソコンで保管
- ハードウェアウォレット:オフラインの専用機器で保管
- ペーパーウォレット:紙で保管
イーサリアムに関する税金について
仮想通貨取引で生じた利益は原則「雑所得」として取り扱われます。日本円との売買で得た利益だけではなく、仮想通貨同士を交換したときに生じた利益やステーキングなどで得た報酬も課税対象となります。
また、NFTの購入時、イーサリアムを取得したときの価格よりも値上がりした状態であれば、決済時の差額が利益とみなされます。NFTを所持するだけであれば基本的に税金はかかりませんが、売却して利益を得た際は通常の仮想通貨取引と同様に所得とみなされますので、注意してください。
雑所得に分類される仮想通貨取引での所得は、給与所得などの他の所得と合算した金額に対して税率がかけられます。税率は、所得が多いほど高くなる「累進課税」が適用され、下表の通り5%~45%の7段階に分かれています。住民税も合わせると最大で約55%の税率が課されます。
イーサリアムは国内外問わず多くの取引所やDEX、マーケットプレイスで用いられることが多いため、取引回数もそれだけ多くなりがちです。仮想通貨同士の交換・決済時の差額も損益計算に含める必要があるため、どこを利用したのかを把握しておかなければ、誤った金額で確定申告してしまう可能性も高くなります。
関連:【確定申告特集1】知っておきたい仮想通貨にかかる税金を税理士が解説|Aerial Partners寄稿
よくある質問
最後にイーサリアム購入に関する「よくある質問」と回答を掲載します。
- ―ビットコインとどちらを購入すれば良いですか?
-
回答
ビットコインとイーサリアムは同じ仮想通貨でも、用途やブロックチェーンの機能などに違いがあります。
例えばステーキングによる配当的なインカムゲイン(保有中に得られる収益)は、合意形成アルゴリズムが「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」である必要があり、「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」のビットコインでは得ることはできません。
また、dApps(分散型アプリケーション)やブロックチェーンゲーム(BCG)、NFT(非代替性トークン)の取引や売買では、イーサリアムブロックチェーンを使ったトークン規格である「ERC-20」の関連銘柄が利用されることが多く、メジャーアルトコインの大半とスワップしやすいイーサリアムの互換性や汎用性の高さは群を抜いていると言えます。
本記事に書かれている特徴を把握した上で自身で判断することが必要です。また、両方を購入しておくという方法もあります。そうすればリスクを分散できますし、両方から利益を得ることができる可能性もあります。
- ―イーサリアム投資は儲かりますか?
-
回答
株や暗号資産(仮想通貨)など必ず利益が出ることが保証された金融商品はありません。
一方で、金融資産のポートフォリオを多様化することでリスクヘッジ(エクスポージャー分散)ができたり、最大手資産運用会社ブラックロックが米SEC(証券取引委員会)に申請中の「イーサリアム現物ETF(上場投資信託)」を含め、世界中の機関投資家からの注目度が高まってきたりしていることは事実です。
本記事の内容を踏まえて、投資対象として価値があるかをご自身で判断しましょう。
なお、前回の暗号資産(仮想通貨)バブルでは、2020年1月の始値は1ETH=135ドル(ドル円150円換算で約2万円)でしたが、2021年1月には1ETH=900ドル台に。2021年11月には過去最高値の4,867ドル(約70万円)まで高騰しました。
イーサリアム(ETH)は、時価総額1位のビットコインよりもボラティリティ(価格変動性)が上がりやすい傾向にあり、個人投資家にも好まれやすい銘柄と言えるでしょう。
- ―レイヤー2はETHの価値にどのような影響を与えますか?
-
回答
イーサリアムは、ブロックチェーンの三大課題である「分散性」、「セキュリティ」、そして「スケーラビリティ」のバランスを高めることを目指しています。これらを同時に達成することは、「ブロックチェーンのトリレンマ」と呼ばれ、一般には3つ全てを完璧には達成できないとされています。
レイヤー2(ロールアップ)は、このトリレンマを解決するために設計されたモジュール(機能単位)式実行手法です。トランザクションの実行環境をイーサリアムとは別に作ることで、セキュリティとコンセンサスの決定はイーサリアムのレイヤー1(L1)に委ねられます。これにより、スケーラビリティを犠牲にすることなく、セキュリティと分散性を保持し、ユーザー体験を向上させます。
イーサリアムに依存する重要な意思決定と、その外部で行われる計算の分離は、実行結果がL1で保証される一方で、イーサリアムの拡張機能として機能します。最終的に、イーサリアムネットワークへの経済活動の貢献と、ETHの需要へのポジティブな影響をもたらします。
レイヤー2はイーサリアムに直接的な価値をもたらします。具体的にはL2上でのトランザクションに対してユーザーが支払う手数料の一部をL2が保持し、その残りがイーサリアムネットワークに流れます。加えて、レイヤー2でのトランザクションによってイーサリアムネットワークもETHの供給量のごく一部を消費することになり、レイヤー2での活動増加が直接ETHに価値をもたらします。
- ―未成年でも買えますか?
-
回答
多くの交換業者が利用条件に18歳以上であることを挙げていますが、BTCBOXのように未成年でも口座開設できる交換業者もあります。BTCBOXに未成年が登録する場合は本人確認書類以外に、親権者の同意書、親権者との続柄確認書類を提出する必要があります。
- ―クレジットカードで購入できますか?
-
回答
以前は購入できる交換業者が複数ありましたが、価格変動の大きさを懸念するカード会社の希望もあり、現在は多くの交換業者がクレジットカードの受付を行なっていません。Zaifはウェブサイトで、「Zaifカード」であれば入金に利用できると説明しています。
- ―法人でも購入できますか?
-
回答
法人でも国内の交換業者に口座開設して購入を行うことが可能です。個人と比較して利益に課される税率を抑えることができる場合があったり、サービス内容が異なったりすることがあるため、交換業者のウェブサイトなどを確認しましょう。
まとめ
以上がイーサリアムの買い方に関する解説です。ビットコインとは違った魅力があったり、金融業界以外でも幅広く応用できる可能性があったりすることをご理解いただけたと思います。
投資のメリットとデメリットがあることはビットコインも他の仮想通貨も同じです。これは株式などの全ての金融商品にも言えることです。
イーサリアムは開発が完了しているわけではなく、デメリットもありますが、機能性が高く先行者利益があり、今後の発展が世界で期待されています。一般的な普及が進んでいないというデメリットは、早く市場に参入できるというメリットの裏返しでもあります。
また、現在は日本政府が「次世代のインターネット」と呼ばれる「Web3」の普及を推進しており、DAOでの活用などスマートコントラクト機能には注目が集まっています。
取引所の口座開設は時間と手間はかかりますが、費用はかかりません。イーサリアムで利益を得るチャンスを逃さないためにも、まずは交換業者に口座だけ作ってみてはいかがでしょうか。
記事の監修者
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