はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨市場に二極化の構造変化  ビットコイン独り勝ちでアルトコイン保有は3分の1まで減少=Bybitレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+1.59%の1BTC=107,946ドルに。

BTC/USD日足

ビットコインが数週間ぶりの高値となり108,000ドルを一時突破した。中東情勢の不安定化があったにもかかわらず、緊張緩和の影響もあり、仮想通貨市場は堅調な推移を見せている。

仮想通貨アナリストのMichaël van de Poppe氏は、ビットコインが重要な局面を迎えているとの見解を示した。

同氏は、ビットコインが直近底値から9%上昇し、主要レジスタンスライン(上値抵抗線)に接近していると評価。ブレイクアウトが実現すれば「過去最高値更新が視野に入り、アルトコインが大幅に上昇する可能性がある」との見通しを示した。

米国規制当局からの相次ぐ前向きな発言も相場を後押しした。連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は上院銀行委員会で、「ステーブルコインが大きな進歩を遂げ、伝統的な金融の枠組みに位置づけられている」との認識を示した。

さらに連邦住宅金融局のビリー・パルト長官は、政府系住宅金融機関のファニー・メイとフレディ・マックに対し、ビットコインなどの仮想通貨を住宅ローンの資格要件でどう活用できるか検討開始を指示。米国不動産融資におけるデジタル資産活用への道筋が示された。

ニューヨーク証券取引所では、トランプ大統領の「トゥルース・ソーシャル」に関連するビットコインおよびイーサリアムETFの上場規則変更が申請されており、米SEC(証券取引委員会)が承認すれば90日以内に上場される可能性がある。

二極化する市場構造

一方、オンチェーン分析では、市場参加者の行動が劇的に二極化している様子が浮き彫りになった。1BTC未満を保有する個人投資家は一貫して売却を継続しており、保有量は169万BTCに減少。前年比54,500BTC減少し、1日平均220BTCが流出している。

一方、1,000BTC以上を保有するクジラ(大口投資家)は1年間で507,000BTC以上を追加購入し、現在1,657万BTCを保有。1日約1,460BTCを吸収しており、機関投資家が個人投資家の売却分の約7倍を購入している計算となる。

バイナンスでは24日、大口取引を急ぐネットテイカーの取引量が1億ドルを超え、同時にデリバティブ取引所からのステーブルコイン流出が12億5千万ドルに達するなど、機関投資家主導の動きが目立っている。

今回の上昇相場では、従来の強気市場で見られた個人投資家のFOMO(取り残される恐怖)による熱狂は見られない。むしろ個人は売却を継続しており、相場がピークに達していない可能性を示唆している。

懸念点としては、短期保有者(6ヶ月未満)の平均取得価格が約97,700ドルにあることだ。この層は市場全体の40%以上を占めており、この水準を下回ると、損切りの連鎖を誘発する可能性も考えられる。

Bybitの分析レポート

海外の大手仮想通貨取引所Bybitのリサーチ部門が発表した2025年上半期のアロケーション分析レポートによると、ビットコイン(BTC)が全ユーザーの総資産の30.9%を占め、2024年11月調査時の25.4%から大幅に増加した。同期間中、BTCは年初来で12.5%のプラスリターンを記録し、機関投資家からの継続的な資金流入が価格の押し上げ要因となった。

一方、イーサリアム(ETH)は年初来で-4.1%のマイナスリターンとなっており、BTCとの格差が鮮明になっている。今回の調査で注目すべき点は、機関投資家と個人投資家の投資行動の違いが鮮明になったことだ。

機関投資家はBTCへの投資を継続し、ビットコイン現物ETFへの資金流入も堅調に推移した。今年5月には機関投資家が大幅な資金を投入し、ビットコインの過去最高値更新を支えたとみられる。

対照的に、個人投資家はBTC保有量を減らし、XRPなどのアルトコインやステーブルコインに資金をシフトさせる動きを見せた。この傾向は、個人投資家がより投機的な取引を好む傾向を浮き彫りにしている。

アルトコイン市場では明暗が分かれた。XRPは2024年11月から2025年5月にかけて保有割合が2倍になった。背景には、米SEC(証券取引委員会)との裁判の終結、およびXRP現物ETFの承認への期待感が高まっていることがある。

一方、ソラナ(SOL)の保有割合は2024年11月の2.72%から2025年5月には1.76%へと下落した。ステーキングの需要低下やミームコインで一世を風靡したPump.funへの関心の冷え込みが影響しているとされる。

アルトコイン市場全体は厳しい状況が続いている。アルトコインの保有割合は2024年11月の35.22%から2025年5月には23.46%へと約3分の1減少した。アルトコインからの資金流出の主な受益者はBTCとなっており、資金の集中化が進んでいる。

今後の展望

市場の焦点としては、トランプ米大統領は7月9日までに、57カ国を対象とした報復関税の据え置きまたは再導入を決定することが挙げられる。90日間の猶予期間が終了し、数兆ドル規模の輸入品に影響が及ぶ見通しだ。

連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は今週、議会で証言し、関税がどのように物価上昇につながるかを中央銀行が注視していると述べた。米政権の交渉がまとまらず、再び他国との貿易摩擦が激化するようだと相場の不確実性が急上昇するおそれがある。

JPモルガンは昨日発表した中間報告書にて、米国の関税政策の影響で、2025年後半までに景気後退と物価上昇が同時に起こるスタグフレーションに陥る可能性は40%ほどあるとの見方を示している。

関連:仮想通貨取引所ランキング|プロ厳選の実績と評判で徹底比較

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧