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Binance Japanが国内戦略を発表、「Web3普及とステーブルコイン事業」に注目 取扱通貨数「早期に100銘柄目指す」

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日本市場における戦略

Binance Japan(バイナンス・ジャパン)は30日、オンラインで事業説明会を開催した。同社代表である千野剛司氏が”日本市場における戦略とステーブルコインによるビジネス機会の展望と課題”をテーマにプレゼンテーションを行った。

8月2日のサービスローンチ以降、Binance Japanの戦略は日本市場で注目を集めている。千野氏は、このオンライン会議で取り扱い銘柄、レバレッジ取引、そしてグローバル版Binanceで展開されている多様なユースケースについての国内展開方針を共有した。

さらに千野氏は、仮想通貨取引の枠を超え、Binanceのエコシステムを日本の民間企業や行政と連携する展望も語った。ステーブルコインを核に、既存の金融システムとの融合を進める方針であり、Binanceの実績と技術力を活用したパートナーシップを積極的に推進する意向を示した。

出典:Binance Japan(以下全て同じ)

現在のところ、Binance Japanが提供する主なサービスは仮想通貨の現物取引と、貸暗号資産プロダクト「シンプル・アーン」である。また、現在取扱いのないレバレッジ(証拠金)取引については、第一種金融商品取引業者としてのライセンス(認可)を取得次第、グローバル版と同等レベルの先物取引などを展開する予定だ。

グローバル版Binanceでは、新興プロジェクトへのIEO投資プラットフォーム「ローンチパッド」や、PoS(Proof of Stake)対応銘柄を預けることで報酬を得られる「ステーキングサービス」、NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスなど、多くのサービスでユーザーの支持を得ている。

千野代表は、これらの特定のサービスについての国内導入時期は明言しなかったが、国内規制に合わせて、順次日本市場に展開していく方針を明らかにした。

Binance(バイナンス)とは

世界最大級の暗号資産取引所として180以上の国・地域で展開、関連インフラを提供する。Binane Japanのプレゼン資料によれば、Binanceグローバルの登録ユーザー数は1億5,000万人以上。日次平均取引量は650億ドル(22年11月7日時点)、現物取引数量は150億ドルに上る。

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Binance Japanはサービス開始初日から34銘柄を取り扱っており、これは国内では最も多い数字となっている。Binanceのネイティブトークン「ビルドアンドビルド(BNB)」と「アルゴランド(ALGO)」に至っては、日本国内で初の上場を果たした。

一方で、グローバル版Binanceは350以上の銘柄を取り扱い、その規模は世界でも屈指。千野氏は「最初の目標は100銘柄を取り扱うこと」と宣言し、日本独自の銘柄を選定する方針でBinance本部の合意を得ているとも付け加えた。

銘柄を選定する際の基準としては、プロジェクトのエコシステムの成熟度とコミュニティの規模が重要な要素となる。特に、初期段階よりも既に一定レベルの成熟を見せているプロジェクトが選定される可能性が高いという。

さらに、千野氏は、国内の他の取引所と銘柄審査の連携を視野に協議を進めていると語った。千野氏は、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の副会長を務めた経験があり、審査体制に関する専門知識も豊富。事実、同氏が参加した2021年6月以降、2023年春までに、国内での仮想通貨取り扱い審査が劇的に効率化されている。

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ステーブルコインによるビジネス機会の展望と課題

Binance Japanは、短・中期的な視野で、Binanceグローバルのエコシステムと日本市場をどう繋げるかに集中している。

この目標には、ステーブルコインを活用したセキュリティトークンオファリング(STO)の決済領域、決済プラットフォーム「Binance Pay」の加盟店獲得、さらには教育プログラムの開発や地方創生におけるDAOソリューションやNFT発行などがある。Web3(分散型ウェブ)の広範な普及を見据えたものだ。

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特に千野代表は、今年6月の改正資金決済法の施行により解禁となった、日本円ステーブルコインに対する商機に注目している。

米国を始めとする世界の規制当局が仮想通貨ユースケースに対して慎重な姿勢を取る中、日本の規制環境は比較的予測しやすいとし、ビジネス展開を進める上で優位性があると指摘。また、本部でも「岸田内閣が日本経済の復興案にWeb3を含める意志を、明確に受け止めている」と述べた。

日本の規制において、ステーブルコインの発行者は「銀行、資金移動業者、信託会社」に限定され、独自のステーブルコインを発行する障壁は高い。しかし、他社との共同展開も検討しているという。

千野氏は、仮想通貨の需要だけでなく、貿易取引やセキュリティトークン、プログラマブル決済といった多角的なユースケースで、日本円ベースのステーブルコインが流通する可能性について言及した。

日本の中央銀行は、CBDCプロジェクトを進行中。プログラマブル決済は民間主導で提案していく範囲であり、今後どのような実装が考案されるか注目されている。

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さらに、千野氏はCoinPostとの独占インタビューで将来的な展望について深い見解を共有。「エコシステムの接続」には、日本国内の証券会社と提携することで、Binanceの取引サービスを新規ユーザーにも広めていくという可能性も含まれると語った。

米国では、世界的な資産運用大手ブラックロックがビットコインETFの申請を行うなど、伝統金融と仮想通貨の融合が次第に進行している。千野氏は、日本でも同様の傾向が見られると予想し、「将来は仮想通貨取引所だけでなく、多くの新しい取引方法が出てくるだろう」と指摘した。

さらに、こうした機関投資家の積極的な参入は、取引市場の流動性確保の観点でも不可欠であると強調している。千野氏は、「Binanceに直接口座を開設する必要は必ずしもない」とも付け加え、柔軟なビジネスモデルが考えられると示唆した。

千野氏は、2022年7月にバイナンス日本代表に就任し、Kraken Japanでの2年間にわたるライセンス取得経験を背景に、株式会社サクラエクスチェンジビットコインの買収を選択して迅速に推進。わずか4ヶ月でこの交渉を成立させ、その手腕を証明した。

Binance Japanが進めるエコシステムの一体化戦略において、日本語での直接交渉と国内でのパートナーシップ展開を進める人材が不可欠だ。しかし、現状は、日本でのビジネス開発においても、「Binanceでの就業機会」と捉えて、海外からの応募が多数寄せられているという。

グローバルな視点で見れば、成功の鍵は積極性と行動力にある。これはWeb3プロジェクトや求人、さらには企業とのコラボレーションにおいても同様で、Binance Japanは既に多くの提案と協力を受けている。千野氏は、国内での事業拡大を実現するための新しい人材の採用に力を入れていると強調した。

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