投資家が注意すべき「仮想通貨詐欺」の種類、オーストラリア当局が注意喚起
著名人の名前を騙るビットコイン詐欺再び
オーストラリアの証券投資委員会(ASIC)がビットコイン詐欺について警告している。有名人の名を利用し、ソーシャルメディアから偽サイトに誘導する手口が特徴的だ。
コメディアンのCeleste Barber、作家・ミュージシャンのWaleed Alyなど、多くの著名人や、有名ニュースサイト、政府機関など一般的に信頼性が高いと思われる団体の名前が利用されているという。
主な偽の取引プラットフォームの名前には「Bitcoin Evolution」、「Bitcoin Revolution」、「Bitcoin Trader」などがあった。
ソーシャルメディアを利用
これらのウェブサイトは、Facebook、Instagram、LinkedIn、Twitterなどのソーシャルメディアサイトに偽の有名人の推薦文を掲載して誘導。ユーザーが記事や広告をクリックすると、著名ニュースサイトの「ミラーサイト」(コピーした偽物)へと遷移する。
ユーザーは、有名人の推薦だと思い安心して、偽の仮想通貨取引サイトを訪れるという。その後ユーザーは、様々な方法で口座に入金するよう求められる。
口座にログインすると、最初は偽データにより利益が上がっているように見えるものの、最終的には実際の取引が行われていないにも関わらず「取引損失」が表示されるなど、手口は悪質だ。
資金引き出しを要求したあとは、詐欺師は連絡を一切取らなくなるか、資金を引き出す前にさらに支払いを要求してくるという。
価格操作スキームへの警告
またASICは価格操作にあたる「ポンプ&ダンプスキーム」にも注意を呼び掛けている。
詐欺師はオンライン検索エンジンやニュースサイトに、偽サイトへの誘導記事や広告を繰り返し掲載し、関心と購買意欲を引き起こす手口だ。
その後、より多くの人々が仮想通貨を購入し、その価格が過度に上昇した後で詐欺師が自分の持っているトークンを売り抜くことで、価格が急落する原因となる。
オーストラリアでは、2019年に仮想通貨関連詐欺が1810件報告されており、同国の詐欺情報サイトScamwatchによると、仮想通貨詐欺の被害者となったのは25歳から34歳の若い世代が多かったという。
Twitter乗っ取りや偽アカウント
SNSを利用した詐欺は増加している。米国時間7月15日にも大規模なTwitter乗っ取り事件があったばかりだ。バラク・オバマ、イーロン・マスクなどの著名人やアップル、Uberなど著名企業アカウントがハッキングされた。犯人は「このアドレスにビットコイン送金すれば、倍にして返す」という趣旨のツイートを投稿し、12万ドル相当のビットコインを盗んだ。
また29日には一時、実業家の前澤友作氏の偽Twitterアカウントも確認された。「無料でBTC(ビットコイン)とETH(イーサリアム)を配る」という投稿で、海外の認証マークがついたアカウントを悪用したフィッシング詐欺を試みている可能性もある。
前澤氏は現在Twitterでお金が当選するキャンペーンを実際に行っていることから、一見信ぴょう性が高いようにも見えてしまい、注意が必要だ。
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取引コンサルタントを装ってAPIキーを取得
仮想通貨取引所Bitfinexの最高技術責任者(CTO)Paolo Ardoinoは、現在最も注意すべき仮想通貨関連の攻撃は何か質問を行なった、コインポストのインタビューに対し、「API抽出攻撃」になる回答している。
犯人は「取引コンサルタント」を装って、SNSでターゲットに近づき、投資をサポートするとして仮想通貨取引口座のAPI資格情報を聞き出そうとするという。
仮想通貨取引所が公開しているAPIは、自動売買を行うことが出来て便利ではあるが、資金引き出しリクエストを行うことなどが可能となるため、不用意にAPIキーを第三者に教えることは、大きなリスクになると警告している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します